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HOW I WORK

睡眠データ、体重、カロリーを管理して、仕事のパフォーマンスを向上させる。I&CO Tokyo・間澤崇さんの仕事術

睡眠データ、体重、カロリーを管理して、仕事のパフォーマンスを向上させる。I&CO Tokyo・間澤崇さんの仕事術
Photo: Yutaro Yamaguchi

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。 今回は、I&CO Tokyoの間澤崇さんにお話を伺います。

ニューヨークを拠点に世界で活躍するクリエイティブディレクター、レイ・イナモト氏が率いるビジネス・インベンション・ファーム「I&CO(アイ・アンド・コー)」。

その東京オフィス「I&CO Tokyo」で元PARTYの高宮範有さんとともに共同代表を務めるのが、今回お話を伺った間澤崇さんです。

大学卒業後は、ニッセイアセットマネジメントでファンドマネジメントに携わり、その後、アクセンチュアのストラテジーグループでコンサルタントとして大手企業の戦略を手がけられました。

その経験を生かして、「I&CO Tokyo」では戦略領域を統括している間澤さんですが、柔道やアルティメットの大会に出るなどスポーツマンとしての一面も

仕事をする上で、一番大事にしているのが体を整えること」と話す間澤さんの仕事術は、働き方を見つめ直すヒントがたくさんありました。

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Photo: Yutaro Yamaguchi

誰にも邪魔されない、朝の2時間を大切に

―これまでの経緯を教えてください。

小学生の頃からプロダクトデザイナーになりたいと思っていて、デッサンなども勉強していました。

大学も国公立の理系か、芸大に行くかで迷ったのですが、完全にデザインに決められなかったので、テクノロジー、サイエンス、デザインなどを幅広く学べる慶應大学SFCに入学しました。

大学では、ソーシャルイノベーションに力を入れている金子郁容さんの研究室と、インダストリアルデザイナーの山中俊治さんの研究室にいて、アスリート用の義足のデザインなどを研究しました。

2011年に大学を卒業したのですが、その頃は2008年のリーマンショックの影響で就職氷河期と言われているタイミングで…。

でも良くも悪くも世の中をガラッと変えるほど影響を与えた金融業界、特にファンドの世界に興味があって、新卒でニッセイアセットマネジメントに入社し、ファンドマネジメントに3年間携わりました。

もともと人と話すのが好きだったことと、いち早くデジタルに力を入れ始めていたアクセンチュアで、次の時代を作るようなコンサルティングができるのではないかと期待して2014年に転職。

企業戦略立案や新規事業開発という形で、大手企業の戦略コンサルタントをしていました。

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Photo: Yutaro Yamaguchi

―その後、2019年に「I&CO TOKYO」の共同代表に就任されたのですね。

I&CO Tokyoでの役割は2つあるんです。ひとつは、アジアに発信していく拠点の代表。もうひとつはビジネスストラテジーディレクターです。

我々は「ビジネス・インベンション・ファーム」と掲げているように、世の中をあっと言わせるようなビジネスの発明品を作ることを目指しています。

そこで重要になるのが、戦略です。発明には2つの工程があって、まず、突発的に何かが生まれる瞬間があります。ただ、これだけでは、おもしろいものを世の中に産み落としただけで、世の中に浸透しません。

そこで、次の工程でそれをどういった人たちに使ってもらうか、つまり、世の中に浸透させることを戦略的に構築していくことが必要になります。その生態系を戦略的に作っていくのが私の役割です。

東京オフィスはまだまだ駆け出したばかりなので、その生態系を作りたい仲間がいればぜひ一緒にやっていきたいですね。

―仕事の1日のスケジュールを教えてください。

毎朝6時半に起きます。30分ほど朝食を摂った後、そのまま自宅で9時くらいまでスライドなどの物作りをします。

この2時間は最も頭が冴えているゴールデンタイムですし、9時にはクライアントが始業するので、その前に資料作りなどを終わらせてしまうと、それ以降の時間をとても有効に使えるんです。

ニューヨークのメンバーや国内外のクライアントとミーティングがある日は、この朝の2時間に30分〜1時間のオンラインミーティングが数本入ります。

その時に使うのはSlack、 Zoom、Googleハングアウトで、お客様によって使い分けています。中でもZoomは接続が安定しているので使いやすいですね。

10〜11時くらいまでは前日に来たメールに返信。ニューヨークと12〜13時間の時差があるので、この時間までに返信するとギリギリ彼らがチェックできるんです。

その後は代官山のオフィスまで電車通勤しますが、その間はメールチェックなどは一切せずにKindleで本を読みます。

1日に1〜2冊を読むようにしているので、行きの電車でざっと読んで内容を頭に入れ、帰りの電車ではその中で気になったところを重点的に読み直します。

そうすることで頭の中に在庫というか、引き出しを作っておくんです。

昼食を食べた後の13時〜16時はお客様とコミュニケーションとる時間にあてています。

16時以降は仕事がひと段落すれば帰宅し、やることがあればオフィスに戻って18時くらいまで仕事。

朝が早いということもあるのですが、5歳と2歳の娘がいるので、できるだけ夕食の時間までに帰ります。帰ったらほとんど仕事はしないようにしてます。

それと同時に、人との深い繋がりを大事にしたいので、週に1〜2回は知人を1対1の夕食に誘うことも。

体調管理をするために、日頃から余裕のある生活を心がけ、スケジュールに余白を作っておくことを意識しています。

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Photo: Yutaro Yamaguchi

睡眠は翌日の仕事のパフォーマンスに影響する

―仕事を進行するときに使っているアプリやツールなどを教えてください。

Todoist

タスク管理のために使っています。コンサル時代から、その日のうちにやらなければいけないことを最大3つに設定しているのですが、「Todoist」はそれを色分けして視覚的に優先順位がつけられるので使いやすいんです。

たとえば、資料を作るとなったときに、30分単位に工程を分解し、それらを全て「Todoist」に登録します。

その中から重要なものを色分けして、とても重要な赤色のタスクは最大3つ、やっておけたらいい黄色のタスクは最大8つに設定し、赤色のタスクをやったらその日は終えていいと決めています。

黄色のタスクは時間が許してやりたければやればいいというステータスにすることで、気持ちに余裕を作っておきます。

Sleep Cycle

仕事をする上で一番大事にしているのが、健康。特に睡眠は翌日の仕事のパフォーマンスに影響するので意識しています。

「Sleep Cycle」はレム・ノンレムの睡眠パターンをトラックし、眠りが浅くなるタイミングで起こしてくれるアプリで、感覚的な熟睡度が違います。

自分の睡眠状態がデータでわかるので、体を整える上で重宝しています。

「HP 12c Platinum」

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Photo: Yutaro Yamaguchi

ファンドマネージメント時代に使っていたヒューレットパッカードの金融電卓は、個人的にすごく好きな仕事道具の1つです。

ボタンを押したときの手触り感もいいですし、プロダクトとしてかっこいいですよね。

―仕事において役に立った本はありますか?

エル・ブリの一日 アイデア創作メソッド創造性の秘密」(フェラン・アドリア著/PHAIDON)」

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Photo: Yutaro Yamaguchi

エル・ブリは現在閉店していますが、世界一予約が取れないレストランとして知られていました。

半年間はレストラン、もう半年は次年度の料理の研究をするために山にこもるレストランなんですが、I&CO創業者のレイが「エル・ブリみたいな会社にしたい」と言っていたんです。

その話を聞いた時にエル・ブリのことをもっと知りたいと思ってたどり着いたのがこの本です。

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Photo: Yutaro Yamaguchi

本の中に、「探求すること、触れること、味わうこと、分析すること。どこから始めても、異なる道筋をたどっても、いずれは料理にたどり着く」という一文があります。

ビジネスをしていると、目の前のやるべきことに忙殺されて、考えたり、自分自身の気持ちを伝えたりできないことが往往にしてあると思います。

エル・ブリはあえて半年の収益を抑えてでも、その翌年にかける情熱と根性と気合いがあった。

そして、お客様のために、あらゆるアプローチを取って、素晴らしい料理を開発する。私もそういう働き方をしたいと思います。

中田語録」(中田英寿、小松成美著/文春文庫)

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Photo: Yutaro Yamaguchi

この本の中に、「サッカーだけを知っている人間になりたくない」とあるのですが、中田さんは人間として世の中に貢献できるかどうかという目線を持っているのだと思います。

私も人として、父親として、どのように社会に貢献できるかを考えているので、彼の生き方は尊敬しますし、共感できることが多いです。

自宅の本棚にあるのはこの2冊だけ。それ以外の本は全部Kindleで読んでいます。以前持っていた紙の本は自炊してデジタル化しました。

―これまでもらったアドバイスの中で、特に印象に残っているものはありますか?

数字を物語として理解しなさい。

株式のファンドマネージャーとして相場を読んでいた、ニッセイアセットマネジメント時代の直属の上司の言葉です。

毎日数字ばかり見ていたら、ある時、文字の羅列にしか見えなくなったんです。そんな時、とある企業の財務諸表を見ながら株価が上がるか下がるか推論をしました。

過去のデータから右肩上がりになっている企業は、それ以降も右肩上がりになるだろうとシンプルな発想でしかなかったのですが、その上司は「株価は下がるよ。財務諸表に書かれた数字の裏にある物語を理解しなさい」と言うんです。

それはすなわち、構造を理解しなさいということでした

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Photo: Yutaro Yamaguchi

何かのスイッチが入ると歯車が回って数字が上がったり、下がったりする。 数字は人を動かすパワーを持っている。構造や仕組みを理解することが、すなわち数字を読み解くことであると。

今、我々が作り出した発明品を戦略的に世の中の仕組みとして埋め込もうとする時、社会の構造や物語を理解することが重要です。

その感覚を忘れないように、この上司の言葉も先ほど紹介した電卓も大事にしています。

仕事だけに集中しない。人としてのバランスも大事に

―柔道やアルティメットなどのスポーツもお好きだそうですね。

愛知県の豊田市出身ということもあって、小学校の6年間は地元の名古屋グランパスに所属していました。

その後、中学から本格的に柔道を始めて高校卒業までやっていたのですが、今でも週末、自宅の近所の道場に月に2回くらいは通っています。もちろん黒帯ですよ。

柔道は自分との戦いでもあり、相手の動きを見て観察するので、普段使わない脳の筋肉を使うという意味で、仕事とは違う適度な疲労感と心地よさを感じるんです。

他には大学の4年間はアルティメットをやっていました。これはフライングディスクを使った競技で、結構ハードなんですが、今はそのOB、OGでチームを作って社会人の大会にも出ています。

3〜4カ月に1回大会があるので、それに向けて体を仕上げることがルーティンになっていますね。

仕事をする上で一番大事にしているのは「自分の体の状態を理解すること」です。

デスクワークが続くと、いざ運動しようとしたときに膝にくることがあって。

その感覚は仕事をしているだけでは気づかないので、体を動かすことで自分の体のコンディションを知るバロメーターになっています。

同時にスポーツは、仕事とは関係ない人との関わりが生まれるので、それが息抜きにもなっています。

いい意味で仕事とリンクしているようでしていない、そんな微妙な関係性が好きでスポーツをしているのかもしれません。

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Photo: Yutaro Yamaguchi

―体調を整える上で、スポーツ以外に心がけていることはありますか?

人前に出る以上、体型は意識していますが、それとは別に食べ過ぎてお腹が重い状態で仕事をしていると、気持ち的に疲れてくるんです。

そうじゃない時の方がスッキリして仕事に集中できるので、体重管理とカロリー計算もしてコントロールしています。そのためにプチファスティングをしたり、食べる量を減らしたりしています。

柔道を始めた中学生の頃から体重管理のためにプチファスティングをやっていますが、朝食はシリアルとヨーグルト、昼食は抜いて、夕食は炭水化物は摂らずにチキンだけという日があるんですよ。

普段の食事も私の体重から計算して、3食で1800キロカロリーを下回るように設定して、コントロールしています。

それから、仕事だけに集中しないように人としてのバランスも大事にしていますね。 裏番組のように走っている何かがあると、自分にとって良い意味でのアラーム機能になっていると感じています。

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