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24時間の返信を期待しないで! デジタル時代に友人や家族とうまく距離感を保つ方法

24時間の返信を期待しないで! デジタル時代に友人や家族とうまく距離感を保つ方法
Image: Shutterstock

人間関係の線引きとは、「自分に受け入れられる類の行動」と「そうでない行動」を相手に知らせ、どんな関係を期待しているかを伝えることを意味します。

私たちはいつもこうした線引きを、ちょっとしたやり方でしています。たとえば、言い争いをしているときに「怒鳴らないで」とパートナーに頼むとき。

あるいは、友人に「そのことはあまり話したくない」と伝えるだけでも、線引きにあたります。でも、オンラインでの線引きは、難しい場合があります。

相手の同意もなく、友人に情報を放り投げる人が多すぎる

フェミニスト福祉の教育に携わるMelissa Fabello氏は2019年11月、友人から来たメッセージのスクリーンショットをツイートしました。そのメッセージは、重い内容の会話をしてもいいかと尋ねるものでした。

Fabello氏はそのすぐあとに、いまは「キャパシティ」がいっぱいいっぱいだと答えた自分の返信をシェアしました。

そしてこうした自分の返答を、会話をする余裕がないとやんわり伝えるときのテンプレートとして使ってはどうかと、フォロワーたちに対して提案しました。

私のTEDトークへお越しいただき、ありがとうございます。

敬具

心配ごとだらけで、人助けが好きで、精神力を吸いとられる会話が始まることを前もって知らせてもらえない者より

PS:頼みごとをされたけれども、相手を支える余裕がないときに使える返答例として、こんなテンプレートを提案します:

「こんにちは! 連絡ありがとう。いま私はちょうど、

キャパシティいっぱいなのです。/(あるいは)ちょうど、困っている別の人を助けているところです。/(あるいは)個人的問題に取り組んでいるところです。

それで、あなたと話をする時間をつくれそうにありません。

かわりに、(別の日か時間)にお話ししませんか? /(あるいは)ほかに連絡をとれる人はいませんか?」

1週間くらいあとに、YanaさんというTwitterユーザーが、同じような友人からのメッセージ画像を添えたツイートを公開しました。こちらは、「いま、あなたを傷つけるかもしれない情報を聞く精神的余裕はある?」と訊く内容です。

「いま、あなたを傷つけるかもしれない情報を聞く精神的余裕はある?」

「....」

(Yanaさんのコメント)

私が言いたいのは、タイミングの悪いときに、相手の同意もなく、友人に情報を放り投げる人が多すぎるということ。相手を傷つける可能性があるとわかっているなら、面倒を起こそうとする前に許可を得てほしい。お願いします。

健全な線引きとは?

この2つのツイートに対するフォロワーたちの反応の総意は(あくまでも、Twitterにそんな総意が存在するとしたら、ということですが)、「ばかばかしい」「芝居がかっている」というものでした。

侮辱的だという意見までありました。返信コメントの大部分は、テンプレートを使うというアイデアに重点を置いたもので、友だちとそんなふうに話をするのは「ぞっとする」とか「ロボットみたい」と指摘していました。

でも、10年近くにわたってセラピーの経験を積んできた私は、この2つのツイートには、別のものが存在していると気がつきました。それは、健全な線引きをしようという試みです。

不安、鬱、燃え尽き、ストレスなどの、どうにもならないほどの心身の苦痛を経験している人、そして、ちょくちょく線引きを無視してくる人が身近にいる人にとって、こうしたルール決めや、事前のさぐりは欠かせないものである場合があります。

線引きのテンプレートを使うという提案に関して、Twitterで多く見られた批判のひとつが、難しい会話をしようとする人を除外することになる、というものでした。

けれども、どんな関係においても線引きが大切な理由のひとつは、まさにそうした会話をしやすい環境をつくるのに役立つ点にあると、専門家は指摘しています。要は、親しさを損なわずに相手の限界を尊重し、自分の限界を伝えられるような、健全なバランスを見つければいいのです。

24時間話し相手になる必要はない! 線引きの機能と、それが大切である理由

線引きという概念を明確に意識せずに、しかし実際には線引きしている人もいるかもしれません。そうした場合、自分が相手になれるのはいつかということや、どういう内容なら対応できるのかについて、伝えているはずです。

けれども、こういう点について人が必要とすることはさまざまです。そして、デジタル化が進む世界は、そうした多様性に対応できるようにはできていません。

資格を持つ専門カウンセラーのKatie Lear氏は、次のように言います。

私たちの多くは、いまや手首にデバイスを巻きつけていて、起きているあいだは一瞬も途切れることなく、電話やメール、テキストメッセージの着信を知らされます。

そんな状況では、24時間いつでも返信しなければいけないと感じる罠に、簡単に陥ってしまいます。

同じく資格を持つ専門カウンセラーのErica Wiles氏は、自分の線引きを見極めるのが最初の一歩だと話しています。

ソーシャルメディア上や個々の友人たちとのあいだでは、どの程度の個人情報を共有したり交換したりしたいのか。どれくらいの数の人に対して、どれくらいの感情を注ぎたい/注げるのか。そうした線引きを具体的に考えてみることを、Wiles氏は勧めています。

アドバイスをしたり、愚痴の聞き役になったりしてもかまわないかどうかを見極めたら、それを友人に伝える方法を考えましょう。

Lear氏は、どうしていいかわからなくなっている人に対して、返信可能な時間に関してしっかりした制限を設けることを勧めています。

少なくとも、夜10時にメールを書かなければいけないときは、翌日に送信するように設定しましょう。そうしておけば、そんな気もないのに、夜遅くてもいつでも返信できると伝えてしまう羽目にはなりません。

同じことは、個人的なショートメッセージにも言えます。私の場合、特に心配な夜には、翌朝に友人のメッセージに返信するのを忘れないように、自分のためにメモを残しています。

さらに、『Inbox When Ready』というGoogleのプラグインを使ったうえで、「メールをチェックしている最中以外は、受信ボックスを隠しているから、数分では返信できないかもしれない」と、まわりの人たちに知らせています。

つい最近、友人にある頼みごとのメールをしたときには、彼女から、その頼みごとについては、もっと余裕のあるこれこれの日にショートメッセージを送ってくれないか、という返事をもらいました。もちろん、喜んでそうしました。線引きが双方の役に立ったというわけです。

いつ相手をするかは自分で決める

言うまでもないことですが、人間関係のポイントのひとつは、愛する人のために自分の時間を割き、相手も同じようにしてくれると期待することにあります。とはいえ、たいていの人間関係では、24時間いつでも時間を割くのは健全ではありません。専門家はその点について、自分の限界を見極めて明確な境界線を引くことを勧めています。

この境界線は、先に紹介したTwitterのテンプレートのようなものかもしれないし、まったく違うものかもしれません。いずれにしても、「燃え尽きてしまって力になれない友人」という、別の可能性よりは良いはずです。

「昔なら、固定電話が鳴っても、タイミングが悪ければ電話には出ませんでした。単純な話です」と語るのは、心理療法士で社会学者のKathrine McAleese氏です。

それは今でも可能です……時間を割けるときを自分で選んで、自分の選択の権利を尊重すればいいのです。

多くの人が犯しがちな過ちは、誰かに利用されているときに感じるフラストレーションを無視することだ、とWiles氏は話します。

「そうした感情を認めてください。無視したり、飲み込んだりしてはいけません」とWiles氏は言います。

でないと、疲れ切って、共感が燃え尽きてしまいます。もうたくさん、というタイミングを認識(できるように)して、その線引きを友人に伝えて、再確認してください。

ときには問題が、ひとりの友人やひとつの話題には限らないこともあります。ソーシャルメディアからは、感情的な表現(や期待)が絶えず流れ込んできます。これに対処する最も簡単な方法は、単に無視することです。

とはいえ、Lear氏も指摘しているように、誰かがショートメッセージやメール、ツイートなどの方法で自分の注意を引こうとしてきたとき、返事をしなければいけないと感じてしまうことは少なくありません。

別の方法としては、

  • ミュート(あなたの心を乱すことをしょっちゅうアップする友人や家族を、すぐにはブロックしたりフォローを外したりしたくない場合)
  • 取捨選択(あなたの心を乱す投稿やメッセージをする人のうち、それについて話しあうのが生産的とは思えない相手をブロックする、またはフォローを外す)

などがあります。

そしてこの場合も、自分が割く時間の線引き(1日の特定の時間だけソーシャルメディアのアカウントをチェックする、など)は有効です。

一線を越えられた場合の対処方法

境界線の越境は、さまざまなかたちをとることがあります。

触れてはいけないとされていた話題に触れることもあれば、「この時間にはメールしないで」という頼みを無視したり、不満のはけ口として絶えず友人や知人に寄りかかったりするケースもあります。

場合によっては、自分の不快感を相手に伝えるだけで済むこともありますが、状況や快適と感じるレベルは、関係によってさまざまに異なります。

ときには、一線を超えた結果、バランスが崩れて不健全になってしまうこともあるでしょう。

「友人との会話が、双方向の愚痴の言いあいから、片方の友人だけがずっと話したがる状況に変化したのなら、それはあなたが『セラピストモード』に追いやられている兆候かもしれません」とLear氏は述べます。

その場合は、天秤のバランスを取り戻して、会話の方向をやんわり変えるといいでしょう。

あなたは、友人の力になりたいと思うことでしょう。

でも、自分の同情する気持ちや時間が利用されていると感じたり、専門家の助力を受けるべきではないかと思ったりするときには、双方に共通する体験や関心事に、会話を切り替えてみるといいでしょう。

ふたりの関係にもよりますが、問題に真正面から向きあってみてもいいかもしれません。そうすれば、燃え尽きや腹立たしさなどの感情が和らぐため、長い目で見れば、それがどちらにとっても役に立つとLear氏は話しています。

極端な状況では、極端な対策が必要になることもあります。

伝えても相手がわかってくれない時の対処法

誰かが一線を越えて、それを伝えたのにわかってくれないときには、「スマホを使わないようにして、もっと助けになってくれそうな別の人に任せるといいでしょう。あるいは、境界線をきっちり引いて、ここが重要なのですが、その線引きをしっかり守りましょう」とMcAleese氏は提案しています。

結局のところ、自分の面倒は自分でしか見られません。

相手にはっきり伝えなくても自分の限度をわかってもらえる、と期待することはできないし、自分以外の人のトラウマや心の苦しみをそっくり引き受けることもできません。

でも、自分が友人に与えられるものだけでなく、自分のニーズとキャパシティーをはっきり伝えられるようにしておけば、たぶんテンプレートなんていらないでしょう。

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Image: Shutterstock

Source: Twitter

Kaitlin Ugolik - Lifehacker US[原文

訳:梅田智世/ガリレオ

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