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型にはめない・しつけない・イライラしない。AI時代の子どもの育て方

型にはめない・しつけない・イライラしない。AI時代の子どもの育て方
Photo: 印南敦史

AI時代の「天才」の育て方』(市村よしなり。著、きずな出版)の著者は、本書を読み終えるころには次のような気づきが生まれるだろうと記しています。

◎親だけの子育てには、本来無理があること

◎しつけるのではなく、世間の決めた“よい子”という枠にもはめず、成長を見守るのが大切であること

◎子どもの幸せに、学歴はまったく関係がなかったこと

◎子どもはみんな、もともと天才であること

◎親としての責任を果たすために自分を殺し、イライラしながら生きるのではなく、親自身が本当に生きたい人生を生き、ありのままの自分を表現し、ワクワクしながら生きることがもっとも大切であること(「Prologue」より)

AI事業を行うIT会社を、20年以上にわたって運営してきたという人物。

また、もともと子どもが苦手で「ダメ親」を自負してはいるものの、ここ何年も「子ども向け起業ワークショップ」を開催しているのだとか。

その基盤としてあるのは、小学生時代にゲームをつくって賞金を稼ぎ、23歳で起業した経験です。

そこを起点とした本書は、これからの未来を知り、子どもに最大限の可能性を与えたい親のために書かれているのだといいます。

きょうはChapter 1「AI時代、親として大切にしなければならないこと」のなかから、いくつかのポイントを抜き出してみたいと思います。

親としてやってはいけない3つのこと

ご存知のとおり、これから先の未来には、いまある仕事のほとんどがなくなるといわれています。

そして、そんな時代を生きていく子どもたちを育てるためには、親としてやってはいけないことがあると著者はいいます。

3つのポイントは、「型にはめない」「しつけない」「イライラしない」。それぞれを見ていきましょう。

① 型にはめない

従来の学校教育は、過去の天才や過去の労働者を育てていくための教育。

集団のなかで共通の情報を持ち、共通の知識のなかから正解を導き出せる人材が必要とされていたため、そういう人を育てるための教育がなされていたわけです。

いわば、「いかに自分で考えないか」が過去の日本の教育であり、それがいまだに学校教育の現場に残っているということ。

しかしその一方、そういった従来の教育に替わる教育方法も徐々に広まってきてはいます。

たとえばいい例が、子どもの自主性や独立心、知的好奇心などを育み、社会に貢献する人物となることを目的とした教育法である「モンテッソーリ教育」。

また、一切の偏見から自己を解放し、自由な人間を育てることを目的とした「シュタイナー教育」も認知度を上げてきています。

子どもを育てるにあたって最終的に大事なのは、最終的に「○○すべき」をなくしていくこと。

モンテッソーリ教育やシュタイナー教育が評価されているのは、自立心や独立心を育むことの重要性を理解した人が増えているからだと著者は分析しています。

② しつけない

「しつけ」ということばから多くの人が連想するのは、親が子どもを叱ったり、怒ったりする図かもしれません。

しかし大切なのは、しつけるのではなく、子どもがいまやっていることをおもしろがってあげたり、好きなことを伸ばしてあげたりして見守ること

そして、しつけるのではなく、見守ることで子育てを考えたときには、必要となることがあるといいます。

それは、子どもに対して“親としてではなく、人として接する”という意識。重要なのは、大人が子どもに一方的に教えることではなく、子どもと向き合うこと。

それは大人の成長にもつながるため、子どもは人生を教えてくれるメンターであるともいえるという考え方。

そして、ひとりの人として接することにより、子どもの自立心を育むことも可能になるわけです。

③ イライラしない

親がイライラしていると、子どもは「その原因が自分にあるのではないか」と考えるようになるもの

その結果、自己肯定感が下がり、セルフイメージが低くなってしまうことも考えられます。

だからこそ、子どもにそんな思いをさせないために、親はイライラしないよう自分をコントロールすることが大切

そしてイライラしないためには、親自身がやりたいことをして、毎日ワクワクしているのがいちばん。

著者もそう考え、それを基準に自分の行動を決めるようにしているそうです。

(84ページより)

AI時代に必須の「遊ぶ力」の育て方

ほとんどの仕事がなくなる時代に大切なのは、「遊ぶ力」だと著者はいいます。

孔子の言葉に、次のような一節があります。「汝の愛するものを仕事に選べ、そうすれば、生涯一日たりとも働かなくて済むであろう」(93ページより)

理想論のようにも聞こえますが、著者はいま現実に「仕事は遊びだ」と感じ、楽しんで取り組めているのだといいます。

そして、そんな自分と「仕事が楽しくない」と嘆いている人との違いは、仕事が遊びになっているか否かだと指摘してもいます。

私は仕事が遊びで、遊びが仕事であり、毎日遊んで暮らしているような感覚になれています。それができている理由は、自分が本当にやりたいことをやっているからに他なりません。

生きるための仕事ではなく、本来自分が持っている特性を活かして、ワクワクすることをやっているから、仕事が遊びのようで楽しいのです。(94ページより)

また、そんな状態を実現させるために必要なのが「遊ぶ力」。そもそも子どもはみんな、もともと「遊ぶ力」を持っているもの。

そして、子どもが持っているそんな力をいかに伸ばしていくかが、これからのIT化・AI化時代においては重要だというのです。(93ページより)


これから訪れるAI時代に、「普通」になる必要はないと著者は断言しています。大切なのは、子どもそれぞれの「普通」ではない個性を思い切り伸ばすことだとも。

子どもをどう育てるべきかと思いを巡らせている親御さんにとっては、少なからず参考になりそうです。

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印南敦史

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