
コレクションや展示会など、海外出張が多いファッション業界人たちの話によれば、本当に頼りになる旅行用カバンは、4輪のスーツケースではなく、2輪のキャリーケースなのだそう。その理由を聞けば納得!
海外出張や旅行で、もっとも汎用性の高いカバンの容量といえば、60〜80ℓくらいが一般的。1週間分の着替えとコスメ用品などを詰め込むには、ちょうどいい大きさです。
多くの人が、4輪のウィール(車輪)が付いた、いわゆるスーツケースを選びがちですね。でも、本当にそのスーツケースで万全なのでしょうか?
実際、ヨーロッパの都市などを歩くと石畳の道が多く、スーツケースがガタガタと大きく揺れ、ウィールが壊れることがしばしば。コンクリートで舗装された大都市であれば問題ありませんが、いざ未舗装の道路に出くわすと、小さな4輪ウィールでは役に立ちません。
そこで、旅慣れた人にどんなカバンを使っているのかを訊いてみると、2輪のキャリーケースという返答がほとんど。しかも、ナイロン素材などと樹脂製フレームを組み合わせた、いわゆるセミハードタイプでした。
ということで、「ローリングダッフル」などとも呼ばれるこのタイプの利点を紹介します。
- 走破性が高く、ウィールが壊れにくい
- 荷物の容量に合わせて、大きさを調整できる
- スーツケースよりも軽い
- ウィールが使えない場面でも、ハンドルで持ち運びやすい
旅慣れた人が2輪のキャリーケースを選んでいるのは、こうした理由があるからです。下記では、その一例を紹介していきましょう。
レインカバーを内蔵した「モンベル」ウィリーバッグ60

アウトドアブランドのキャリーケースには秀逸なものが多く、「モンベル」の「ウィリーバッグ60」もそのひとつ。
ボディには軽量かつ強靭なリップストップナイロン生地、内蔵フレームとハンドルにはアルミニウム合金を採用しています。
T字のキャリーハンドルは手になじみ、大型のウィールと相まって、予想以上に取り回しやすいのが特徴。内部はメインコンパートメント1室のシンプルな構造。前面の下部には、専用のレインカバー(パックカバー)を備えているので、急な雨でもすぐに対応できます。
重量3.2kg、サイズH69×W40×D28cm、容量60L。価格2万3900円/モンベル
シンプルな2層式の「スーリー」サブテラ ウィールド ダッフル 70cm

1942年創業と歴史は長く、車載キャリアーでも有名な、スウェーデンブランドの「スーリー」。近年では総合的なラゲージブランドとして世界で認知されています。
こちらの「サブテラ ウィールド ダッフル 70cm」は、ダッフルバッグとしての使用を念頭に置いたデザイン。同社が培ってきた、樹脂(ポリカーボネート)と金属の組み合わせを駆使したフレームを内蔵しています。
丈夫で耐水性の高いナイロン生地と組み合わせて、大きなウィールを付属。内部は荷造りや整理整頓がしやすい2つのコンパートメント設計になっています。
重量4.1kg、サイズH70xW40xD35cm、容量75ℓ。価格3万9000円/ゼットお客様相談センター
コンパクトに保管できる「ポーター ハイブリット」ボストントロリーバッグS

ロングセラーシリーズである「ポーター ハイブリッド シリーズ」の「ボストントロリーバッグS」。ディメンションポリアント社とインビスタ社の協力を得て開発した、強度・軽さ・防水性に優れた「X-C1000」というオリジナル素材を採用しています。
2つのコンパートメントを備え、荷物の容量に応じてフロントのアジャストストラップを用いて収納物をホールド。
また、未使用時にスペースを取らないように、底部にある「コ」の字型のフレームを外して折り畳める仕様で、専用の収納袋に入れて保管できます。
重量3.8kg、サイズH69xW39xD32cm、容量70ℓ。価格8万2000円/吉田
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今回紹介したのはほんの一例ですが、4輪のスーツケースよりも軽くて、多少の悪路でも使える2輪のキャリーはあらゆる場面で頼りになります。
大きな箱型ボディをゴロゴロと引きずるよりも、圧倒的にスタイリッシュでコンパクト。ウィールの故障も圧倒的に少なく、手持ちしたときも扱いやすいキャリーを検討してみては?
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Image: 多田悟
Source: モンベル , ゼットお客様相談センター, 吉田
構成・文/川瀬 拓郎 、編集/庄司 真美、スタイリング/仲唐 英俊