子どももメンタルヘルス休暇が必要。学校を休む日があってもいい
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仕事を何日か休んでメンタルヘルスを良好に保つことの重要性に関する記事をStarre Julia Vartanさんが米Lifehackerに寄稿しています。
メンタルヘルスも健康の一部であり、セルフケアは優先事項です。では、子どもの場合はどうでしょう。
学校を休むことは「悪」ではない
私は、子どもがたまには学校を休んでエネルギーを充電することを認めている親御さんたちから話を聞いたことがあります。
世間はそういう親御さんたちに対して、まるで我が子が通りの酒屋からお菓子の袋をかすめ取ることを黙認している親を見るときのような視線をむけますね。
気管支炎になった子どもは、学校を休んで家にいることを奨励されまるのに(登校しないで欲しいと言われることさえあります)、テスト週間が終わったので、リラックスしたりテレビドラマを見るために学校を休むと、「ずる休みしている」と言われます。
このような風潮は変わるべきだと思います。作家のAlexandra Rosasさんは、他人に非難されても、予め取り決めた日数の範囲で子どもが学校を休んでもいいことにしていた話をFacebookに投稿しています。
うちの子どもたちが学校に通っていた頃は、心の状態が「問題あり」になる前に、年に最大10日間はメンタルヘルスの日と銘打って学校を休んでいいことにしていました。
私たちは毎年その10日間をフルに活用しました。
週末を3日間のロングウィークエンドにすることもあれば、睡眠を取って心を休める日にしたこともあります。私と子どもたちは一緒に映画や博物館や親水公園に行きました。
あるとき、「メンタルヘルスの日」で学校を休んだ息子が、翌日学校で「僕、スパイダーマンを見たよ」と言うのが聞こえました。
「いつ見に行ったの?」と同級生に聞かれた息子は、「昨日だよ。学校を休んで家族で映画に行ったんだ」と、まるで楽しむために休みを取るのは当たり前みたいに、無邪気に言いました。
その後、信じられないことに、その子のお母さんが私のところにつかつかやってきて批判しました。
「うちの息子から聞きましたが、あなたたちは楽しむために休みを取るそうですね。私なら子どもに学校は大事でないと教えることは絶対にありませんよ」
私は売られた喧嘩を買わずに立ち去りました。
Rosasさんの子どもたちは学業成績もよかったので、そういう休みを取ることは家族全員に良い結果をもたらしました。
子どもだって心を休ませる日が必要
彼女は、子どもたちが精神衛生のために学校をお休みする「メンタルヘルスの日」を作った経緯を話してくれました。
「ある日の午後、学校から帰ってきた息子がまっすぐ2階の自分の部屋に入っていったので、私は息子の後を追って2階にあがり、子ども部屋のドアを開けました。
すると、息子は『僕、1人になって呼吸しなくちゃいけないんだ。学校では1人になれる時間がないから』と言ったのです。
翌日私は息子に学校を休ませて家にいさせることにしました。
この突然の予定変更に息子が驚かないように、息子を早めに起こして『今日は一緒に家ですごそう。何をしようか?』と言いました。」
この投稿に対して、自分の親も定期的に学校を休ませてくれていたけれど、今思えば、それが子どもの心身の健康と幸福にどれほど大切だったかあらためて認識したという内容のコメントがいくつも寄せられています。
長期的にも子どものためになる
子どもの頃に何度も「皆勤賞」を取った私には、子どものメンタルヘルスのために学校を休ませるというコンセプトは目新しいものです(それにしても、私が皆勤賞を取っていたことに気づいていたのは、母親ぐらいのものでした)。
しかし、このような仕組みをつくると、短期的にも長期的にも子どものためになります。理由は次のとおりです。
- 成績より子ども自身の方が大切であることを子どもに示すことになります。
学業成績が良いのに不安になりがちな子どもには、「休んでも大丈夫だよ。成績が良くて褒められるより健康の方が大事だよ」と示唆できます。
- 休憩すると、生産性が向上します。
- ストレスがあるといずれは身体が病気になるかもしれません
- スケジュールに休息する時間を入れることを子どもが小さいうちから教えられます。
私は大人になってもこれができずに苦労してきました。何をやってもうまく回らなくなってやっと、「うーん、ちょっと休んで充電した方がいいかもしれない」と思うことがよくあります。
子どもは、予め取り決めた日数の範囲で学校を休んでもいいとなると、休んだ日の時間を最も効果的に使う方法を見つけることができます。多少の試行錯誤はあるかもしれませんが、失敗は賭け金が比較的小さいうちにしてみた方が良いでしょう。
- 子どもが幼い頃から子どものメンタルヘルスを真剣に考える親に育てられた子どもは、自分のメンタルヘルスを大事にする大人になる可能性が高くなります。
- 複数の子どもがいる場合、「メンタルヘルスの日」は子ども1人1人と一対一で過ごす機会になります。
- 大家族で暮らす子どもは、週末も落ち着いた時間を過ごせないことがあります。メンタルヘルスの日は、お誕生日会もなければ「家族で楽しむ日」でもないので、子どもは心から安らげます。
- 「メンタルヘルスの日」を取るときの決まりをきちんと作らないと、子どもは仮病をつかうことがあります(誰でも心当たりがあるでしょう)。
「メンタルヘルスの日」を作るときの注意点
では、実際に子どものために「メンタルヘルスの日」を導入するにはどうしたらいいのでしょうか?
これは、子どものニーズと親がどの程度仕事を休めるか(子どもが小さくて1人で家においておけない場合)によって異なります。
また、ガイドラインをいくつか作ることから始めてみましょう。たとえば、学校では成績も素行も問題ない限り、1学年につき3日間休んでもいいことにします。テストやプレゼンテーションがある日には休めません。
あと、注意すべき点としては、子どもが常に学校を嫌がっていると気づいたら、2、3日学校を休むぐらいでは解決しないもっと根深い問題があると思いましょう。
私の子どもはまだ小さいので、「メンタルヘルスの日」については話していませんが、もう少し大きくなったら話すつもりです。
子どもには、自分で処理できることとできないことを見分ける能力を身に着けて欲しいのです。このスキルは学校でもらうどんな賞状よりもずっと大事ですから。
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Image: Getty Images
Source: Facebook
Michelle Woo – Lifehacker US[原文]
訳:春野ユリ
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