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地頭のいい人≠アイデアマン。「問題解決」への最短距離のつくり方

地頭のいい人≠アイデアマン。「問題解決」への最短距離のつくり方
Photo: 印南敦史

たとえば営業成績が悪かったとしたら、普通は「どうすればノルマを達成できるだろう?」と考えるのではないでしょうか?

つまり「早く問題を解決したい」と思った場合、人は「なにかいい手はないか?」とアイデアを求めてしまうわけです。

しかし、いくら時間をかけたとしても、突然ひらめきが降りてくるようなことはほとんどないと、『思考と行動を高速化する 超速! 問題解決』(高橋輝行 著、アスコム)の著者は断言しています。

いいかえれば、アイデアや発想力は問題解決に必須のものではないということ。

それどころか、「問題が起きた→なにをしよう?」という“アイデア探し”の思考を捨てない限り、事態が解決に向かうことなはいというのです。

いわば、そんな考えがあるからこそ本書を執筆するに至ったということ。

本書は、これから問題解決力を伸ばしたいと考えているビジネスパーソンや、部下に主体性を身につけさせたいと考えている経営者、マネジメント層の方々を対象に、問題解決のための「頭の使い方」を解説していきます。(「はじめに」より)

問題解決に慣れていない方が読んでも理解できるように、専門用語を極力使わないようにしたそう。

また、「アイデア探し」から抜け出し、カーナビ的な「頭の使い方」が自然に身につくように構成したのだといいます。

きょうは、そんな本書のなかから序章「問題解決とは何か」に注目し、基本的な考え方を確認してみたいと思います。

“超速”問題解決の第一段階として、まずは「いきなりアイデアを出そうとするのは間違い」だということを知っておくべきだというのです。

無駄な会議が増えるワケ

会議や打ち合わせに出たものの、結局は「なにも結論が出なかった」「こんなことなら自分の作業をしていたほうがマシだった」と感じたーー。

そんな経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?

しかし、そうだとしたら、「アイデア探し」に陥っていることが原因かもしれないと著者は指摘しています。

たとえば、上司がチームのメンバーに声をかけて、緊急の打ち合わせをしているとしましょう。

「今季の予算、未達になりそうだ。予算達成に向けて営業のテコ入れ策を考えよう。上から施策を押しつけるより、みんなで考えたほうがモチベーションも上がるし、結果も出ると思う。遠慮せずに、みんなどんどんアイデアを出してほしい」

もしも上司がこう発言したとしたら、その瞬間から、打ち合わせに参加しているメンバーの思考は必然的に、「アイデアを出す」ことへと向かってしまうことになります。

「テレアポを増やすしかないんじゃないですか?」

「それも必要だろうけど、時間がないんだから角度の高い顧客に絞って提案すべきでは?」

「でも数字が取れている人もいるんだから、まずその人のノウハウを共有したほうがいいのではないでしょうか?」

「それだったら、取れる人にからなず同行してもらう仕組みにしたほうが確実でしょう」

その結果、こうした議論が展開されたとしたら、活発で前向きなことのように思えるのではないでしょうか?

ところが、やっていることは単なる「アイデアの乱れ打ち」にすぎないと著者は指摘しています。

多くの場合は、なにをするのか決められないまま同じような会議が繰り返されているにすぎないということ。だから大半は「無駄会議」になりがちだというのです。

たしかに、そのとおりかもしれません。

「アイデア探し」から入ると、話し合っているようで話が進まず、考えているようで考えていない、無駄な時間になりがちです。(38ページより)

とはいえ、アイデアもない状態で、どうすれば超速で問題解決ができるのでしょうか?

著者によれば、問題解決力の高い人たちがやっている“あるポイント”をつかむことでそれは実現できるのだそうです。(36ページより)

できる人は地図を持っている

「アイデア探し」の思考から抜け出すためには、本書で紹介されている問題解決メソッドの全体観を整理しておく必要があるといいます。

① 「3つのボックス」で問題解決の地図を広げる

② 「3回考える」ことで解決までの最短経路を見つける

③ 他人の頭を借りて確実に速くゴールへたどり着く

(41ページより)

いわば、このメソッドが目指しているのは「問題解決までの最短距離を無理なく一直線に走りきる」こと。

それこそが、超速の問題解決だというのです。

強く意識していただきたいのは、迷ったら地図を見るという、ごく当たり前のことです。

問題解決できる人とできない人の大きな違いは、そもそも問題解決の地図を持っているかどうかにあります。(41ページより)

問題解決力の高い「地頭のいい人」とは、天才的な発想をするアイデアマンではないと著者は言います。

そう見える人も、頭のなかでは必ず「現場はどうなっているか」「どうなれば解決された状態になるか」を極めてロジカルに整理しているものだというのです。

いいかえれば、いちかばちかのアイデア勝負をしているのではなく、現在地と目的地が記された地図を持って、筋道立てて考えながら進んでいるということ。

「問題が起きた→なにをしよう」と動くのではなく、まず問題の地図を広げ、「こうしたい」というテーマを持つことが大切だというわけです。

すべての問題解決は、それを意識することからスタートするという考え方。

だからこそ、本書で紹介されているメソッドを実践するのに、“すごい発想力”や“豊富な経験”は必要ないのだと著者は記しています。(40ページより)


こうした考え方を基盤としたうえで、以後は問題解決を超速化するための具体的なメソッドが紹介されていきます。

ただし上記にもあるように、それは決して難しいものではなく、すぐに実践できるはず。

そのため、よりよい問題解決を模索している方に最適な一冊だと言えそうです。

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Source: アスコム

印南敦史

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