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唾液だけで、病気のリスクや自分の祖先がわかる?「遺伝子を知る権利」を推進するヒトゲノムベンチャー

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唾液だけで、病気のリスクや自分の祖先がわかる?「遺伝子を知る権利」を推進するヒトゲノムベンチャー
Image: Mugendai(無限大)

医学やテクノロジーは日々急速な進歩を続けており、人間の遺伝子情報である「ヒトゲノム」の解析が完了したのが、2003年。

さまざまな分野での恩恵が期待されていますが、実はそれと同時に専門家の間では「遺伝子情報をどう扱うべきか」という議論が繰り広げられているのをご存知でしょうか。

IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)では、唾液だけで自分の体質や疾病リスクが分かるサービスを展開する女性が登場。ヒトゲノムと病気、その扱い方の難しさを語っていました。

唾液だけで、病気のリスク、自分の祖先などが分かるサービス

インタビューに登場していたのは、東京大学大学院在籍中に株式会社ジーンクエストを起業した高橋祥子さん

同社は、唾液を送付するだけで、がんや生活習慣病のリスクアルコール耐性や記憶力、および自分の祖先など、およそ300項目の遺伝情報が分かるサービスを展開しています。

「ヒトゲノム」や「遺伝子の解析」と聞くと、体の未来がすべて分かる万能な情報と思いがちですが、高橋さんはそれを否定。

病気の要因は遺伝だけではなく、生活習慣などの環境要因も関係していると指摘します。

高橋さんはご自身のビジネスについて「自分の遺伝的にリスクが高い項目は何なのかをチェックし、その予防法を実践していただくための情報となればと考えています」と語ります。

100%病気になると分かっていたら、事前に知りたいですか? 「遺伝子を知る権利」を推進するヒトゲノムベンチャー
Image: Mugendai(無限大)

しかし一方で、特定の遺伝子があれば発症することが決まっている病気もあるそう。高橋さんいわく、そうした情報の提供は技術的には可能ながら、さまざまな障壁があるといいます。

「遺伝子を知る」ことは個人の権利か。テクノロジーに追いつかない倫理観

特定の遺伝子を持っていると必ずかかる病気。分かるものなら知りたい方も多いと思いますが、現在の日本では、医療機関ではない個人向けサービスがそれを行うことは許されていないそう。

一方アメリカでは「情報を明かさない方が個人の権利を侵害している」という考えもあるそうで、100%発症すると分かっている病気の遺伝情報をどう扱うべきか、世界的な共通認識はまだないといいます。

テクノロジーの進化が、法整備や倫理観を追い抜いてしまったといえるのかもしれません。

100%病気になると分かっていたら、事前に知りたいですか? 「遺伝子を知る権利」を推進するヒトゲノムベンチャー
Image: Mugendai(無限大)

そうした難しい状況の中、「自分の力で変えられないもので不利益を被ることは差別である」と語り、個人の遺伝子情報は提供すべきだという立場をとる高橋さん。

遺伝子解析の未来を熟慮しながら、以下のように語っています。

ゲノムの解析技術はどんどん発展しているので、これから先、「この情報にアクセスしてはダメ」というデータの封じ込めはできなくなってくると思っています。(中略)

遺伝子解析の未来を俯瞰すると、個人が正しい自分の情報にアクセスできる環境を整えていく方向に舵を切るべきです。例えば、遺伝性疾患や難病についての遺伝情報にも、医療機関を通じてであればアクセスできるとか、その後のカウンセリングやフォローができる体制をつくるといった、技術を前向きに活用するための議論が必要だと考えています。

大学院での研究の道を断ち、起業を選んだ高橋さん。

その志について、疾病の予防で人々にメリットを与えることはもちろん、起業によって「遺伝情報を知ることが良いか悪いか」という議論ができる雰囲気を醸成したかったと語ります。

他にも、遺伝子解析が進んでいくことで今後大きく変化する分野の話題など、続きはMugendai(無限大)よりお楽しみください。


Image: Mugendai(無限大)

Source: Mugendai(無限大)

渡邊徹則

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