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メンタルコーチが明かす「真のポジティブ思考」の身につけ方

メンタルコーチが明かす「真のポジティブ思考」の身につけ方
Photo: 印南敦史

2019年の夏、開催された第101回目の甲子園で、私がメンタルサポートを務める星稜高校野球部が石川県勢24年ぶりに甲子園決勝進出を果たしました。

星稜高校のエース奥川選手をはじめ、サポート校の選手たちには、メンタルアップ動作としてガッツポーズ、雄叫びを推奨しています。

それは脳の機能に基づいているんです。 「三振にとった!」 「大事な場面で打ち取った!」 と言った嬉しい場面でガッツポーズをすることで、そのときのプラスの感情とガッツポーズが条件づけされます。

これを心理学用語では「アンカリング」と言います。(12ページより)

心がどんどん強くなる 超メンタルアップ10秒習慣』(飯山晄朗 著、大和書房)の著者は、気持ちを高めることについてこのように説明しています。

私たちの脳には、「入力(思い)よりも出力(ことば・動作)をより強く記憶する」という法則があるのだとか。

本書ではそれを利用し、ことばや動作を使って感情をコントロールする方法を明かしているのです。

それらは、大脳生理学、心理学を用いたメンタルトレーニング法。

脳の機能と法則を知れば、心そのものを変えようとするのではなく、ことばや動作を帰れば心を変えることができるとわかるのだそうです。

つまり、「行動を変えるから心が変わる」ということ。

第3章「真のポジティブ思考を得る」のなかから3つのトピックスを抜き出してみることにしましょう。

最悪を想定しつつ最善をイメージする

スポーツの世界でもビジネスの世界でも、ここ一番の勝負どころにおいてはアクシデントがつきもの。

スポーツの場合であれば試合中に怪我をすることもあるでしょうし、ビジネスの現場でも、順調に進んでいた交渉が相手の都合で突然ひっくり返されたりすることも珍しくないわけです。

それ以外にも、試合や仕事が始まる前に事故に遭ったり、上司からモチベーションが下がるようなことを言われたりなど、なにかとトラブルに見舞われて調子を崩すことも少なくないでしょう。

そうした想定外のケースに直面した際には、落ち着いて対処することが必要

そしてそのためには、起こりうるあらゆる事態、つまり「最悪のケース」を想定しておくことが不可欠です

とはいえもちろん、どれだけ心の準備をしておいたとしても、自分の予測をはるかに超えたトラブルが起こってしまうことも考えられます。

そこで著者は、ピンチの自分を落ち着かせるポーズを決めておくことを勧めています。

例えば、“目を閉じて胸に手を当てながら深呼吸する”などはいかがでしょうか?

そのポーズをとって、冷静に対処する自分をイメージしておけば、いかなるアクシデントも恐るに足りません。(87ページより)

常に「最悪」と「最善」の2パターンを想像したうえで行動すれば、感情をコントロールすることが可能に

すると、どんなピンチにおいても突破口は見えてくるということです。(86ページより)

「自分なんて」ではなく「自分だからこそ」

うまくいかないこと、あるいは失敗体験などマイナスの側面ばかりを見てしまい、不安や不満といった否定的な感情を肥大化させてしまう人は少なくありません

しかし、そういう状態を繰り返していると、当然のことながら自己肯定感は低くなっていくもの。

しかし著者によれば、ある方法を使って視点をマイナスからプラスに変えると、物事のプラスの側面に気づくことができ、自己肯定感を高められるのだそうです。

まずマイナス面を一旦受け入れるということから始めます。 マイナス面を一旦受け入れて、それから「だからこそ」と考えてマイナス面のプラスになる部分を見つけます。

「いつも自分がどう思われているか気になって仕方がない」という場合には「だからこそ、場の空気を的確に読むことができるんだ」 「髪の毛が薄いから…」と卑下するような場合には、「だからこそ、若造に見られず、信頼されやすい」「貫禄が出る」など。(93ページより)

たとえばこのように、どれだけマイナスだと思うことであったとしても、そこからプラスの側面を見つけ、肯定的にとらえることが重要だということです。(92ページより)

緊張をとりたいなら、思考ではなく呼吸で解決

緊張から逃れたいと感じることは誰にでもあるはず。

そんなとき、最も短時間でできて簡単な解決方法が、呼吸を通して自律神経にアプローチする方法だそうです。

緊張を「思考」でコントロールしようとしても、現実問題としてなかなか難しいもの。

なぜなら緊張状態にあるときに「冷静になろう」「落ち着こう」と思っても、そう意識すればするほどリラックスできなくなってしまうからです。

そこで、「呼吸」を活用すべきだと著者は言うのです。

呼吸は脈拍や体温などとは違い、自律神経を唯一意識的にコントロールできる方法です。息を吸うと緊張を高める交感神経が活性化され、息を吐くとリラックスする副交感神経が活性化されます。

つまり、緊張感が高まり「あがり状態」になっているときは無意識に息を吸ってしまっているのです。

だから意識して息を吐いて副交感神経を優位にしていくことで落ち着きを取り戻すことができます。(103ページより)

ただ単に息を吐けばいいということではなく、ゆっくりと長く息を吐くことがポイント。

そうすると、だんだんリラックスできるようになっていくといいます。

「緊張」は思考ではどうにもならないもの。だからこそ、緊張が高まったと感じたら頭のなかでどうにかしようとせず「呼吸」を意識すべきだということです。(102ページより)


どこからでも読める構成になっているため、置かれた状況や自分の状態に見合った箇所だけを読むことも可能。

容易に理解できるので、すぐ実行に移せる習慣を身につけることができることでしょう。

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Photo: 印南敦史

Source: 大和書房

印南敦史

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