連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

書評

ポモドーロ・テクニックは合わない?「内向型人間」に有効なワークスタイル

ポモドーロ・テクニックは合わない?「内向型人間」に有効なワークスタイル

内向型人間だからうまくいく』(カミノユウキ 著、祥伝社新書』の著者はサラリーマン時代、自分が内向型人間であることに気づき、エネルギッシュで社交的な人と自分との違いに悩み、自己嫌悪に陥ったのだそうです。

独立した現在は、「内向型プロデューサー」として内向型な性格の人を対象としたオンライン講座や講演を行うほか、SNSで内向型に関する情報を発信しているのだといいます。

自分の性格とは違うタイプの人の真似をしてもうまくいきません。私が自分の性格を嫌い、苦しんできたのは、「外向的であれ」という世間の価値観に流されてきたからです。

しかし、内向型の人間は、内向型らしく生きればよいのです。現に、内向型の強みを活かして成功した内向型人間は、日本でもたくさんいます。 (「はじめに」より)

このような考え方を軸として、多くの具体例を見てきた実績をもとに書かれたのが本書。

明かされているのは、現代の日本社会で内向型人間が自信を持ち、強みを活かして楽しく生きるための術です。

きょうは、第三章「内向型人間が働きやすくなる方法」に目を向けてみたいと思います。

ここでは、内向型人間が仕事の現場で実際にぶつかる壁に対処するためのノウハウが具体的に解説されています。

仕事に集中できる環境をつくる

内向型人間の仕事にとってもっとも大事なことは、集中できる環境をつくること。

なぜなら刺激に敏感で、集中できるまでに時間がかかる内向型人間は、仕事に集中できずにパフォーマンスを発揮できないケースが少なくないから。

しかし逆に言うと、集中できる環境さえ整えることができれば、優れたパフォーマンスを発揮できるということになるはず。

そこで、仕事の準備には時間をかけるべきだといいます。

まずは、余計な刺激を徹底的に排除しましょう。 会社では難しいかもしれませんが、聴覚への刺激は、静かな場所で仕事をするか、耳栓をするなどで減らせます。

視覚への刺激も、無意識のうちにあなたを疲れさせているはずですから、机の上を整理して文房具や書類など雑多なものが目に入らなくすれば、それだけでかなり楽になるはずです。(77ページより)

ただし、ここでいう「仕事の環境づくり」とは、こうした空間づくりだけではないそうです。

もうひとつ忘れるべきでないことがあって、それは集中するための「段取り」。

内向型人間はマイペースなので、自分の望むペースと方法で仕事を進められるときに、もっとも高いパフォーマンスを発揮するもの。

外部の変化にすぐ対応できる外向型人間とは対照的ですが、決して「ゆっくり」という意味ではないのだとか。

むしろ逆で、マイペースで仕事を進められている内向型人間は、スピードでも仕事の質でも、非常に高いパフォーマンスを発揮することができるというのです。

しかし現代社会が、外交型のスタイルを前提として組み立てられているのも事実。

だからこそ、じっくり準備してから仕事に取りかかることが大切だという考え方です。(77ページより)

時間を細切れにしない

時間の組み立て方についても、同じことが言えるようです。

内向型人間の大原則は、まとまった時間を確保してから仕事に取りかかることだということ。

とはいえ多くのビジネス書には、「時間を細分化せよ。そのほうが集中できて効率が上がる」というように正反対のことが書かれています。

“25分の仕事プラス5分の休憩”というサイクルを繰り返す「ポモドーロ・テクニック」もすっかり浸透しているように思えます。

ところが、それは内向型人間には有効ではないというのです。

内向型人間にとってよくないのは、細切れの時間をつくることです。ですから、たとえば、午前中(九時~十二時)に一時間の会議を入れることになった場合、おすすめは九時~一〇時か十一時~十二時です。

(中略)その時間の中で「ポモドーロ・テクニック」を実践するのは効果的です。(79ページより)

内向型人間は、短い時間にさっと仕事を始められる外交型人間に少なからず憧れてしまうかもしれません。

しかし内向型人間は、一度エンジンがかかれば、外交型人間に劣らないスピードで質の高いできるものなのだそうです。(79ページより)

マルチタスクで仕事をしない

仕事の配分の仕方だけではなく、タスクの配分の仕方にも注意が必要。たとえばA・B・Cという3つのタスクがあり、それらを終えなければならないとします。

ご存知のとおり、現在のビジネス界での流行はマルチタスク。A→B→C→A→B…と、時間を細分化して複数のタスクを同時進行させることが推奨されています。

しかしこの方法も、外向型の脳を前提にしたものであって、内向型人間には不向き。

内向型人間は、逆を行くべきです。まずAを終える→次にBを終える→最後にCを終える、というように、一つひとつの仕事をまとめて、やり終えてから次の仕事に取り掛かるべきです。

そのほうが、結果的には早く仕事が終わり、質も高いでしょう。(80~81ページより)

車に例えるなら、加速には時間がかかるものの、トップスピードなら誰にも負けないのが内向型人間だということ。

したがって、細かい加減速でガソリンを消費することは避けるべきなのです。(80ページより)


なお本書には、自分が内向型かどうかを調べることができる、30項目におよぶチェックリストも掲載されてます。

しかし、チェックした結果、自分が内向的人間だとわかったとしても、心配する必要はないと著者は断言しています。

なぜなら内向型か外向型かという性格の違いは、社会で求められる能力とは無関係だから。

しかし自分の能力を発揮するためには、自分の性格を知ることが大切。だからこそ本書を活用し、内向型の性格を強みにすべきだということです。

そうすれば自分らしい、肩の力を抜いた生き方が見えてくるはず。

内向型だなと負い目を感じている方は、本書を読んでみれば前向きに変わることができるかもしれません。

あわせて読みたい

まずは好きな人を見つける。これからの時代の「ピンポイント人脈」

敏感で内向的な人でも、楽に生きることはできる!

Photo: 印南敦史

Source: 祥伝社新書

印南敦史

swiper-button-prev
swiper-button-next