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印南敦史の「毎日書評」

「達成する人」には共通する特性がある。その行動・思考を科学的に分析

author 印南敦史
「達成する人」には共通する特性がある。その行動・思考を科学的に分析
Photo: 印南敦史

科学的にラクして達成する技術』(永谷研一 著、クロスメディア・パブリッシング)の著者は、企業や学校で「目標達成」を支援する仕事をしているという人物。

クライアントは世界規模のグローバル企業から中小企業、大学や専門学校などの教育機関まで多種多様だとか。

といっても研修で目標を設定し、行動計画をつくって終了というわけではないようです。

「この目標を立てた人は、半年後・1年後に目標を達成できたのか」「できていないなら、どこでつまづいたのか」といったことを、ITのシステムを利用して科学的に分析し、目標達成のための行動や思考がどうあるべきかを追及していくそうなのです。

その結果としてわかってきたのは、「いつも達成する人」に共通する特性。常に目標を達成するには、気合も精神力も根性論もまったく役立たないというのです。

目標を達成するために本当に必要なのは、目標達成のための「基礎的な技術(スキル)」を身につけることだけです。基礎的な技術というのは、要は「知っているか知らないか」。

つまり、「すごい人」や「才能に恵まれた人」だけが使えるものではなく、誰でもマスターできるということです。どんな人でもラクして達成できるようになるのです。(「はじめに」より)

なお本書は、以下の5つの要素から成り立っています。

① 「目標を立てる」技術

② 「行動を続ける」技術

③ 「経験を振り返る」技術

④ 「人と学び合う」技術

⑤ 「自分の軸を見出す」技術

(「はじめに」より)

きょうはこのなかから、⑤「自分の軸を見出す」技術をクローズアップしてみたいと思います。

目標達成までに行動はどんどん変えていく

もうすぐ新しい年になりますが、年初に目標設定をして、行動計画を立てる人も多いのではないでしょうか。

しかし、のべ1万5000人以上の行動実践データを確認した結果、著者はあることを発見したのだそうです。

それは、きちんと行動を計画どおりに実施しているにもかからわず、目標に届かない人が多いという事実。そこには明確な根拠があるのだそうです。

現在のように変化が厳しく、市場のルールさえいつまでも不変ではない時代では、刻一刻とビジネス環境は変わります。期初に決めた行動計画を実践さえすれば、半年後の目標は確実に達成する、といった状況ではないのです。

「朝令暮改」という言葉にもあるように、朝決めたことを湯型に変えるくらいのスピードが必要なビジネスシーンもあります。(237~238ページより)

したがって、「初志貫徹」ということばに惑わされ、変化を恐れるべきではないという考え方。

「最初に決めたことなんだから」と頑固にならず、自分を取り巻く環境の変化に柔軟に対応していくことが大切であるわけです。

つまり、目標達成までの道のりは何通りもあるということ。

車を買うときに試乗したり、あるいはスーパーで試食をしたり、ものを買う際に、「いったん試してから買う」というステップを踏むことは多いもの。

そのほうが安心ですし、納得できるからこそ、よりよい買い物ができるわけです。

目標達成のための行動実践も、この「試す行為」に似ていると著者は指摘しています。

多くの場合、「最初から完璧」ということはなく、目標に大して効果が低い行動や、なかなか習慣化できない行動は、どんどん変えていくべきだということ。

「どんどん変えるなら、行動計画なんか立てなくてもいいのではないか」と思われるかもしれませんが、その考えは誤りだと著者は断言しています。

なぜなら、計画があるからこそ検証ができるから。行き当たりばったりの行動でたまたまうまくいったとしても、そこにはなんの学びもないわけです。

目標達成への道は、「行動を計画し、実践し、改善して」というサイクルを続けながら、最適な行動を見つけていく道でもあるということです。(236ページより)

3週間続かなかったら「もっと簡単な行動」に変える

目標を達成するためには、行動を習慣化することが重要。では、どれくらい続けることができたら「習慣化した」といえるのでしょうか?

習慣化の目安は「3週間」です。ここで大切なのは、「3週間続けられなかったら、もっと簡単に続けられる行動に計画し直すことです。

難しく考える必要はありません。続けられないという事実を受け止め、すぐにもっと楽な行動計画に変えてしまいましょう。

行動計画をより簡単にすることは、レベルダウンではなく、継続という観点ではレベルアップです。(241ページより)

たとえば、「お客さまに会うたびに、商品の改善点を聞き出す」ということが続けられないのだとしたら、

「お客さまへの確認メールの先頭に『当日、商品に関するご意見をお聞きするのでご協力をお願いします』と書く」

というような、より簡単な行動を実践して定着させればいいということ。

難しいことを続けられないまま過ごすより、「まずできること」を増やすほうが価値が高いというわけです。

よい行動を無理なく習慣化できたら、さらに新しい行動を加えることが可能になります。

あれもこれもと新しい行動を一気に根づかせようとするのではなく、大切なのは、ひとつひとつ確実に習慣化していくこと。

そうすれば、自然に成果が出せるスキルが身についていくのです。(240ページより)


本書は、2013年に刊行された『絶対に達成する技術』をベースに、最新の理論やメソッドを盛り込んだもの。

よりわかりやすく、より効果が上がるようにと、全面的に書きなおされているのだそうです。

つまり、最新の「達成する技術」を身につけるには最適。興味のある方は、手にとってみてはいかがでしょうか?

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Photo: 印南敦史

Source: クロスメディア・パブリッシング

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