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プレゼンでなく「会話」をする。スピーカーズ・コーチが教えるうまい伝え方

プレゼンでなく「会話」をする。スピーカーズ・コーチが教えるうまい伝え方
Photo: 印南敦史

人になにかを伝えるのは難しいもの。事実、うまく伝えられないとお悩みの方も多いのではないでしょうか?

そこでご紹介したいのが、『スピーカーズ・コーチ 誰でも伝え方がうまくなる60の秘訣』(グラハム・ショー 著、斉藤裕一 訳、CCCメディアハウス)。

著者はブリティッシュ・エアウェイズ、オラクル、PwC、シーメンス、テスコで何千人ものプレゼンテーションのトレーナーを務めてきたという「スピーカーズ・コーチ」です。

この本には、どのような状況であっても、あなたが人前で話す力を高めることに役立つ様々な情報やアイデア、テクニックが詰まっている。 「60の秘訣」は論理的な構成で次の3つのセクションに分かれている。1 準備

2 練習

3 実行

(「はじめに」より)

それぞれの「秘訣」は共通の構成によって統一し、ポイントを押さえやすくしてあるそうです。

また、それぞれの項目に「この点が重要である理由」「するべきこと」なども具体的に記載されています。

きょうはPart 1「準備」内の01「こう考えてみよう」のなかから、プレゼンテーション時に心がけたいことをご紹介したいと思います。

プレゼンではなく「会話」をする

プレゼンは一方通行のかたちをとることもありますが、実際のところはそうではないのだと著者はいいます。つまり聞く側の人たちも、常になんらかのかたちで反応しているということ。

アイコンタクトや表情、身振りなどのボディランゲージでコミュニケーションしている場合もあるでしょうし、笑ったり歓声を上げたり、驚いて息をのんだりすることもあるはずです。

また、堅苦しい形式ばったプレゼンにうんざりしている人も多いもの。そういう人たちは、「普通」のかたちで話しかけられると新鮮な空気を味わったような気分になるものなのだとか。

一方的に話すのではなく、話しかけるようにすれば、はるかに雰囲気がよくなるということです。

この点が重要である理由

「会話」がプレゼンと異なる感触をもたらす理由として……

・プレゼンは形式張った雰囲気になりやすい。

・会話はフレンドリーで肩肘張らない感じになりやすい。

・会話型のスタイルは聞く側をリラックスさせる。

・会話型のスタイルはラポート(心の通い合い)を生み出しやすい。

(27~28ページより)

するべきこと

会話」のようにプレゼンするための方法は5つあるそうです。

1:会話であるかのように考えれば、会話のような振る舞い方になる

会話であるかのように考えると、内なる考え方が外面に表れ、話を聞く人たちの反応に変化を引き起こすそう。そして会話のように話せば、聞く側も個人的につながっているような感覚になるもの。

つまり「プレゼンをする」という姿勢ではなく、「会話であるかのように」考えるべきだということ。

2:相手を「まだ見ぬ友人」と考える

話を伝える際には、「扱いにくい相手がいるのではないか」などと不安を感じたりすることがあります。

しかし参加者たちと慣れ親しんでいけば、多くの場合、誰もがいい人であることがわかったりするものです。

そこで著者が勧めているのは、参加者たちを「まだ見ぬ友人」だと思うこと。そうすれば聞きてへの印象がよくなり、それによって相手の反応も変わることになるというのです。

3:自分のプレゼンを「物語」として考える

話す側も聞く側も、プレゼンを試練のように思いがち。しかしプレゼンには、物語に似た側面があるのだと著者はいいます。

つまり、始まりがあって、次に中間の部分があり、そして終わりがあるということ。

そしてプレゼンを物語として考えれば、説明がしやすくなり、聞く人たちもメッセージを受け取りやすくなります。

そこで著者は、読み始めたら止まらなくなる本のように、聞く人たちの心を捉えて離さない「物語」をまとめ上げようと読者を促しています

4:つながりを良くして流れを生み出す

よい会話には流れが必要で、それはプレゼンも同じ。そして流れをつくるには、ひとつのポイントから次のポイントへのつながりをよくすることが大切

このつながりが道標のように働くため、聞く側の人たちは、まとまりのある全体を常に意識できるようになるというのです。

話の筋を追いやすいからこそ、脈絡のはっきりした話が好まれるということ。

5:テキストを読まないーー相手に語りかける

正確に引用する必要がある場合は別としても、基本的に原稿やスライドは読み上げるべきではないと著者は主張しています。

いうまでもなく、「読み上げるプレゼン」は堅苦しくなりがちだから。原稿を読んでいるということは聞く側にもわかるため、会話とは逆の印象を与えてしまうことになるわけです。

こういった理由から、会話型のスタイルにすれば、聞く人たちが話を楽しめるようになるということです。(27ページより)


いうまでもなく、人前で話すということに、ひとつの決まった方法などはありません。人によって、それぞれの話の内容によって違うわけです。

したがって、自分にいちばん合うと思えるアイデアやテクニックを選り分けながら本書を読んでほしいと著者は記しています。

そうすれば、やがて伝え方のコツを身につけることができるかもしれません。

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Source: CCCメディアハウス

印南敦史

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