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耐えるより楽しむ。現役東大生が実践する「前のめり」の集中力

耐えるより楽しむ。現役東大生が実践する「前のめり」の集中力
Photo: 印南敦史

「集中力がない」と悩んでいる方は、実際のところ少なくないはず。

しかも「集中」には、「長い時間、ひとつのことをずっと続けなければならない」というような“耐える”イメージがあるものです。

ところが『東大集中力』(西岡壱誠 著、大和書房)の著者は、「楽しむ集中」こそが大切だと主張しています。

これからの時代に求められるのは、ガッツで押し切ろうとする「耐える集中」ではなく、いかに効率よく勉強を進めていくかという「楽しむ集中」なのだと。

例えば、みなさんが集中している時って、「集中しよう!」と思って集中しているわけではないと思います。なんとなく、自然に、意識していないのに集中している……というパターンの方が多いはずです。

逆に、集中しようと思って集中できる人って少ないんじゃないですか? いつの間にか、集中しているものですよね。

これは、「自然と前のめりになっている」からこそできるということに他なりません。(「はじめに」より)

楽しむ集中とは、「前のめりな集中」だということ。したがって本書でも、そのような集中について解説されているわけです。

ちなみに現役の東大生である著者は、偏差値35から東大受験を決意したという過去の持ち主

2浪が決まったのち試行錯誤を繰り返し、集中力を圧倒的に高めることに成功して逆転合格を果たしたのだそうです。

それが、「前のめりな集中」が導いた結果だったことはいうまでもありません。

「集中する」=「がんばる」ではない

本書の冒頭で著者は、「集中する」とは「がんばる」ということではないと断言しています。

真の「集中」とは、無理我慢せず、無理をせず、しかし自然に“そういう状態”になっていること。

つまり、「がんばらない集中」こそが真の集中だというのです。

その証拠に、東大に合格した人に「勉強がんばったんだね」と聞いても、「いや、そんなことないよ」という答えが返ってくるのだとか。

だからといって、彼らが「がんばって」いないのかというと、それは違うのだそうです。

調査したところ、東大合格者の平均的な勉強時間は、授業の時間を入れずに週50時間。学校の行き帰りの間の勉強時間も加味した数字ではありますが、それでも平日5時間・休日13時間ほどの勉強時間というのは生半可ではありません。

それだけの勉強時間をもってしてもなお、彼ら彼女らは「めちゃくちゃ頑張ったわけではない」「無理して勉強した覚えはない」と答えるのです。(26~27ページより)

そんな事実が示すのは、「集中力=忍耐力」ではないということ。

そのため、集中できるようになるためには「がんばろう!」とう気持ちを捨ててほしいのだと著者は主張するのです。「がんばらない集中=真の集中」なのだと。(24ページより)

「前のめりな集中」に必要な3ステップ

著者のいう「前のめり」とは、「自然に能動的になっている状態。それは、「Take=取りに行く」ことが自然とできている状態のことを指すのだそうです。

いいかえれば、目の前の物事に対して、無理なく「能動的」になる必要があるということ。

そして、そんな「前のめりな集中」をするためには次の3つのステップが必要なのだといいます。

1つ目は「目標の明確化」です。(42ページより)

「前のめり」になるためにはまず、「なにに対して」前のめりになるかを決めるべき。つまりは対象を明らかにする必要があるということです。

2つ目は「モチベーションの維持」です。(43ページより)

「前のめり」になり続けるためには、その「前のめり」の姿勢を保つようにすることが必要だということ。

3つ目は「チェック」です。(43ページより)

自分では集中していたと思っていても、実はそれほど集中できておらず、振り返ってみればまったく進捗していなかったというようなことはあるものです。

そこで必要なのが、自分が集中できているかいないかを確認すること。

そのうえで別の「自分が集中できる方法」を模索してみれば、より集中できるようになるというわけです。そして、そのための手段が「チェック」。

「自分はどういうときに集中できるタイプなのか?」「集中するためには、自分の行動をどう修正すればいいのか?」などをチェックすることによって、集中力がぐっと増大するという考え方です。

前のめりな集中

① 目標の計画化

② モチベーションの維持

③ チェック

(44ページより)

この3つを身につければ、誰でも目の前のことに自然と能動的になっている「前のめりな集中状態」を身につけることができるのだそうです。

そこで以後の章では、その方法が詳しく解説されます。(41ページより)


先にも触れたように、本書の原点は著者の大学受験体験です。

しかし当然ながら、本書で紹介されている「前のめりな集中」は受験だけでなく、ビジネスパーソンの日常にも役立てることが可能。

そこで本書を熟読し、仕事に活用してみてはいかがでしょうか?

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Source: 大和書房

印南敦史

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