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日本人の幸福度がフィンランド人を越えていく方法

日本人の幸福度がフィンランド人を越えていく方法
Image: Shutterstock

毎年3月に発表される国連の世界幸福度ランキング(World Happiness Report 2019)。0から10までの11段階で国別幸福度(156カ国)が示されています。

2018年は、54位だった日本。2019年は何位だったかご存知ですか?

そう、昨年のランキングでは過去最低の58位となってしまいました。

2019年の世界幸福度ランキングは、こんな順位になっています。<()内は幸福度スコア>

1位 フィンランド(7.769)

2位 デンマーク(7.600)

3位 ノルウェー(7.554)

4位 アイスランド(7.494)

5位 オランダ(7.488)

・・・

15位 イギリス(7.054)

17位 ドイツ(6.985)

19位 アメリカ(6.892)

54位 韓国(5.895)

58位 日本(5.886)

93位 中国(5.191)

※ 私が住む「フィジー」は調査対象外のため順位なし

すべての国の順位は下記の画像にまとまっています。

世界幸福度ランキング 2019

Ranking of Happiness 2016-2018
クリックして画像を拡大
Image: WORLD HAPPINESS REPORT 2019

World Happiness Reportでは、幸福度への影響を以下の6つの指標で分析しています。

幸福度に影響を与えると考えられる6つの指標

  1. 社会的支援(困ったときに頼れる親戚や友人がいるか)
  2. 人生の選択自由度(人生の選択自由度に満足しているか)
  3. 汚職・腐敗(政府や企業内)
  4. 寛容度(過去1カ月以内に寄付したか)
  5. 一人あたりのGDP
  6. 健康寿命

1位フィンランドと58位の日本を比べてわかること

ランキングを踏まえて、1位のフィンランドと58位の日本はどんなところに差が出たのか、指標別にフィンランドと日本を比較してみました。

社会的支援人生の選択自由度汚職の少なさ寛容度GDP健康寿命
フィンランド2位5位4位47位22位27位
日本50位64位39位92位24位2位

「健康寿命」のみ、日本が上位。「一人あたりのGDP」は互角。

日本がフィンランドに大きく水を開けられているのは、「社会的支援」「人生の選択自由度」「汚職・腐敗」という3つです。

日本の幸福度アップのヒントは、このあたりにありそうです。

頼れる人が30人以上いる場合、幸福度はフィンランド人を凌ぐ

前出の国連の幸福度調査とは別に、内閣府が2019年5月に公表している日本人の「満足度・生活の質に関する調査」レポート(2018年度に1万人を対象としたWEB調査をサーベイリサーチセンターが実施)があります。

これも、国連の幸福度調査と同様、0から10までの11段階で満足度を測っています。

「満足度」と「幸福度」、ニュアンスは少し違いますが、結果として、国連調査による日本人の幸福度スコア(5.886)と、このアンケートでの満足度が極めて近いスコア(5.89)となっているのが面白いところです。

そこで、今回の記事では、大雑把ではありますが「幸福度≒満足度」として考えてみました。

私が特に注目したのは、この満足度調査における「頼れる人の人数別の総合主観満足度」というデータです。

頼れる人の人数別の総合主観満足度

頼れる人の数の満足度図表
「満足度・生活の質に関する調査」に関する第1次報告書より

頼れる人が「30人以上」いる人に限っては、総合主観満足度のスコアが7.78

つまり、世界幸福度1位のフィンランド(幸福度スコア :7.769)すらも凌ぐスコアになります。

例えば、頼れる人が30人までいかずとも、

頼れる人が3人 → 満足度6.04 → 幸福度50位のエクアドル(6.028)越え

頼れる人が4人 → 満足度6.21 → 幸福度37位のバーレーン(6.199)越え

頼れる人が5人 → 満足度6.45 → 幸福度25位の台湾(6.446)越え

つまり「頼れる人が何人ぐらいいるのか」

これが人生の満足度や幸福度に大きな影響を与える要素ということ。当たり前といえば当たり前ですが。

「依存力」を高めていくことが幸福の鍵になる

フィジーのおばちゃんたち
依存しあって助け合うフィジーの人たち
Photo: 永崎裕麻

人間関係が希薄とされる日本において、「頼れる人」を増やしていくにはどうすればいいのでしょうか。

キーワードは「依存」と「お互い様」です。

拙著「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」の中で、フィジー人が幸せな理由を「4つの習慣」としてまとめています。

ざっくりいうと、「シェア」「いまここ」「テキトー」「依存」の4つです。

日本の方々の前で講演をするとき、「この4つのうち、いちばん苦手なものはどれですか?」と質問すると、ほとんどの会場で「依存」が最多となります。

そう、日本人の多くは人に頼るのが苦手なのです。

一方、フィジーで生活していると、知り合い(特に近隣住民)からいろいろとお願い(依存)されることがよくあります。

「お互い様」もっと頼ればいい

昨日の夕方も同じアパートに住むおばちゃんがウチに来て、「いまカレー作ってるんやけど、人参がないから2本ちょうだい」とやってきました。

依頼の「内容」は大したことありませんが、その「頻度」がすごいのです。

フィジー移住当初は驚きましたが、在住13年目の今ではだいぶ慣れて、頼まれるのが逆に心地いいくらい。

私が困ったときに「ためらいなく依存できる」という感覚が嬉しいのです。

実際は、頼まれる数のほうが圧倒的に多いので、「不等価」ではありますが、そこにストレスを感じなければとても快適。

日本語には「お互い様」という美しい言葉があります。でも、今は「人様に迷惑をかけてはいけない」という呪縛に負けてしまっていると思うのです。

「お互い様」が生まれるとき、どちらかが頼ることから始まります。

私たち日本人は「頼まれるが先、頼むは後」という感覚があるように思います。フィジーでの私のように。

頼ってくれる(頼むが先の)日本人が増えていけば、日本の中に「お互い様」文化が再醸成していくのではないでしょうか。

頼む人が増えると、「頼れる人」が増えていく

2019年、58位と過去最低を記録した日本の幸福度ランキングの順位。

日本人の幸福度がフィンランド人に近づくためには、依存力の底上げ(「自助感覚」から「共助感覚」へのシフト)が巻き返しの鍵なのだと思います。

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永崎裕麻

「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。

2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2016/2017)のフィジー共和国へ2007年から移住し、現在13年目。ライフスタイルをアップデートする英語学校カラーズ校長。

100カ国を旅し、14カ国で留学した経験を活かし、内閣府国際交流事業「世界青年の船」「東南アジア青年の船」に日本ナショナル・リーダー/教育ファシリテーターとして参画。ライター、教育企画の立案、「幸せに気づくコーチング」、「40歳定年」などの活動もしており、フィジーと日本を行き来するデュアル・ライフを実践。2019年からは「幸福先進国」であるデンマークも加えたトリプル・ライフに挑戦中。

大阪府生まれ。神戸大学経営学部卒業。二児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

Source: World Happiness Report 2019,「満足度・生活の質に関する調査」レポート/内閣府

Image: Shutterstock

Photo: 永崎裕麻

永崎裕麻

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