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スクリーンに関する6つの思い込み。信じていいのはどれ?

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スクリーンに関する6つの思い込み。信じていいのはどれ?
Image: Brian A Jackson/Shutterstock.com

かつては、世の中になんとなく出回っている思い込みが、科学的な根拠がなくても正しいこととして信じられていました。

膨大な研究や二重盲検試験で実証されていなくても、信頼できる友人や家族の言うことなら正しいと信じ込んでいたのです。

でも、時代は移り変わり、私たちは物事の真偽を疑ってかかる世代です。それでも、科学的根拠に乏しい情報が身の回りに山ほど出回っています。

ここでは、スクリーン、モニター、デジタル機器のディスプレイに関する「真実」をすくい上げ、誤った思い込みをなくしたいと思います。

入念な研究に基づく情報は、果たしてどれだけあるのでしょうか?

1. 「スクリーンが発する光は睡眠の質を低下させる」

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Image Credit: Sayo Garcia/Unsplash

暗い所でスクリーンを見ると良くないのでしょうか?

一般的に、人工的な光を浴びると睡眠時間が短くなり睡眠の質も低下します。そして、デジタル機器のスクリーンは間違いなく人工的な光を発します。ですから、ある意味では、スクリーンは睡眠に影響を与えると言えます。

しかし、夜に人工的な光にさらされるのは、暗い所でPCを使用するときだけではありません。蛍光灯、街灯など、他にも人工的な光を発するものはたくさんあります。では、どこに違いがあるのでしょうか。

人間の身体が持つ自然な睡眠と覚醒のサイクルはサーカディアンリズムと呼ばれ、このリズムは明るい人工光、特に青から白のスペクトルの光によって乱されます。

黄色やオレンジなどの暖色系の光も睡眠の質に影響を与えますが、冷たい青系の光ほどではありません。

就寝前に暗い部屋で明るいスクリーンを見ると、脳がだまされて日中の光だと思い込むので、このサーカディアンリズムが乱れます。これにより、メラトニンが分泌されなくなります。

メラトニンは、眠気を誘い、夜を迎える準備を整えるホルモンです。ですから、スクリーンのブルーライトをオレンジ色の光に変えると、夜の睡眠が改善します。

この効果は、逆にも使えます。

季節性情動障害など、気分に左右される疾患の治療にも人工的なブルーライトが使用されています。

結果:睡眠リズムに影響を及ぼす研究結果はある

2. 「スクリーンの見過ぎでがんになる」

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Image Credit: Martha Dominguez de Gouveia/Unsplash

これは、相関関係があっても因果関係があるとは断定できない典型的な例と言えます。

近年、スクリーンの使用とがんに代表される命にかかわる病気との関連性を証明する目的で、不完全な方法論や明らかに質の悪い科学を用いた実証実験がいくつも行われています。

はっきり言って、こうした研究は、スクリーンの前で過ごす時間が長い人ほどがんの事例が多いという相関関係を発見してはいますが、追加的要因を無視しています

たとえば、今は歴史上のどの時代よりがんになる人が多い時代です。

同時に、歴史上、今ほどスクリーンを使用する時代はありませんでした。それにも関わらず、

1. 人間の寿命は延びています。そして長生きすればするほど、がんを発症する可能性は高くなります。

2. 人間がこれほど長時間座って過ごす時代はありませんでした。もう、人間は狩りをしたり食物を集める必要はありません。

さらに、在宅勤務が普及してきたので、自宅と職場の間を通勤する人も減っています。

3. 加工食品を食べる機会が増えています。また、リラックスできるような休憩時間もほとんど取らなくなっています。

がんになる人が増えた理由として、PCのスクリーンとは無関係の理由をいくらでも挙げられます。

ですから、最終的には、スクリーンが原因でがんと診断される人が増加したという証明はできません。この証明ができた研究はまだ存在しません。

結果:証明できる研究結果はない

3. 「スクリーンを見過ぎると糖尿病やうつ病になる」

2の場合と同じで、こちらもライフスタイルが何十年もかけて大きく変わったことで生じた諸問題の原因をたった1つに絞ろうとする試みです。

PCの前でかなりの時間を費やす人たちが、肥満、糖尿病、うつ病などの病気になる事例が多いのは事実です。

しかし、これはスクリーンが原因とは言えません。上述したライフスタイルの諸々の変化の組み合わせが原因でしょう。

座っている時間が長いと太りやすくなり、体重が増えると、健康上の問題が発生する可能性が高くなります。

体重オーバーの人が遭遇する健康問題は、糖尿病、うつ病、不安症的精神状態などが多くなる傾向があります。

とは言え、難しく考える必要はありません。毎日長時間PCを使用していても、健康を改善する方法はいろいろあります。

結果:証明できる研究結果はない

4. 「スクリーンは目を悪くする」

スクリーンを凝視する時間が長すぎると目に「良くない」ことは眼科医も同意していますが、実際にどれだけのダメージがあるかは、眼科医によって答えが異なります。

最も恐れられているのは、スクリーンを見すぎると、失明の主要原因の1つである黄斑変性になるかもしれないということです。しかし、この恐れを裏付ける根拠はあるのでしょうか。

現時点では、スクリーンの使用で目が長期的なダメージを受ける可能性があるということを証明する説得力のある証拠はありません

しかし、スクリーンは眼精疲労を招くことがあり、それが一過性の問題につながることもあるので、やはり気をつけるにこしたことはありません。

結果:証明できる研究結果はない

5. 「スクリーンに近づき過ぎると目が悪くなる」

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Image Credit: Annie Spratt/Unsplash

これは、単に科学的実証のない思い込み、タチの悪い科学、無意味な迷信が広まっただけだと思われがちですが、実は、少しだけ真実が含まれています。

1967年に、GEは、同社のカラーテレビが一般に安全とみなされる放射線量の10〜100,000倍の放射線量を放出していることを公にしました。

そこで、テレビを見るときは、その影響を最小限に抑えるためにテレビからもっと離れて見ることを対応策として提案したのです。

しかし、今のテレビには、もうこの問題はありません。

確かに、テレビであろうとモニターであろうとモバイル端末であろうと、スクリーンを近過ぎる位置で見ていると、眼精疲労、頭痛、かすみ眼、悪くすると吐き気まで引き起こすことがあります。

ですが、こうした問題は、実は頭、肩、首の角度に関係していて、スクリーンからの距離は関係ありません。

たとえば、幼児がテレビでお気に入りのアニメを見るときは、テレビからかなり近いところに座ってスクリーンをじっと見つめる傾向があることはお気づきでしょう。

ここまで人間工学的に良くない姿勢は、スクリーンからの距離以上に目に影響を与えます。

単的に言うなら、スクリーンからどれだけ距離を取っても何の意味もありません。目が疲れてきたら休めること、そして常に人間工学的に正しい姿勢を心がけることこそ大切なのです。

その点さえ押さえておけば、スクリーンからの距離はどれだけ近くても遠くても影響はありません。自分が快適に感じる距離でスクリーンを見てください。

結果:証明できる研究結果はない

6. 「暗い所でスクリーンを見ると目が悪くなる」

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Image Credit: Hanny Naibaho/Unsplash

「暗い部屋でPCを使用すると目に悪い」と聞いたことがあると思いますが、まったく科学的根拠はありません。

単なる迷信として片付けるべきなのに、残念ながら、家庭やインターネット上では相変わらず真実としてまかり通っています。

公平を期すなら、暗い部屋で明るいスクリーンを見ると確かに目に影響を与えますが、それが視力に直接影響を与えるわけではありません。

むしろ、明るいスクリーンと暗い部屋という組み合わせが、まばたきを少なくするので、目が乾燥します。目が乾燥するとかゆみや痛みが発生しますが、視力自体には長期的な影響はありません。

暗い所でスクリーンを見るのが心配なら、もっと暗い話もありますよ。

結果:証明できる研究結果はない

就寝前に暗い所でスクリーンを見るとき本当に心配すべきこと

暗闇の中でスマホやPCを使用すると、睡眠が妨げられて眼精疲労になる可能性がありますが、目に長期的な害はありません。

むしろ睡眠不足になることを心配すべきです。

同様に、スクリーンからの距離もそこまで気にする必要はありません。それより、スクリーンを見るときの姿勢とまばたきの回数が減っていないかを気にしましょう。

目は心配ありませんが、そんな心配をしたくなるほどスクリーンを長時間見ているなら、多分座っている時間が長すぎるはずなので、足のストレッチを心がける方が大事です。


※本文に関連するエビデンスを追記:

National Sleep Foundation, Harvard Health Publishing, CNN, BMJ, Prevent Blindness(1, 2), Fast Company, Scientific American, News Medical, Eye Care Fun, ABC News, NIKKEI STYLE


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Image: Brian A Jackson/Shutterstock.com, Sayo Garcia, Martha Dominguez de Gouveia, Annie Spratt, Hanny Naibaho/Unsplash

Source: YouTube

Original Article: Fact or Fiction? 6 Myths About Screens and Monitors by MakeUseOf

訳:春野ユリ

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