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仕事が速い人が実践する「ちょっとした原則」でパフォーマンスを上げよう

仕事が速い人が実践する「ちょっとした原則」でパフォーマンスを上げよう
Photo: 印南敦史

「仕事が速い人」と「遅い人」との絶対的な違いは、

注力すべき仕事を見極め、その仕事を最速で片づける能力。そして、 そうでない仕事は、うまく人に任せる能力。(「はじめに」より)

仕事が速い人は、「これ」しかやらない ラクして速く成果を出す「7つの原則」』(石川和男 著、PHP研究所)の著者は、こう主張しています。

膨大な仕事のなかから、優先順位の高い「力の入れどころ」を見つけ出し、最速で片づけていく能力。そして、自分以外の人(や物)に任せられる仕事は、どんどん任せる能力。それこそが、仕事の速さを決定するということです。

ちなみに著者は、建設会社役員・税理士・大学講師・時間管理コンサルタント・セミナー講師と、5つの仕事を掛け持ちする“スーパーサラリーマン”。

過去にも著作をご紹介したことがありますが、つまりこうした考え方は、すべて経験に基づいたものなのです。

きょうは第1章「仕事が速い人の『7つの原則』のなかから、いくつかを抜き出してみたいと思います。どれも、すぐに活用できそうなものばかりです。

あらゆることに「期限」を決めろ

著者いわく、仕事が速い人の第一原則は「とにかく期限を決める」こと。つまり、期限が迫ったときにこそ生まれる、大きな行動力を活用するという発想です。

「30分後にはじまる会議の発表資料がまだできていない……」

「1時間後にお客様へプレゼンする資料が未完成のままだ……」

このような経験は、誰にでもあるもの。しかし期限が極限まで迫ってくると、途端に猛烈な行動力を発揮できたのではないでしょうか?

そんなところからもわかるとおり、期限を決めることは「行動力」を生み出す最速最強の方法

したがって、仕事の速度を上げたいのであれば、「とにかく期限を決める」習慣をつけるべきだということです。

「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」(26ページより)

これは、1958年にイギリスの歴史学者であり政治学者でもあるシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した「パーキンソン第一の法則」だそうです。

たとえば会議の時間を1時間与えられると、30分で結論が出る議題であっても、雑談をはさんで1時間かけようとしてしまうということ。

同じように上司が毎晩8時まで残業していたとすると、部下は定時までに終わる仕事でも、だらだらと進めて8時まで時間をかけるわけです。

つまりはこのように、人は与えられた時間をすべて使おうとするのです。

しかし逆にいえばそれは、「人は期限を決めれば、それに合わせて仕事を進める」ものだということにもなるはず。締め切りを意識せずにはいられない性質を利用してしまえばいいのです。

私は、スマホのバイブレーション機能を使って、各仕事に「期限」を作っています。

さらに、使用中のスマホだとついラインやSNSを見てしまうので、以前に使っていたスマホをこのためだけに使っています。(27ページより)

しかし、バイブレーションがなることはめったにないのだとか。言うまでもなく、いつも設定時刻より前に仕事を終わらせてしまうから。

つまりはそれほど、期限を決める力は大きいということなのでしょう。(24ページより)

仕事が速い人は「5秒」で動く

「やらなきゃいけない」と頭でわかってはいても、なかなか体が動かないということもあるのではないでしょうか?

そんな「考えているうちに、行動できなくなる」という現象には、ちゃんと理由があるのだといいます。

それはアメリカのテレビ司会者、メル・ロビンス氏が提唱している「5秒ルール」。その内容とは人間の脳は「何かをやる必要があると思ったときに、5秒以上考えてしまうと、やらなくてもいい理由を考えはじめる」というものです。

なんと5秒! たったの5秒でその後の行動が決まってしまうのです!(29ページより)

目覚まし時計が鳴っているのに、布団にくるまっていろいろな悩みについて考えているうちに起き上がれなくなってしまう。そんなときは、5秒以内に起き上がればいい。

満員電車でお年寄りが目の前に立っていて、席を譲ろうか考えたものの、「断られて気まずい雰囲気になったらどうしよう」と不安になって立ち上がれなくなってしまう。

そんなときも、5秒以内に立ち上がって隙を譲ればいいということ。

では、5秒以内に行動に移すためにはどうすればいいか? 答えは簡単。「3、2、1、GO!」と、心の中でカウントダウンするだけ。

大変そうな仕事も、「3、2、1、GO!」で、まずは最初の一歩を踏み出してしまうのです。(29ページより)

つまりは、自分に勢いをつけることが重要なのです。(28ページより)

「まず1回」をやれば、1回で終わらなくなる

さらに著者はもうひとつ、「すぐに行動する」ためのヒントを紹介しています。ここで取り上げているのは、心理学者のクレペリンが発見したといわれる「作業興奮」。

簡単に言えば、「作業をすることで脳が興奮し、その作業を続けたくなる」という作用のことだそうです。

「なわとびを毎日100回跳ぶ」という目標を立て、実行するとします。

最初の数日は問題なく100回跳べるでしょうが、何日か経つと、「きょうは寒いし、なんとなく手首が痛いな」というように言い訳を考え出してサボってしまったりすることもあるはず。

そして、三日坊主の道に進んでしまうわけです。

こんな三日坊主を、どうやって回避するか? 答えは簡単。それは、 1回でも、跳ぶ! (30ページより)

「きょうはサボりたいな」と思ったら、「また明日からやろう」ではなく、「1回跳んだら終わりにしよう」と思うわけです。

1回でも跳んでしまえば、こっちのもの。なぜなら「せっかくだから」と2回、3回、10回と勢いづき、結局100回飛べてしまったりするものだから。

1回でも跳べば「作業興奮」が脳内に発生し、跳び続けようと無意識のうちに考えるわけです。

仕事も同じで、面倒なのは「はじめていないから」。だからこそ、「5秒ルール」でとにかくはじめることが重要だということです。(30ページより)


「残業だらけの毎日がつらい」「家族や友人と過ごす時間も、好きなことをする時間もない」というような悩みを抱えているのなら、本書で紹介されている、仕事の正しい「力の入れどころ」とテクニックの数々が役立つだろうと著者は記しています。

試してみて、取り入れられるところを取り入れ、実践し、習慣化するだけ。決して難しいことではないので、やってみる価値は充分にありそうです。

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印南敦史

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