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カスタマーハラスメントに遭う前に。弁護士に聞いた「最低限の準備」

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カスタマーハラスメントに遭う前に。弁護士に聞いた「最低限の準備」
Image: Shutterstock

もはや、一部の業種だけに関係のある話ではなくなってしまいました。

この頃、耳にするようになったさまざまな「ハラスメント」の中でも、日常生活を脅かす「カスタマーハラスメント」は重大な課題です。

この言葉は、現時点では法律上の定義がありません。あえて定義をするならば、「顧客または取引先による、身体的、心理的、性的、経済的被害を引き起こしかねない悪質なクレーム」を指すといえます。

コンビニや病院で、聞いている側も「それはどうなの…?」と首を傾げてしまうような文句を言う人、見たことありませんか。バスやタクシー、介護や飲食業界など、「お客さま」と接点を持つ全ての業種でのリスクマネジメントが必要な時代になっています。

もし、カスタマーハラスメントに遭遇したら、どのように対処すればいいのでしょう。対応に当たる上で心がけておくべきこと、事前にやっておくべき対策など、実際にカスタマーハラスメントに該当する事案に向き合うこともあるという、アトリエ法律事務所の弁護士・山辺哲識さんに傾向と対策を教わりました。

山辺哲識(やまべさとし)

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弁護士。アトリエ法律事務所所属。慶應義塾大学法科大学院非常勤講師。Arts and Lawメンバー。1981年東京都生まれ。東京外国語大学英語科、慶應義塾大学法科大学院、UCLA School of Law(LL.M.)卒業。2009年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2016 年から2017年まで米国にて体験型ゲームのプロデューサー。主にエンターテインメント業界の企業向けに法律顧問業務を展開する傍ら、PARTY・VALU・SCRAPの法務責任者に就任。培った現場感覚を活かして、企業の内外から幅広いリーガルサポートを提供している。

カスハラが増える3つの理由

──クレーマーは以前からいたと思いますが、テレビ番組でも特集が組まれるなど、カスタマーハラスメントが取り上げられる機会が増えたように感じます。なぜでしょうか。

メディアなどで頻繁に取り上げられるようになった理由は3つ考えられます。

第一に、日本の経済環境やストレス環境の悪化により、純粋に件数が増加したと思われること。第二に、SNSなどの発信手段が多様化したことで、カスタマーハラスメントの事例が一般に知られやすくなったこと。

第三に、競合他社との差別化を図ろうと、接客サービスの向上に各社が取り組んだ結果、消費者が期待するサービスへの期待値が上がってしまい、現実との不一致が生じやすくなったことです。

──山辺さんも弁護士業務で、これらのトラブル相談を受けることはありますか?

私はエンターテインメント業界に属する依頼企業から、さまざまな案件を日々いただいておりますが、お客さまとのトラブルや苦情に関するご相談も受けます。その中には、カスタマーハラスメントに該当するケースもありますね。

初期対応と組織対応をルール化しておく

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──事業者として、どのような事前対策ができるでしょうか?

事前対策として、これまでの相談事案からの知見をご紹介すると、まずは「事業者自体の方針」を決めておくことです。特に、悪質なクレームを受けている可能性がある場合に、事業者が「取引関係」と「従業員の保護」のどちらに、どの程度の比重を置いて取り組むのかを示すことが必要です。

その上で、過去のクレーム事例などから、想定されるカスタマーハラスメントを類型化し、各々への初期対応の方法を決めておきましょう。

「初期対応」と言ったのは、店舗などの現場がカスタマーハラスメントへの対応を長期的に担当するのではなく、ある時点では店舗から事業本部の組織へ対応を引き継ぐのが望ましいからです。

──現場に委ねるのではなく、ある段階からは組織的に対応しようと。

最も大切なのは、無理に自分で解決しようとしないことです。会社が設定する対応ポリシーに沿って、カスタマーサポートの部署に適宜引き継ぐことで、事業者は誠実かつ公平な組織的対応を行えます。

そこで、やってはならないことの一つは、現場か組織かにかかわらず、事前に設定した対応ポリシーを曲げて「特別扱い」をしてしまうことです。せっかく設定した全社的なポリシーの厳格さが揺らいでしまうし、ポリシーに則ってクレーム処理を行ってきた会社の正当性も薄らいでしまう結果になります。

──あくまで対応ポリシーに沿った行動を徹底するのですね。

そして、組織的に対応する段においても、クレーマーに対して「譲歩する限界点」を決めておきます。限界点を過ぎた場合、事業者はクレーマーに対して「ノー」と回答すると共に、弁護士など外部の専門家へ解決を依頼することが望ましいでしょう。

これらの対応を事前に決めておくと、ルールに従ってクレーム対応を完了できます。

「やり取りの記録」は、やっぱり大切!

──クレーム対応を円滑に完了させるために「しておくべきこと」はありますか。

最悪の場合、裁判所などの紛争解決手段に頼る場合もあることを念頭に「やり取りの記録」を残しておくのをお勧めしています。

具体的には、クレーム発生時の日時、相手方、内容、初期対応の結果を記録してください。

この時点で最も優先されることは迅速な情報共有ですので、音声などの「生データ」でなく、担当者が入力した報告書でも構いません。その意味では、クレーム発生時の報告方法を明確に決めておくことも重要です。

次に、内部で最低限の情報共有が完了していることを前提に、クレーマーとのやり取りに関するテキスト、音声、録画などの生データを都度適切に保存しておきましょう。

電話であれば「サービス向上」などの名目で録音することは一般的ですし、防犯上の観点からも店舗内に防犯カメラを設置することも有効です。

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すべての対応はSNSで晒される、という覚悟を

──実際にクレーマーと対峙する際に、心がけておくべきことは?

注意すべき点として、まずはクレーマーとのあらゆるコミュニケーションは、SNSなどのインターネット上で晒される覚悟で行うことです。

たとえば、Twitterで「クレーム スクショ」などと検索すれば、自己のクレームと会社側の対応を詳細かつリアルタイムに説明するアカウントがたくさん見つかります。

一部のクレーマーへの特別扱いや感情的な反論は、インターネット社会においては格好の炎上材料となり、会社の社会的信用を毀損するリスクがあります。

──なるほど、カスタマーハラスメントの事例をよく見る理由にも関連しているのですね。

次に、悪意と善意を見極める意識を持つことです。

一概に「カスタマーハラスメントでは」と感じるケースでも、代金の不当回収や謝罪としての追加サービスを受けることを狙った悪意が前提のケースもあれば、お客さまご本人の認識では正義や善意に基づいた改善の機会を与えて「くれている」ケースの両方がありえます。

クレーム対応は、最終的に弁護士などの専門家を介在させた、ある意味では冷酷な紛争解決手段に移行する可能性があります。製品やサービスに特別な思い入れがあり、改善に貢献しようとしてくれている長年のファンと、そのような形で関係性が終わってしまう結果にならないように注意しつつ、見極めなくてはなりません。

最後に、クレームへの対応は、誰にとっても精神的負担が大きいことを忘れないでください。クレーム対応でのストレスや会社への不信感は、離職の原因にも容易になり得ます。うつ病などの精神的な疾患を発症してしまった場合には労災認定される場合もあります。

従って、前述した「限界点」に達した事案は、従業員の離職を防ぐためにも、弁護士など外部の専門家へ依頼することが必要かと考えます。私たち弁護士は職業柄、精神的にもタフな交渉には慣れていますので、ご安心ください(笑)。

「従業員第一」の姿勢が経営で求められていく

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──山辺さんが考える、「カスタマーハラスメント」との上手い付き合い方があれば教えてください。

まず、俯瞰的な分析を申し上げると、今後の日本は労働人口の減少により、事業者が従業員を確保することが大きな課題としてのしかかります。したがって、カスタマーハラスメントによって従業員がストレスを抱えたり、離職者が出てしまったりすることは、顧客や取引先を失うよりも大きな損失になり得るのです。

実際に、広報戦略においても、これまでの「お客さま第一」ではなく、あえて「従業員第一」をアピールし、ブランド価値を高めることに成功しているケースが出てきています。

以上の分析を踏まえると、これからのカスタマーハラスメントを含むクレームと上手に付き合うには、対応マニュアル、記録のための設備、外部の専門家などを積極的に導入することで、従業員を悪質なクレームから守ることが先決。

その上で、本来、大事にすべきお客さまへのサービス向上に集中できる環境作りに注力することではないでしょうか。

──ありがとうございました。

リスクマネジメントとして、簡単・安心の防犯カメラを

山辺さんのアドバイスにもあるように、クレーム対応においても「備えあって憂いなし」だということが見えてきました。中でも、「生データ」の記録は、事前準備がなくては実行しにくいものでしょう。

最近はスマートフォンで誰でも動画や音声を記録できるようになったとはいえ、対面でのクレーム対応の場合、いきなり相手にそれを見せてしまうと、さらなる激高を招く恐れも…できるだけ自然に、かつ十分な証拠となるような記録を考えるのであれば、防犯カメラの導入も検討してみましょう。

常時録画・録音できる防犯カメラなら、急なクレーム対応が発生しても安心です。しかし、防犯カメラといえば、費用が大きくかかってしまったり、録画システムの導入が大掛かりだったり…というのは、ひと昔の話!

現在は防犯カメラも「クラウド化」の波が到来し、手頃で簡単、安全性も高く、スマートフォンと連動できるなど進化しています。

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Image: NTT東日本

NTT東日本が提供するクラウド型カメラモニタリング・録画サービス『ギガらくカメラ』ならば、クレーム対応への備えにも活用できるだけでなく、防犯効果も高まります。

この『ギガらくカメラ』には、5つの特長があります。

  1. 遠隔地からでもスマートフォンやパソコンからカメラの映像を確認できる。一部機種はズーム、パン、チルトなど自由な操作も可能。
  2. HD画質のクリアな映像を録画できる。
  3. 導入・運用が簡単。すべてNTT東日本が手厚くサポート。
  4. クラウド型なので録画データの消失リスクが軽減される。
  5. 365日9時~21時の時間帯で、専任担当者が電話サポート。

月額利用料は録画の保存期間などによって異なりますので、『ギガらくカメラ』のHPからご確認ください。

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Image: NTT東日本
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Image: NTT東日本

ギガらくカメラ』には暗視カメラとしても機能する機器もあり、終業・閉店後の防犯という観点でも重宝します。

手持ちのパソコンやスマホからもインターネットを介して映像がいつでも確認できるので、複数店舗や事業所を持つ管理者にとっては、訪問回数や管理コストの軽減にもつながります。カスタマーハラスメントへの備えではありますが、その他の用途にも活用できそうですね。

増え続けるカスハラへの事前対策を

現在でこそ法整備はされていませんが、山辺さんも「今後法制化される可能性もあります」と話すカスタマーハラスメントの問題。

単なるクレーム処理に留まらず、組織運営や経営課題とも直結するだけに、そのリスクマネジメントについては、従来よりも重要度が上がっていると捉えるべきでしょう。

リスクを念頭に置きつつ、傾向と対策を学び、適切なルール作りを。そして、備えあれば憂いなしの精神で、必要な設備投資を。これらの基礎対策で、いざ出くわしてしまった場合にも、冷静に対応できるようにしておきたいものです。

『ギガらくカメラ』の詳しいお問い合わせはこちらから


Source: NTT東日本

Image: NTT東日本, Shutterstock 1, 2, 3, 4

長谷川賢人

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