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プロカメラマンが伝授。顔や風景が暗くならない&逆光を活かすスマホカメラ撮影術

プロカメラマンが伝授。顔や風景が暗くならない&逆光を活かすスマホカメラ撮影術
Photo: 松島徹

被写体の背後に太陽がある、いわゆる「逆光」のシチュエーションはドラマチックな光となり、撮影に向いています。

しかし、ただカメラを向けて撮影をすると、被写体が真っ黒になってしまうことも。これでは、いくら美しい光の下での撮影でも、意味がありません。

正直なところ、逆光での撮影は難しいものです。高価なカメラを使っても、ある程度テクニックを駆使しないと思い通りのイメージにはなりません。

「デジカメを使ってもうまく撮れないのなら、スマホじゃ撮れなくて当然」

そう思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。

先ほど「ある程度テクニックを駆使しないと思い通りのイメージにはなりません」と書きましたが、逆に言えば、ある程度テクニックを駆使すれば逆光でもちゃんとした写真が撮れるのです。それはデジカメでもスマホでも同じこと。

そこで、逆光で印象的な写真を撮る方法を、スマホのカメラ教室を開催しているカメラマン、松島徹さんに教えていただきました。

逆光での撮影で失敗してしまう理由とは?

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Photo: 松島徹

被写体に対して、正面から光が当たっている状態を「順光」と言います。この順光の状態ならば、被写体に十分光が当たっているので、しっかりくっきりとした写真になります。

一方、順光の写真は面白みがない写真になりがちです。記念写真などにはいいかもしれませんが、ポートレートを撮影するときは少々もの足りないことも。「ポートレートの基本は逆光」などと言われることもあるほどです。

しかし、逆光で撮影をすると被写体の前から光が当たらないため、真っ黒になってしまいます。また、背景と被写体の明暗差が激しいため、暗い部分はつぶれてしまいがち。

だからといってプラス側に露出補正をして画面全体を明るくすると、背景が白飛びしてしまうというように、逆光での撮影はなかなか難しいものなのです。

逆光でもきれいに撮影する方法

では、逆光時でもきれいな写真を撮影する方法について解説します。ここでは例として、ポートレートでの撮影を取り上げていきます。

1. HDR機能を使う

もっともシンプルな方法は、スマホのカメラに搭載されているHDR機能を使うことです。

HDRは、画面内の明るいところと暗いところを自動的に感知して、どちらもよく見えるように補正してくれる機能。人間の目で見た状態に近くなるようにしてくれます。

人間の目というのは優秀で、陰影差のあるところでも、どちらも適切な明るさで見えるようにしてくれています。

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逆光での撮影のため、モデルの顔が暗く、表情が判別しにくくなってしまっている。
Photo: 松島徹

上の写真は補正なしで撮影した写真です。モデルの右斜め後ろから光が当たっています。雰囲気のある写真ではありますが、もう少しモデルの顔を明るくしたいところ。

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顔の表情・背景ともにくっきりと見えるように明るさが調整されている。
Photo: 松島徹

こちらは、スマホのHDRを有効にした写真。モデルも背景もしっかりと見えるように調整されています。逆光で暗いなと感じたら、まずはHDRを試してみるといいでしょう。

2. 露出補正で明るさを調整する

また、あえてフレーム内に太陽を入れて撮影し、被写体をシルエットにして印象的に仕上げるという手段もあります。

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印象的ではあるものの、モデルのディテールがわからない。
Photo: 松島徹

これはこれで印象的な写真ですが、ややモデルが暗くなりすぎてしまっています。これでは前を向いているのか後ろを向いているのかもよくわかりません。

もう少しモデルのディテールを出したいところなので、ここで少し露出をプラス側に補正してみます。

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露出をプラスに補正することで、モデルのシルエットが際立った写真に。
Photo: 松島徹

プラス補正することで、モデルのディテールがわかるようになりました。

ただし、あまり露出を明るくしすぎると背景が飛んでしまうため、ほどほどにしておきましょう。徐々に露出補正を上げた写真を数枚撮っておくのがベストです。

これとは逆に、わざと露出をマイナスにしてメインの被写体をシルエットにするという表現もあり。自分のイメージした写真になるように露出を変えていきましょう。

こんな方法も? モノクロ撮影で陰影感を活かそう

逆光時の撮影をドラマチックにしたいという場合、あえてカラーではなくモノクロで表現するというのも1つの方法です。

写真とは本来、光の陰影を表現するもの。あえて色情報をなくすことで、逆光時の光の加減が強調され印象的な写真になります。

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色が似通った被写体の写真のため、光の陰影が目立たずインパクトが薄くなってしまっている。
Photo: 松島徹

左前方に太陽があるシチュエーションで撮影。茶と黒がメインの被写体です。カラー写真ですが、全体的に色味が少なく、一見すると特にインパクトがありません。

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モノクロにすることで色情報をなくし、光の陰影が際立った印象的な写真に。
Photo: 松島徹

そこでスマホのカメラ設定でモノクロを選び撮影。色情報がなくなることで光の陰影が際立ち、印象的な写真になりました。さらにコントラストなどを強めてもいいでしょう。


逆光での撮影は思い通りのイメージにならなくて難しいものです。しかし、スマホの機能を使いこなすことで、今までよりもワンランク上の写真にすることも可能。

これからは、積極的に逆光で写真を撮ってみませんか?

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Photo: 松島徹

三浦一紀

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