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子どもがゲームをやめない。ゲーム障害の特徴と兆候・対処法

子どもがゲームをやめない。ゲーム障害の特徴と兆候・対処法
Image: Elena Scotti/Getty Images

うちの子は最近、スマホやタブレット、ノートパソコン、ゲーム機をのぞき込んでばかりいる。しかも、何時間もぶっ続けで。

みなさんのなかにも、そんなふうに思っている方がいらっしゃることでしょう。

ティーンエイジャーとゲームは、切っても切れない関係にあります。とりわけ、さまざまなデバイスやゲームにアクセスできる現代においては。

ところで、「ゲームが好き」と「ゲームのしすぎ」の境界線はどこにあるのでしょう?

「問題のある」ゲームプレイ

いまのところ、アメリカには「ゲーム依存」を定義する区分がありません。ですが、世界保健機関(WHO)は2018年に「ゲーム障害」の特徴を次のように定義しました。

ゲームに対する歯止めが効かない、ほかの関心事や日常生活よりもゲームを優先する、よくない結果を招いているにもかかわらず、ゲームをやり続けたり、ますますのめり込んだりする。

セントラルミシガン大学で臨床心理学を研究するSarah Domoff助教授は、この問題を、本格的な依存症ではなく、「問題のあるゲームプレイ」と考えるとわかりやすいと述べています。

セントラルミシガン大学のセンター・フォー・チルドレン・ファミリーズ・アンド・コミュニティーズの助教授で、「問題のあるメディア評価・治療クリニック(プロブレマティック・メディア・アセスメント・アンド・トリートメント・クリニック)」のディレクターも務めているDomoff氏は、こう述べています。

「ここでいう『問題』とは、ゲームをやりすぎるせいで子どもの正常な活動が妨げられる状態のことです」

ゲームを楽しみながらたくさんプレイすることと、子どもの正常な活動が妨げられてしまうまでゲームをプレイすることの間には、違いがあります。

つまり、ゲームが問題になるのは、子どもの学業や社会生活、あるいは、以前は楽しんでいた活動などが妨げられるようになったときなのです。

ゲーム依存の予防法

子どものゲームプレイが問題化するのを防ぐために、親が積極的に取り組めることはたくさんあります。

ゲームの遊び方やアプリの使い方に関して、期待や制限をあらかじめ設定しておくのは、どの最新デバイスに対しても有効だとDomoff氏は言っています。

テクノロジーやメディアとどのように付き合うべきかについて、子どもと話し合うのです。それから、バランスを保つために何ができるかについても。

ティーンエイジャーとゲームの関係において、大きなカギとなるのがバランスです。

年齢に適した安全なゲームなら、少しぐらいプレイに時間を費やしても、まったく問題ありません。

ただし、宿題や学校、課外活動、家族や友だちと過ごす時間をないがしろにしないことを子どもが約束する必要があります。

ベットに入る1時間前にゲームを中断

米国小児科学会(AAP)のウェブサイトには、子どもといっしょに作成できる「ファミリーメディアプラン」(英語)が用意されています。

これを使ってプランを立てることで、スクリーンをオフにするゾーンや時間帯、デバイスの「門限」などを設定できます。

あわせて、安全性や、よきデジタル市民であることの大切さも強調できます。

まずは、睡眠障害を避けるために、ベッドに入る1時間前にすべてのスクリーンを消すことから始めるのがいいと思います。

それから、子どものベッドルームにあるデバイスの数を減らすのもいいでしょう(あるいは、ベッドルームにデバイスは一切置かないという方法もあります)。

また、子どもに対して、ゲームのどんなところが好きなのか尋ねたり、子どもといっしょにプレイしたりするのもいいことだと、Domoff氏は言っています。

一緒にプレイすれば、子どもが安全に遊んでいるかどうか確かめられますし、誰と交流しているのかも確認できます。

また、ゲームを楽しみながら、広告や巧みなアプリ内課金について話すこともできますし、そうすることで、広告主によるターゲティングを批判的に受け止めるという子どもの能力も育むことができます。

「時間制限を設けるだけでは足りません。一緒に過ごす時間を増やして、ゲームのどういうところが楽しいのか、子どもから話を聞くべきです」と、Domoff氏は言っています。

問題のあるゲームプレイの兆候と、その対処法

問題があるかどうかは、子どもがゲームに費やす時間だけでは判断できないと、Domoff氏は言っています。

大切なのは、ゲームが子どもの日常生活のほかの領域に、どんな影響を及ぼしているのかに目を向けることです。

  • ゲームが原因で学校を休んでいる。
  • ゲームのせいで、クラスメイトとの間に問題を抱えている。
  • ゲームをやめたくないせいで、以前は好きだったことへの興味を失ってしまっている。

これらはどれも、子どものゲームプレイが問題化していることを示す警告です。

ゲームをやめさせられると激怒したり、プレイ時間がどんどん長くなっていたり、こそこそ隠れてゲームをしていたりといったような場合も、問題ありかもしれません。

Domoff氏によれば、子どものこうした問題行動は多くの場合、制限の設定に問題があることから生まれるそうです。

そして、「親が介入してゲームに対する制限を厳しくし、生活のほかの領域とうまくバランスをとれるようにするだけで状況を改善できるかもしれない」と、同氏は指摘します。

子どもがゲームしすぎる理由は、何か別の問題が隠れている可能性

ただし、子どもの行動の管理にほとほと手を焼いている場合は、親の側の行動を変えることを目的とするペアレント・トレーニングに詳しい専門家や、若者に対して認知行動療法を行っている専門の心理学者に相談すると、力を貸してもらえるかもしれないそうです。

問題のあるゲームプレイのための居住型治療プログラムもいくつかありますが、そこまで徹底した治療が必要なティーンエイジャーはあまりいないでしょう。

子どもの問題行動の改善に取り組むにあたって覚えておきたいのは、子どものゲームのしすぎは、少なくとも部分的には、その底にある別の問題が原因になっていて、それがゲームの影響を受けやすくしている可能性もあるということです。

別の問題とはたとえば、情動制御の問題や、不安障害、うつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害などです。

テクノロジーを使いすぎるティーンエイジャーのための治療キャンプ「Summerland」を運営するMichael Bishop博士は、NPRの取材に対して、一般的に、問題のあるゲームプレイの改善に取り組むときには、「依存症」という言葉を使わないようにすることが大切だと述べています。

この問題は、「依存症」ではなく「習慣」ととらえたほうがいいと私たちは思っています」と、Bishop博士は言っています。自分の行動を習慣ととらえたほうが、ティーンエイジャー側の変わろうという気持ちが高まるのです。

また、ドラッグやアルコール、ギャンブルなどの依存症と違って、今後一切、画面を見ないというのも現実的ではありません。

ポイントは、ゲームへの依存を減らし、健康的なプレイを奨励することなのです。

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Image: Elena Scotti/Getty Images

Source: WHO, Summerland, NPR, cmich, Healthy Children

Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文

訳:ガリレオ

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