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商談・会議・雑談。できるビジネスパーソンが「3」にこだわる3つの根拠

商談・会議・雑談。できるビジネスパーソンが「3」にこだわる3つの根拠
Photo: 印南敦史

ビジネスの現場では、なんらかのかたちで数字を把握し、使いこなす技術が求められるもの。とはいえ数字に対する苦手意識を克服できず、困っている方も少なくないはずです。

しかし『商談・会議・雑談でなぜか一目置かれる人が知っている「数字」のコツ』(山本崚平 著、あさ出版)の著者は、数字のコツさえつかめば、誰でもスムーズに仕事を進められるようになると断言しています。

重要なのは上司、同僚、取引先の言っている数字が、だいたいわかること。そして、わかりやすく相手に伝えられることです。 たとえば、伝えるために大事なのは、最長でも3秒で言える範囲に数字をまとめることです。

日本の人口(概算値)は、「1億2602万5000人」(令和2年1月1日現在)ですが、これを最後の1ケタまで言おうとすると、間違いなく3秒以上かかります。これだと、1億2000万以降の数値は相手の記憶には残りません。(「はじめに」より)

たしかに売上の管理、経費管理などにおいて、1円単位まで追いかけている会社は少ないはず。

したがって、長くても3秒以内で口にできる数字に端折ってコミュニケーションをとればこと足りるという考え方です。

なぜなら数字は、物事をきちんと定義し、お互いの共通認識を持つために使うものだから

本書ではそのような考え方に基づいて「数字の法則」をまとめ、数字を把握するコツを明かしているわけです。

きょうはそのなかから、「3」という数字が持つ力について触れた第2章「できる人は『3』という数字をキーにしている」をクローズアップしてみることにしましょう。

「3」には不思議な魔力が

「松竹梅」「一富士・二鷹・三茄子」「三種の神器」などがそうであるように、日本人は古くから3という数字をよく使います

言われてみればたしかに、「三点倒立」「三位一体」「三すくみ」などということばもありますし、ジャンケンもグー・チョキ・パーの3つです。

また漢数字も、1~3までは「一」「二」「三」と横棒が増えていくのに、4になると急に規則性がなくなり、「四」となります。

ちなみにこれは、日本だけのことではないのだとか。その証拠、にローマ数字でもⅠ、Ⅱ、Ⅲまでは縦線のみで構成されているのに、4になると急にⅤという文字が加わって「Ⅳ」と表記されます。

このように人が「3」という数字でまとめたがるのは、三角形の形状がそうであるように、「3」は安定感のある数字だからだろうと著者は推測しています

3点の均衡がとれた「3」という数字に対し、無意識のうちに心のどこかで安心感を抱き、使いたくなるのだろうということ。

事実、ビジネスの多くの場面でも、「3」がしばしば登場するもの。

そして著者によれば、できる人は3という数字をキーナンバーとして仕事することが多いのだそうです。(74ページより)

話のポイントは3つに絞る

「話のポイントがうまくまとめられない」という人は、伝えたい内容をまず3つに絞ってみるといいそうです。それだけで、不思議とうまく話せるようになるというのです。

そればかりか3つに絞ると、ヌケ・モレがないように感じさせることができ、聞き手も負担なく覚えることができるのだともいいます。

ミズーリ大学のネルソン・コーワン氏も、2001年に提唱した「マジカルナンバー4±1」という考え方のなかで「瞬間的に記憶できるのは3~5個の情報である」と主張しているのだそうです。

つまり、こちらの意見を相手にしっかりと理解させたいときは、3つ(もしくは5つまで)に絞るべきだということです。たとえば本書を読むメリットについても、

① 数字を使って話せると、ビジネスパーソンとして一目置かれます!

② 基本的なビジネス法則を身につけることで判断が早くなります!

③ ロジカルに考えることができ、相手を納得させることができます!

(77ページより)

と3つにまとめれば、読んでもらいやすくなるわけです。

しかし、逆に数多くのポイントを並べすぎると、内容は相手の記憶に残りにくくなるものだということです。(75ページより)

商談は「3回」会ってから

著者が過去に会ってきた優秀な営業マンには、とにかく粘り強いという共通点があるそうです。

「ザイアンスの法則」という法則があります。 これは、別名「単純接触効果」と呼ばれ、人は何度も相手と顔を合わせているうちに、徐々に相手に対して好感を持つようになる効果です。(90~91ページより)

たとえば商談においても同じ。

売れない営業マンは3回会う前に諦めてしまいますが、売れる営業マンは「3回目から!」というスタンスで商談に臨んでいるというのです。

1人のお客様と最低3回は会い、会うための提案をし続けているということ。では、3回目以降はどのくらい会えばいいのでしょうか?

「セブンヒッツ理論」という理論があります。 これは、広告業界における法則で、「人は情報に3回接することによりその商品を認知し、7回接することによりその商品を手に取るという法則」です。(91ページより)

つまり、この法則に基づくと、顧客に「商品の話を聞いてもよい」「商品について考えてもよい」と思ってもらえるまでに3回の商談が必要となり、さらに商品の購入を考えるまでには7回の昇段が必要になるということです。(90ページより)


著者は、数字が人よりも苦手だったにもかかわらず、経営・人事コンサルタントとして働くことができるくらい数字が得意になったという人物。

つまり本書は、そうした経験がベースになっているのだということです。

気負うことなく読み進めることができるのは、そのせいなのかもしれません。

しかも紹介されている法則の多くは、優秀なビジネスパーソンの間では「お作法」として当たり前に知られていることばかりだそう。

つまり、これらの「お作法」を身につければ、ビジネスパーソンとしてのポテンシャルが上がると考えることもできるわけです。

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Photo: 印南敦史

Source: あさ出版

印南敦史

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