連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

書評

「上手な賛同」が大きな利益を生み出す。人の心をつかむルールとは?

「上手な賛同」が大きな利益を生み出す。人の心をつかむルールとは?
Photo: 印南敦史

人の心をつかむ15のルール』(レス・ギブリン 著、弓場 隆 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、人の心をつかむことができれば、物質的にも精神的にも、大きな利益を得ることができると主張しています。

たしかにそうかもしれませんが、とはいえそれは決して楽なことではないはず。だからこそ、その点をクリアにするために本書が書かれたわけです。

本書で紹介する知識とテクニックは、「人の心をつかむ技術」を大きく向上させる可能性に満ちている。その可能性の扉が開かれるかどうかは、あなた次第だ。

ぜひ、そのすべてを学んで活用してほしい。 (「はじめに」より)

その技術を身につけるための手段として、ここでは「15のルール」が紹介されています。

果たして、それらはどのようなものなのでしょうか? 2つを抜き出してみることにしましょう。

反論しない

人の心をつかむうえで重要なのは、上手に賛同する方法をマスターすること。それは、良好な人間関係を築く最高の技術のひとつだといいます。

「上手に賛同する」という簡単なテクニックが、人生に大きな利益をもたらすというのです。

そして同時に忘れるべきでないのは、「愚か者ほど反論したがる」ということ。たとえ相手が間違っていたとしても、賛同することができれば、器が大きいことの証となるわけです。

では、相手に賛同するためにはどうしたらいいのでしょうか? 著者はそのために必要な「5つの方法」を紹介しています。

① 相手に賛同する準備をする

相手に賛同するためには、まず自分の心を開くことが大切。そうやって、気持ちの準備をするべきだということです。

② 相手に賛同していることを伝える

心のなかだけで相手に賛同していたのでは不十分。ことばと態度でそれを伝える必要があるのです。

相手を見ながらうなずき、「なるほど、そうですね」「私もその意見に賛成です」というように伝えて初めて、賛同の気持ちが伝わるわけです。

そしてその結果、好感度が上がり、相手の心をつかむことが可能に。

③ 相手の意見に反論するのは、絶対的な理由があるときだけにする

相手の意見に賛成できないことはよくあるもの。とはいえ「絶対に反論しなければならない場合」を除き、それをわざわざ口に出す必要はなし

また実際のところ、相手の意見に反論する必要はめったにないものだといいます。

④ 自分の間違いに気づいたら、素直に認める

自分が間違っていたときは、「すみません、私の間違いでした」と伝えるべき。自分の間違いを素直に認められることは器が大きいことの証であり、そういう人は尊敬されるからです。

一方、器の小さい人は自分の間違いを認めようとせず、嘘をついたり弁解したりしてごまかそうとするもの。当然ながら、そういう人が尊敬されることはありません。

⑤ 口論しない

「口論」は、人間関係を悪化させる元凶。したがって、たとえ自分が正しいと思っても、相手と口論すべきではないわけです。

口論しても、本当の意味で勝利をおさめることはできませんし、相手を味方につけることもできないから。

これら5つの方法を普段のコミュニケーションで実践すれば、相手に嫌われる可能性は限りなくゼロに近づくといいます。

そして、さらにここでは「賛同して心をつかむための3つの法則」が紹介されています。

賛同して心をつかむための3つの法則

1 誰もが自分に賛同してくれる人を好む

2 誰もが自分に反論する人を嫌う

3 誰もが反対されることをうとましく思う

(41ページより)

これらの考え方を軸として、著者は相手に賛同することの大切さを説いているのです。「相手に賛同することは、その人への好意を示す有効な手段である」と。(37ページより)

じっくり聞く

好感度は、人の話を聞いたぶんだけ上がるもの。そして好感度が上がったぶんだけ、人の心をつかむことができるのだといいます。

一般的に、「話し上手」よりもずっと得をするのが「聞き上手」。なぜなら聞き上手な人は、相手にとって最愛の存在である「自分自身」の話をじっくり聞いてくれるから

そのため著者は、人生で得をしたいなら、まずなによりも「聞き上手」になるべきだと訴えるのです。ただし聞き上手になるためには、多少のコツが必要。

そこで、「聞き上手になる方法」がここでは明かされています。

① 話している人の顔を見る

相手の話は「耳」だけでなく、「目」でも聞くべき。相手が話しているときは、その人の顔を見ることが大切だというわけです。

話を聞く価値がある相手なら、その人の顔にも見る価値があるということ。

② 話し手の方向に身を乗り出して、熱心に耳を傾ける

話を聞くときは、「ひとことも聞き漏らすまい」という姿勢をとることが大切。

誰もが、おもしろい話には身を乗り出し、それほどおもしろくない話し手の話には身を乗り出さない傾向があるもの。

だから身を乗り出して話を聞けば、相手は「自分の話は面白いんだな」と自覚することができ、いい気分になれるわけです。

③ 適切な質問をする

適切な質問をすれば、相手の話をよく聞いていることがさらに伝わることに。つまり質問をすることは、相手に対する敬意を示す最高の方法だということです。

「それからどうなりましたか?」「そのときどうしたのですか?」といったシンプルな質問でも、十分にその効果は発揮されるといいます。

④ 話し手の話題に集中し、途中で口をはさまない

たとえ別の話題に変えたかったとしても、相手の話が終わるまでは話題を変えてはいけないということ。

⑤ 自分ではなく相手に焦点を当てる

会話では、「私は」「私を」「私に」「私の」ということばを封印すべき。それらのフレーズを使うことは、相手ではなく自分に焦点を当てることになるからです。

しかし、それでは相手の話に耳を傾けることなどできるはずもありません。

以上の5つの方法は、会話の基本的なマナー。人生で得をしたいなら、これら5つの方法を実践することが大切だといいます。(81ページより)


ここから推測できるように、著者が提示している「15のルール」は決して難しいものではなく、むしろ人としての基本といえそうなものばかり。

そういう意味で本書は、原点に立ち返るためにも役立ってくれそうです。

あわせて読みたい

弱点は先に伝える。「引っぱらないリーダー」のあり方とは?

「前説」のプロが教える、人に伝わる「いい声」の出し方

Photo: 印南敦史

Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

印南敦史

swiper-button-prev
swiper-button-next