前向きに考えられる子どもを育てるための5つのステップ
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現代の子どもたちは、控えめに言っても実に大変な時代に生きています。
薬物乱用、自殺率の上昇、海外で多発する銃乱射事件、地球規模の環境破壊など、次々に発生する危機に若い世代は取り組んでいかざるを得ません。
そんな状況では、楽観的でいられる要素などほとんどないと言ってもいいでしょう。でも、こうした時代だからこそ、前向きに考えることが必要ではないでしょうか。
性格が悲観的か楽観的かは、先天的なところがあるかもしれませんが、親の努力で子どもが楽観的になるよう後押しすることができますよ。
1. 子どもの前で苦情や愚痴を言わない
これは真っ先に心がけるべきことではありますが、親がもともと楽観的でない場合、愚痴を控えるのはかなり大変です。
「このおんぼろPCったら、フリーズしてばかりで嫌になる」「雨が続いてうんざりだ」「この道路の交通量ときたら酷いものだ」などなど、愚痴の種は山ほどあるからです。人生とは厄介なものです。
とは言え、愚痴のはけ口が欲しいときは、子どもが寝た後パートナーか友人に求めましょう。
親は子どもにとって最も影響力の大きいロールモデルです。子どもに物事の明るい側面を見ることを教えるには、生活の中で親自身がポジティブな姿勢を貫くことが1番です。
愚痴はなるべく言わないようにして、その分褒めるようにしましょう。
レストランでは、室温や注文したフライドポテトのことで店主を呼びつけて文句を言うのはやめましょう。むしろ、店員の感じが良くて気配りできていることを褒めるのです。
そういう場面を子どもはちゃんと見ています。それに親の方もそういうことをすると、かなり気分が良くなりますよ。
2. 悪いニュースは子どもが受け止められるように伝える
メディア業界で働く大人の私でさえ、個人的にはニュースで気が重くなることがあります。
ニュースの意味を大人と同じ文脈で受け止めることもできなければ、事態が実際にはどれほど深刻か判断する感覚もない子どもには、どれほどわかりにくくて不安を招くことでしょう。
Common Sense Mediaで育児記事の編集をしているCaroline Knorrさんは、子どもに対して「ニュースの深刻度を適切に調整」する必要があるとThe Washington Postに書いています。
世界のどこかで悲劇が起こると、テレビやSNS、スマホの通知からだけでなく、センセーショナルなヘッドラインで注目を集めるニューススタンドの側を通りがかっても、その悲劇を追体験することになります。
大人は、メディアを見たりSNSをクリックするたびにニュースのインパクトが増幅されることを理解しています。
しかし、子どもが情報源・スポンサー・聴衆の関係性を理解できるとは限りません。親がニュースにどのような反応を示すかで、子どものニュースの受け止め方が変わってきます。
声が大きいほど世間は耳を傾けるものだということを説明して、子どもが物事を大局的に見られるように助けてあげましょう。
3. 続けていれば進歩することを教える
子どもは、何かがうまくできないと、すぐにがっかりしてしまいます。そんなとき、親は子どもに「習うより慣れなさい。練習すれば完璧にできるようになるから」と言っていたものです。
ですが、現実にはどんなに練習しても必ずしも完璧に至るとは限りません。ただし、練習すれば進歩はします。
なので、今度子どもが「算数の問題が解けない」とか、猫の絵を描いて「どう見ても猫に見えない絵になってしまった」とブツブツ言っているのが聞こえたら、「今はまだ、ブレインチェーンができている途中なんだよ」と教えましょう。
人間は何かを練習するたびに、脳内で新しいチェーンができています。このチェーンが厚みを増してどんどん強くなるに従って、前はなかなかできなかったことが考えなくても自然にできるようになります。
スポーツが上達した、字を読むスピードが速くなった、自分で洋服を着ることがなかなかできなかったのに、今では何も考えずに着られるようになった(子どもに良くある例ですね)。
例はいくらでもあります。どれも、長年にわたって構築してきたブレインチェーンのなせる業です。
4. 現実的に考えることを忘れない
矛盾することを言うようですが、子どもが楽観的になるようにするために、子どもの自尊心を高める必要はありません。
児童心理学者であり、『Freeing Your Child From Negative Thinking』の著者でもあるTamar Chanskyさんは、Parents.comに対して次のように説明しています。
楽観主義は、ポジティブに考えるというより現実的に考える必要があります。それができる子どもは、どんなことに直面しても大丈夫です。
子育て中のTracy Reinertさんは、家族で引っ越しをした後、息子が友だちをつくるのに苦労していたことに気づいていました。
このように、親が子どもの大変さを認識している方が「すべてうまくいくよ」と深く考えずに言うよりも、現実的ではるかに良いでしょう。
「新しい土地に引っ越して1から始めるのは大変だよ。友だちをつくるのには時間がかかるから」とTracyさんは伝えたのだそう。
その後、息子のMatt君は愚痴を言うのを止めて、問題解決に向けて積極的な行動をとったのです。
近所に住む子どもたちと知り合えるように、放課後お母さんに近所のグラウンドに連れていってもらったり、近所を自転車で走りまわったのです。
何週間かすると、新しい友だちが何人かできました。
「息子は物事がうまくいっていることを突然実感しました。楽観的に考えていいことを息子が私に教えてくれたようなものです。」
5. 子どもの自立を促す
子育てで最も難しいことの1つは、親が子離れすることです。
子どもは、次第に親を頼らなくなり、完全に自立した大人に変身して、親の助けがなくても世の中でやっていけるようになります。
もちろん、これが子育ての最終目標ですが、子どもに自立を促し、そして多少のリスクを取ることも後押しすると子どもの楽観性をさらに促進します。
子どもは、自力で努力して目標を達成する体験が増えるほど、自信を持ち可能性を受け入れられるようになります。
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Image: Shutterstock
Source: Psychology Today, The Washington Post, Amazon, Parents
Meghan Moravcik Walbert – Lifehacker US[原文]
訳:春野ユリ
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