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たった20分、ある瞑想法が仕事のミスを減らすのに役立つ

たった20分、ある瞑想法が仕事のミスを減らすのに役立つ
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不安をやわらげ、仕事のパフォーマンスを高めるといわれる瞑想。マインドフルネスへの関心が高まるにつれて、こうした瞑想の効果を立証する研究も多く出てきています。

ただ残念なことに、研究のなかには実験手続きの厳密性が怪しいものも、いくばくか含まれているようです。

そんななか、瞑想は確かにミスを減らすのに役立つかもしれないとの研究結果が示されました。

ミシガン州立大学(MSU)の研究者による200人規模の研究では、神経科学的アプローチにより瞑想の効果を調べています。

研究ではオープンモニタリング瞑想を採用

瞑想というと、呼吸や膨張-収縮する円形のビジュアルなんかに意識の焦点を持って行くフォーカスアテンション瞑想を思い浮かべるかもしれません。

でも今回の研究で用いられたのは、オープンモニタリング瞑想(OM瞑想)。この瞑想方法は、その瞬間に起こっていることを観察するタイプのものです(サマタ瞑想/ヴィパッサナー瞑想という分類のほうがなじみある方もいるかもしれません)。

選択的注意非選択的注意、どちらも瞑想の要素としては重要で、たとえばマインドフルネス認知療法(MBCT)など、多くの体系的な瞑想プログラムには、両方の要素が組み込まれています。

一方で、この2つのタイプの瞑想には機能的な違いがあることがわかっていて、にもかかわらず「マインドフルネス瞑想」というくくりでごっちゃにされがち。

これがマインドフルネス瞑想に関するエビデンスにバラつきを生む要因となっているのかもしれません。

作業前の瞑想で神経活動が変化

研究では、1セッションのオープンモニタリング瞑想が脳活動にどのように変化をもたらすかを調べました。被験者は右利きの女性186人で、全員が瞑想の非実践者です。

20分間のオープンモニタリング瞑想を行い、その後、フランカー課題(ノイズに紛らわされず目的の図柄を認識する課題。その正誤率や応答時間を見る)を実施。脳波とパフォーマンスを測定しています。

その結果、瞑想したグループはしなかったグループに比べて、ミスの認識に関連する神経信号の強度が増加することがわかりました。

つまり、即座のパフォーマンス改善には表れなかったものの、オープンモニタリング瞑想が神経活動レベルでミスの認識能力を高めることが示されました。

より長期間の瞑想実践がパフォーマンスにも影響を与えることが期待でき、研究者は研究を深めていくようです。

オープンモニタリング瞑想の実践方法

オープンモニタリング瞑想では、文字通り環境あるいは内面を知覚しモニタリング(観察)していきます。

その瞬間の知覚に完全に同一化し、「知覚している」というメタ認識を持つのがポイントとなります。

この研究でも用いられた、 カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)マインドフルネスセンターのSteve Hickmanさんによるガイドから、オープンモニタリング瞑想の実践法を簡単にご紹介します。

オープンモニタリング瞑想の実践法

  1. 目を閉じて20分間静かに座っていきます。まず静かで快適な場所を選んで座りましょう。
  2. 座っている姿勢がどうなっているかを観察。姿勢が落ち着いてきたら次第に呼吸に注意を向けていきます。特別な呼吸は必要なく、ただ楽に呼吸しましょう。
  3. 記憶やアイデア、不安なことなど、他に「注意が向いている」ことに気づいたら、そっと手放して呼吸に戻ります。何万回注意が逸れ、心がさまよったとしても、そっと手放して呼吸に戻ることができます。
  4. 音、におい、味、体の感覚、手が触れているものなどの感覚を観察していきます。
  5. 瞑想中にじっと座っている必要もなくて、たとえば背中や首なんかの痛みに気づいたとき、もぞもぞと動いたり、姿勢を変えたりしても大丈夫です。「感覚に対する反応を選ぶ」ことを意識します。反応を選んだ後は、感覚に戻って違いがあるか観察しましょう。
  6. 意識を向けるポイントを音に移してみることもできます。周りから気になった音をピックアップして、ただ聞きます。何か考えが浮かんできたら、「音を聞いている」状態に戻ります
  7. 環境や内面の観察が難しいと感じたら、いつでも基本の呼吸に戻りましょう。“この瞬間、座っているここ、この呼吸”に戻り、「呼吸に戻った」ことに気づきます

以上がオープンモニタリング瞑想の一例になります。

Steve Hickmanさんの音声ガイドを聴きながら行うと、圧倒的に瞑想が深まるかと思います。

日本語のものであれば、「マインドフルネス瞑想」「ヴィパッサナー瞑想」なんかのワードでYouTubeを検索すると、たとえばこんな動画が見つかります。

Video: YouTube

ミスを減らしたい作業の直前に、オープンモニタリング瞑想を実践することで神経活動が変化しますので、これが微細なパフォーマンスに影響を与えるかもしれません。

できれば継続して実践してみて、パフォーマンスの違いを見てみるのもおもしろいんじゃないでしょうか。


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Image: Shutterstock.com

Source: On Variation in Mindfulness Training: A Multimodal Study of Brief Open Monitoring Meditation on Error Monitoring/ MDPI

山田洋路

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