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後輩のモチベーションをグッと上げる褒め方・叱り方のテクニック

後輩のモチベーションをグッと上げる褒め方・叱り方のテクニック
Image: cosmaa/Shutterstock.com

後輩の伸ばし方・扱い方がわからないというお悩みは少なくありません。

厳しいことを言いたくても、「モチベーションを下げてしまわないか…」と不安になることもあるでしょう。ましてや、間違えた叱り方をすると「ハラスメント」と言われかねません。

だからといって、ご機嫌をとるように「さすがだね」と言うだけでは、後輩は「もうちょっとキチンと指導してよ」と不満に感じるでしょう。

そんな時に参考にしてほしい、効果的な「褒め方・叱り方」のノウハウがあります。

効果的な褒め方をすると、モチベーションを高めることもできますし、コツをおさえた叱り方をすると厳しく叱っているにもかかわらず、素直に聞いてくれるようにもなります。

今回は、後輩への正しい褒め方・叱り方のコツを紹介します。

褒めどころ・叱りどころの5つの階層

「褒めどころ」「叱りどころ」5つの階層
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Image: らしさラボ

褒めどころ・叱りどころには、「状況」「行動」「能力」「信念・価値観(考え方)」「自己認識(自分の存在)」の5つの階層があります。

上の図の通り、下に行くほど「外的帰属(本人以外の要素)」が強くなり、上に行くほど「内的帰属(本人の内面の要素)」が強くなります。

外的帰属(「状況」「行動」)は、“見ればわかること”であると言えます。一方、内的帰属(「能力」「信念・価値観」「自己認識」)は“見えないもの”、言い換えれば、その人が持つ固有の特性を指す要素です。

効果的な褒め方・叱り方をするには、まずこの基準を把握しておく必要があります。

褒め方:「能力」「信念・価値観」を褒めれば自信になる

後輩を褒める先輩は増えていますが、ただ「すごいね」「いいね」のような表現だけでは褒め上手とはいえません。

後輩の自信を育み、モチベーションを高めるには、「状況」「行動」といった外的帰属ではなく、内的帰属を褒めるのがポイント。そうすることで、本人自身を褒めることになり、自信に繋がるのです。

そのために、まずは後輩の「能力」「信念・価値観」を褒めてみましょう(仕事で「自己認識」のレベルで褒めるのは少し違和感が出ることが多いため)。

たとえば、次のような褒め方が挙げられます。

【「能力」を褒めたケース】

「達成おめでとう! よくコツコツがんばったね! なかなかコツコツとやり続けられないものだ。自信もっていいよ。」

【「信念・価値観」を褒めたケース】

「達成おめでとう! 忙しい中であっても、お客様に丁寧に接しようとするスタンスは他の人の手本になるよ。その調子で!」

ポイントは、「コツコツやっていたこと(行動)が素晴らしい」ではなく、「コツコツやり続けられること(能力)が素晴らしい」と褒めること。ちょっとした言葉の違いですが、与える影響は大きく異なります

叱り方:「状況」「行動」を叱れば落ち込まない

次に、後輩の叱り方です。叱り方は「外的帰属」にとどめるようにしてください。

間違えても、「その考えは学生気分が抜けていない(信念・価値観)」「ゆとりド真ん中の世代だから(自己認識)」などの内的帰属は絶対に指摘するべきではありません

内的帰属の側面を否定することは、その人自身に対するダメ出しでしかなく、納得を得ることが難しいばかりか、感情的に拒否される可能性もあるでしょう。

効果的な叱り方の例としては、次のようなものが挙げられるでしょう。

【「状況」を叱ったケース】

「遅刻したのか! 信用問題にかかわるので、遅刻はダメだよ!」

【「行動」を叱ったケース】

「遅刻したのか! 連絡をしていないそうだね。待たされた方のことを考えると、連絡しないのは絶対にダメ!」

このように、理由を添えて、外的帰属で叱るのがコツです。

厳しく叱らざるを得ない時は、DESC法を使おう

とはいえ、「わからせないといけない」ケースもあるでしょう。そんな時は、アサーションのテクニックでもある「DESC法」という話法を使ってみてください。

アサーションとは、より良い人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルの1つで、相手の感情を配慮しつつ、厳しく指摘する方法です。

DESCとは、話す順序の頭文字。下の図にあるように、まず事実を伝えた上で、自分なりの意見を伝える流れです。そして、厳しく叱る際には、「Explain(示す)」で厳しさを調整します。

DESC法
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Image: らしさラボ

たとえば、この図の「Explain」のセリフを変えてみましょう。

「この話は3回目だよね。期待していただけに裏切られた気分だよ。残念でしかない」

一見、単体では厳しいセリフのように感じますが、上の図に当てはめてみると意外とマイルドになるのです。

感情的になってはいけません。それは冷静な会話であるべき「叱り」ではなく、「怒り」でしかありません。ぜひ、効果的な叱り方を身につけておきましょう。

今回の記事が、後輩指導のお役に立てればうれしいです。

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伊庭 正康 株式会社らしさラボ 代表取締役

伊庭正康さん

リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年、株式会社らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理等、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。近著、『できるリーダーは、「これ」しかやらない: メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』(日本実業出版社)』『数字を上げる人のセールストーク・営業のキホン(すばる舎)』等多数。「無料メールセミナー」も好評。

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伊庭正康

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