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カロリー制限に頼らない、3つの栄養素を計算するダイエット法

カロリー制限に頼らない、3つの栄養素を計算するダイエット法
Image: Dmitrii Ivanov / Shutterstock

栄養や健康な食生活とは、計算がすべて。すなわち、カロリー、WW(Weight Watchers)ポイント、マクロを記録しているかどうかが重要です。

マクロとは主要栄養素を意味するマクロニュートリエントの略で、炭水化物、脂肪、たん白質の三大栄養素を意味します。これらをバランスよく取ることで、単純なカロリー制限よりもずっと効果的で健康な食生活を送ることができます。

古くから行われてきたカロリー計算は、カロリーの値だけに注目するため、食事内容が考慮されません。

たしかに、食事量制限だけでも、しばらくの間は効果があるかもしれません。でも、カロリー不足でもお腹が満たされるような「正しい食べ物」にスイッチしない限り、自制心だけではいつかは破綻します。

正しい食べ物をたくさん食べるには、カロリーだけでなく主要栄養素に注目する必要があります。炭水化物少なめ/脂肪多めの食生活が適した人がいれば、炭水化物多め/脂肪少なめが適した人もいます。

主要栄養素の目標値を定めることで、どんなバランスが自分にとって最適かを知ることができるようになります。それにより、脂肪や炭水化物を毛嫌いする必要がなくなるのです。

三大栄養素

三大栄養素とは、たん白質、炭水化物、脂肪を指します。アルコールも主要栄養素ですが、この記事では触れません(お酒とダイエットについては、こちらの記事をどうぞ)。

以下に、各栄養素について簡単に説明したのち、毎日の必要量について解説します。

たん白質(1グラム当たり4カロリー)

言わずと知れたフィットネス界のキング。肉や乳製品に多く含まれます。筋肉の発達に大きく寄与しますが、たん白質の有効性はそれだけではありません。なにせ、器官、骨、髪、酵素のほか、身体を形成するすべての組織がたん白質からできているのです。

たん白質はアミノ酸でできています。アミノ酸の多くは体内で合成されますが、合成できないために栄養分として摂取しなければならないものが9種類あります。

これらは必須アミノ酸と呼ばれ、肉に多く含まれます。9種類すべてを含む豆や穀物はほとんど存在しないため、ベジタリアンやビーガンは多くの品目を食べなければいけません。

炭水化物(1グラム当たり4カロリー)

ダイエット業界と炭水化物の関係は、よく言えば気まぐれです。主要栄養素の中で唯一なくても生きられますが、ないと面白みがありません。炭水化物は、身体にとっていちばんアクセスしやすいエネルギー源であり、グリコーゲン(筋肉と肝臓で使用される)とグルコース(脳で使用される)に分解されます。

よくいわれるように、炭水化物は単純炭水化物と複合炭水化物の2つに分けられます。この分類は、炭水化物の分子の長さによって決まります。 鎖状分子が短いほど分解されやすいため「単純」であり、基本的に糖類がこれに当たります。

一方、でんぷんのように分子が大きくなるほど「複雑」であり、身体が使用できる要素に分解されるまでに長い時間がかかります。

マクロの世界では炭水化物は炭水化物であり、糖類とでんぷんを区別していません。とはいえ、タルトやキャンディだけで目標値を達成することはお勧めしません。

おそらくマクロの計算を続けているうちに、満腹感が得られるという点で、複合炭水化物にひかれることになると思います。でも、そこには選択の自由が残されています。

「いい食べ物」と「悪い食べ物」の間の境界線をあいまいにすることこそ、食べ物との健全な関係を築くうえで大切なことだったりします。

脂肪(1グラム当たり9カロリー)

脂肪は、ヌテラやベーコン、ピーナッツバターといった不可欠な栄養補助食品の主要な構成要素です。それなのに、脂肪はカロリー密度が高いため、悪く言われることがよくあります。

でも実際は、重要なホルモンのもととなり、神経の絶縁体となり、皮膚や頭髪の健康をもたらすなど、私たちの身体にとって非常に重要な栄養素なのです

飽和脂肪や不飽和脂肪、多不飽和性脂肪など、脂肪には膨大な種類があります。その中でも気にしておくべき3つが、トランス脂肪、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸です。

「フランケンファット」の異名を持つトランス脂肪は、冠動脈心疾患のリスクを高めるといわれており、摂取を避けるべきです。通常、パッケージ食品やマーガリンなどに含まれています。

一方で、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、必須脂肪酸として知られています。必須アミノ酸同様、体内で合成することができないため、食事からとる必要があります。オメガ3は脂ののった魚、アマ、クルミなどに(動物由来のほうが吸収されやすいようです)、オメガ6はほぼすべてのサラダ油に含まれます。

自分に必要な主要栄養素の量を知る

主要栄養素の目標値を定めるには、次のステップに従ってください。

必要なカロリーを知る

1日に必要なカロリーは、年齢、性別、体重、筋肉量、活動量によって決まります。それより多く食べれば体重が増え、それより少なければ体重が減ります。

具体的な値は、カロリー計算アプリで計算するといいでしょう。ただし、体脂肪率や具体的な毎日の活動など、エネルギー消費に影響するたくさんの要素を考慮していないため、ラフな推測値になりやすいことを知っておく必要があります。

1週間トラッキングを続けてみると、自分がふだん何を食べているかが見えてきます。体重の増減がないようであれば、それがあなたにとって必要なカロリー量と考えていいでしょう。

週に0.5キロ程度のゆっくりとしたペースで体重を減らしたければ、必要量から1日500カロリーほど減らします。

体重維持や減量のために必要なカロリーについてさらに知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

カロリーを主要栄養素に分配する

主要栄養素の目標値を決めるには2つの方法があります。シンプルな方法が、三大栄養素の間の比率を決めてカロリーを割り当てる方法。一般的な比率は、たん白質、炭水化物、脂肪の順に40:40:20です

あとは、かんたんな計算で各主要栄養素の必要量を算出できます。たとえば1日当たりのカロリー摂取の目標値を2000カロリーとします。これを40:40:20に分けるには、以下のような計算になります。

炭水化物

  • 1日のカロリーの40%を炭水化物から摂取する。
  • 2000×0.4 = 800カロリー。
  • 1グラム当たり4カロリーなので、炭水化物は200グラム(800÷4=200)となる。

たん白質と脂肪も同様に計算します。その他、33:33:3340:30:30なども人気の割合です。

もう1つが、必要なたん白質量を知り、残りのカロリーを炭水化物と脂肪で好きなように摂取するという方法です。

たとえば体重を72キロから54キロに落としたい女性がいて、1日に1500カロリーとたん白質120グラムが必要だとします。総カロリーからたん白質分を引くと、脂肪と炭水化物で1020カロリー摂取していいことになります(総カロリー1500-たん白質分480=1020カロリー)。

これを等分に炭水化物と脂肪に割り振るなら(1020÷2=510)、脂肪は約55グラム(510÷9=56.7)、たん白質は約125グラム(510÷4=127.5)となります。

マクロがうまく行かないときは

上記の方法で決めた目標値は、必ずしも完ぺきなものではありません。必要な栄養素の量は、各個人のバックグラウンド、好み、運動量によって異なるからです。

ですから、数週間はテスト期間が必要です。問題に直面したら、必要に応じて目標値を見直さなければなりません。

以下に、筆者のクライアント、または筆者自身がよく遭遇する問題について、解決につながるヒントをお伝えします。

体重が減らない

マクロを固持しているのに体重計の針が一向に動かない場合、2つの理由が考えられます。トラッキングが正しくないか、必要なカロリーを過大評価しているのどちらかでしょう。

前者であれば、食べ物の重さで摂取量を正しく記録しましょう。体積で測ると、ごまかしやすくなるためです。たとえば、大さじ山盛りのピーナッツバターを、「大さじ1杯」と表現する人が現れかねません。

すべてのトラッキングが正しく、「ご褒美」と称したドカ食いをしていないのであれば、カロリー目標を5から10%下げるといいでしょう。それで、結果を見てください。

インスリン耐性がある人は、カロリーを維持しつつ、炭水化物を減らして脂肪を増やすようにしてください。

お腹がすく

その空腹、生理的なものですか? それとも、心理的なものですか? 心理的な空腹が問題なら、間欠的ファスティングを実施して、何も食べない時間を長くするのがいいかもしれあせん。

ダイエットは続かなければ意味がありません。開始直後から生理的な空腹が続くようでは、長続きしないのは目に見えています。カロリー目標値が低すぎないか、また十分なたんぱく質がとれているかを確認してください。

すべて確認済みで、まだダイエットを始めて数日であれば、2週目までに空腹が弱まっているかどうかを確認しましょう

すべてうまく行かなければ、カロリー目標値を10%高め、炭水化物と脂肪に割り当てます。カロリー不足が適切であれば、生理的空腹は最初から大した問題にはならないはずです。

お付き合いに影響する

ダイエットをすると、食べたいものを何でも食べられるわけではありません。それでも、マクロの目標値をキープしつつ、自分を飽きさせないだけのバリエーションを持たせたり、ときには砂糖の多い食べ物を食べたり、お酒を飲んだりすることも可能です。

仕事のお付き合いなどでマクロの目標値を越えてしまうことが多いなら、カロリーを保ったまま、炭水化物と脂肪の代わりにたん白質を取るようにしましょう。そうすることで、食事の選択に柔軟性を持たせることが可能です。

主要栄養素の目標値決定には、外食時のトラッキング方法や栄養表示の読み方など、ここで紹介した以外の側面もあります。詳細に知りたい人は、フィットネスコーチMike Vacanti氏による包括的なガイドがオススメです。

とはいえ、始めるきっかけとしては、ここで紹介した基本情報だけでも十分でしょう。シンプルなカロリー計算で失敗した経験があって、別の新しい方法を探している人は、ぜひマクロにトライしてみてください。

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Source: BODY RECOMPOSITION, FAO, Mediline Plus, HARVARD T.H. CHAN, healthline, Men's Health, UPI, Food Network, ON THE REGIMEN

Dick Talens - lifehacker US[原文

訳:堀込泰三

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