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開発中の新型コロナウイルスのワクチンについてわかっていること

開発中の新型コロナウイルスのワクチンについてわかっていること
Image: Shutterstock.com

最近のニュースを見ていると、新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンがもうすぐ入手可能になると考えたくなるかもしれません。

しかし残念ながら、そうではありません。専門家らの共通見解は、ワクチンが広く利用できるようになるまで1年から1年半かかるというものです。

では現状、COVID-19ワクチンについて何がわかっているのでしょうか?

そもそも、ワクチンの開発には長い時間がかかります。ワクチンが正式に承認を受けるまでに、6段階の試験と承認を経なければなりません。

6段階とは、探索段階、前臨床、臨床開発、規制当局による審査・承認、製造、品質管理です。

ワクチンはいつ手に入る?

ニュースからはModerna社が開発中のワクチンが臨床試験段階に入り、ほかにも、Johnson & Johnson社や Inovio Pharmaceuticals社などさまざまな企業がワクチンを開発しているという話が聞こえてきます。

まるでワクチンがもうすぐ完成するかのように思えてきますが、そうではありません。

今回始まった臨床試験(第I相試験)は、臨床開発段階の一部です。臨床試験は、ボランティアの数を増やしながら、3段階のフェーズを経て行われます。

第I相試験では、少数の健康なボランティアにワクチンを投与し、経過を観察します。Moderna社の試験では、18歳から55歳までの45人のボランティアに対しワクチンを2回接種し、6週間経過を観察します。

第I相試験が完了すれば、つづいて第II相試験、第III相試験を行い、より幅広い年齢層の人たちにワクチンを投与し、副作用の有無を調べるのです。

第II相試験では、ワクチンのターゲットと年齢や特徴が似ている対象者、数百人にワクチンを投与し、副作用の有無を調べます。このフェーズが完了すれば、第III相試験で、さらに多くの人を対象にした試験が行われます。

この各フェーズで、数週間にわたる経過観察が行われます。つまり、最も順調に進んだとしても、第III相試験が終了するまでには最低数カ月を要することになります。

また、安全で効果的なワクチンの開発に成功したとしても、ワクチンを製造し、全員に行き渡らせるまでには、さらに多くの時間がかかります。

ワクチンの安全性と有効性を確認するためには、徹底した試験が不可欠です。

「ワクチンには危険な副作用がある」とか、「ワクチンは効かない」といった誤った観念を与えないためにも、無理に急いで試験を行うべきではありません。

開発中のワクチンは数種類ある

試験中のワクチンが必ずしも効果的で安全であるという保証はありません。そのため、数種類のワクチンの開発が同時に進められています。

最初に第I相試験に入ったワクチンは、タンパク質を作る役割を持つメッセンジャーRNAを利用する珍しいタイプのものです。

ほとんどのワクチンは、ウイルスの一部や不活性となったウイルスを原材料として作られます。こうしたワクチンは、将来、人間がウイルスに暴露された場合に、免疫システムに撃退方法を教える働きをします。

現在もっとも開発が進んでいるワクチンは、ウイルスに似たタンパク質を体がつくるときに使うメッセンジャーRNAを利用することで、免疫システムにウイルスの撃退方法を教えるものです。

現在のところ、このメカニズムで働く、広く利用可能なワクチンはまだ存在していないことには注意が必要です。

このワクチンの安全性や有効性が証明されない場合は、開発中のほかのワクチンに望みを託すことになりますが、いずれもまだ臨床試験段階には至っていません

ですので、すぐにワクチンが入手できるとは期待できません。もっとも、最終的には人類はワクチンを手に入れるはずです。

それまでは、できるかぎり感染の拡大を遅らせる必要があります。

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Image: Shutterstock.com

Source: The Atlantic, CDC, CBS News, MarketWatch, NHGRI

Rachel Fairbank - Lifehacker US[原文

訳:伊藤貴之

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