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心理学者が説く。心と運動の密接な関係とは

心理学者が説く。心と運動の密接な関係とは
Image: VectorMine/Shutterstock.com

なんだか気分が晴れないとき、皆さんはどうしていますか? 寝る、食べる、飲む、友だちと話す、などいろいろ方法はあると思います。

わたしの場合は、体を動かすことが多いです。特別な理由があるわけではなく、なんとなく効果があるような気がしていただけでした。でも、実際には科学的に証明されているようです。

健康心理学者が説く、運動と心の関係

スタンフォードの自分を変える教室』『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』などの著書をもつケリー・マクゴニガルさんが、新著『The Joy of Movement』の中で、体を動かすことと脳との関係、それが心理に与える変化についての研究をまとめているのです。。

1. エクササイズで不安がやわらぐ理由

持続的なエクササイズでは、エンドカンナビオイドというホルモンが分泌されるのだそう。それが気分アップにつながる理由を次のように述べています。

扁桃体と前頭前皮質など脳のストレス反応を調整する部分には、エンドカンナビオイドの受容体がたくさんあります。

エンドカンナビオイドの分子が受容体と結合すると、不安が緩和され充足感が起こります。また、エンドカンナビオイドは脳の報酬系の中のドーパミンを増やし、それが楽観的な気持ちを助長するのです。

「Greater Good Magazine」より翻訳引用)

2. 人と一緒に運動すると絆が深まる

ヨガクラスやダンスなど、周りの人たちと一緒に動くことでエンドルフィンが分泌されます。エンドルフィンは痛みをやわらげるホルモンですが、他人との絆を深める働きもあるそうです。

ヨガやスピンクラスなど他人と一緒にやるエクササイズで、言葉には表せない一体感のようなものを感じたことがある人もいるのではないでしょうか。わたしもヨガクラスでそんな気持ちになったことがあります。

これは、夫婦で3カ月間プランクを一緒にしたら夫婦関係が向上したという、マデレーン・バリーさんの報告とも重なっていますね。

3. 喜びを感じやすくなる

定期的にエクササイズすることで、脳の報酬系が変化してドーパミンのレベルが上がりその受容体も増えるそうです。これによって喜びを感じやすくなります

ケリーさんいわく、加齢によって報酬系にあるドーパミンの受容体は10年ごとに13%ほど減ることもあるので、大人は日常生活で喜びを感じにくくなることもあるのだとか。エクササイズによってそれを予防できるのはすごい効果ですね。

4. 心身が整い、意欲がわいてくる

定期的に体を動かすことは、神経系に刺激をあたえ、心身のバランスが整い、いざという時にストレスやパニックになることが減るとも言われています。

また、運動をするとたまるといわれる乳酸もじつはメンタルヘルスに良い影響があるそうです。

筋肉が生み出した乳酸は血管を通じて脳へ届きます。乳酸の脳への働きかけには、不安を軽減しうつ病予防の効果もあるのだとか。となると、落ち込んでいるときこそ体を動かしてみるべきかもしれません。

とにかく動いてみる

著書の中でケリーさんはこう語っています。

もし体を動かす気持ちがあるなら、筋肉が希望をもたらし、脳が喜びを調整してくれます。そして生理機能全体が整い、運動を続けるエネルギーや目的意識、意欲を感じることができるでしょう。

(「NPR」より翻訳引用)

ケリーさんの著書から感じたのは、まずはなんでもいいので定期的に持続して体を動かすのが第一歩ということです。筋トレやスポーツのように、道具や場所も必要な激しいエクササイズではなくていいのです。

現時点で特に何もやっていないなら、ダンスやウォーキングなど自宅や近所で気軽にできる「体を動かすこと」をはじめて、気持ちの変化を見ながら定期的に続けてみてはどうでしょう。

気分やエネルギーが上がれば、もっといろいろなことに挑戦してみたくなるかもしれません。

わたしはほとんどのエクササイズを自宅でやっていますが、久しぶりにヨガクラスへ行ってエンドルフィン分泌の効果を感じてみようと思います。

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Image: VectorMine/Shutterstock.com

Source: Greater Good Magazine, NP

ぬえよしこ

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