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仕事への向上心がなく悩む30代女性に対しての回答

仕事への向上心がなく悩む30代女性に対しての回答
Illustration: Angelica Alzona

自分の仕事が好きなら、あなたはラッキーな人です

問題は、今の仕事が好き過ぎて、あまり野心的になれないことでしょう。仕事至上主義みたいな時代に、「がんばって“もっと上に行く”ことを目指そうとしないことを後悔するかもしれない」と心配しているのです。

現状に満足していることは問題なのでしょうか?

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米Lifehacker「Human Resource」様

私は、ほどよい規模の弁護士事務所で働く弁護士で、自分の仕事が大好きです。仕事に興味を持ち、しっかりと関わり、チャレンジをして、報酬を得ています。月曜日が好きです。そんな人間です。

しかし、仕事のキャリアにおいて上を目指すようにというプレッシャーを感じており、助けが必要です。具体的に言うと、私にはそこまで向上心がありません。同僚と争って刺激的な仕事をしなければとか、シニア・パートナーとみつに接していれば仕事がもらえるかもしれないとか、積極的にキャリアアップのチャンスを求めようとは思いません。今やっている仕事と、現在のポジションでのワーク・ライフ・バランスが好きです。(私は30代半ばで既婚、2人の子どもがいます)

懸命に上を目指そうとしないことで、自分のキャリアの先行きが危ぶまれるのではないかと気がかりです。今、チャレンジングな機会を追求しなければ、10年後にもっと良い仕事がしたかったなと思いつつも、自分は若い頃に培っておくべきスキルがないことに気づくかもしれません。

一方で、現在の仕事に満足しているのに、争ってまで上を目指す必要があるのだろうか、このままずっと満足した状態が続く可能性はあるのだろうか、とも思います。長い目で見ても、私は今の仕事でとても満足できると思うのです。

何かお知恵やアドバイスをいただけたら幸いです。よろしくお願いします!

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輝かしいキャリアを達成するには、間違いなく向上心が重要です。しかし、問題は向上心がないことではなく、輝かしいキャリアを達成することが、あなたの最優先事項ではないことだと思います。他のことの方があなたにとっては重要なのでしょう。それでいいと思います。

しかし、これでいいのだという気持ちはすぐに忘れてしまいます。今私たちが生きている社会や文化、メディア環境では、誰もが仕事で上を目指そうとしているという前提にかなり偏っているからです。常に、天職を見つけ、情熱をかたむけ、邁進するのだ、といった感じです。

「The Atlantic」に載っていた最近のエッセイで、ライターのDerek Thompsonが、社長でも部長でも何でもいいから上に這い上がるという考え方が、その人の価値基準のようなものになっているのは、20世紀初頭に生まれたものだと指摘しています。

そして、Thompsonが仕事至上主義と呼んでいる、その人の仕事に重きを置く信仰に近い考え方が徐々に生まれました。仕事というのはお金を生むだけでなく、その人のアイデンティティや人生の目的の中心的存在だ、人としての幸せを増幅するには、常にもっと仕事をしなければならない、という信念です。

ですが、仕事至上主義を拒否して、他愛もない話をするために生きていくこともできます!実際、ある程度は、誰もが少なくとも時々仕事至上主義をやめることを考えた方がいいです。

自分の仕事を続けること

誤解のないように言うと、仕事を辞めろと言っているのではありません。まったく逆で、自分のやるべきことをきちんとこなし、上司の明確なフィードバックを求めましょう

違いは、壮大で長期的なキャリア全体を占める計画を遂行するのに囚われないということです。生産性を最大化する戦略やアイデアを提案するような本やポッドキャストに浸る必要はありません。ただ、自分の仕事をやるだけです。

仕事でよくあるのは、上司がやる気を見せろと言うことです。しかし実際には、上司は仕事を確実にきちんとこなすことを求めていることが多いです。例えば、野心的な同僚が避けている割に合わない仕事を、あなたが引き受けてくれていることを本当にありがたいと思っているかもしれません。

あなたが密かに上を目指すための行動をしているからではなく、会社や組織とその目標のことを真剣に考え、意識しているからです。

「私は上昇志向がないんですよね」とあからさまに言うことにメリットはありません。しかし、上司と日常的に話したり、評価の面談をしている時に、どのように自分のやりたいことを伝えられるか考えてみてください。

あなたは自分の今の仕事に満足していて、それを確実にこなすことに注力していて、新しいことを学ぶこともやぶさかではありません。しかし、自分の究極的な幸せは、上を目指して誰かと戦うより、今の仕事を全うすることだと信じている、ということです。

仕事至上主義に背く

今の自分の仕事に対して無関心ではないときちんと伝えられる方法がわかったら、安心して仕事至上主義に背くことができます。

おそらく、やる気を見せなければならないという上司からのプレッシャーを感じることもなくなります。それは一般的な文化や社会的な風潮、それに自分の分野のトップを目指そうとしないのであれば、それは負け犬みたいなものだと言っているすべてのグルから来るものです。

そのようなグルによれば、とても生産的な習慣を構築し始めれば、誰もがトップになれるのです。やろうと思えば、誰だって一番になれます!

現実的には、レイク・ウォビゴン効果では明らかに不可能なこの変数は、間違いなく多くの人を不幸にします。これは、最近燃え尽き症候群が話題になっている理由のひとつです。また、すべてにおいて一番になることを求められている、いわゆるお勉強もできる「エリート」が楽しく仕事ができない理由のひとつでもあります。

このようなプレッシャーはミレニアル世代でより深刻で、あくせく仕事をしなくても、がんばっているように見せられるSlackなどのツールのように、職場に広まっているテクノロジーによってさらに増幅されているという議論もあります。

しかし、誰もが他の人よりも働くことができるわけではなく、誰もが一番になれるわけではありません。あなたの仕事が何であれ、NBAのスター選手レベルのエリートでなくても、幸せになれるというのが真実です。(文字通り、NBAのスター選手の多くの末路は不幸です)

ライターのMatt Haigは、仕事のことを深刻に受け止めすぎないようにという議論に関して、「自分の仕事が非常に重要だと信じているのは、ノイローゼになりかかっている症状のひとつだ」というバートランド・ラッセルの言葉を引用しています。

ですから、仕事が素晴らしくできなくても全体的によければいい、と受け入れる方がいいこともあります。誰もが自分の仕事にベストを尽くし、やるべきことをやった方がいいですが、大丈夫な状況でこれでいいと受け入れるのもありです。

ただ、他にも情熱を持てるものがあるということは忘れないでください。私にはそういうものがあるので、みなさんにもあるといいなと思います。

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Source: Wikipedia, The Podcast Browser, THE NEW REPUBLIC, BuzzFeed, THE Nation, LITERARY HUB, Outside, The New York Times

Rob Walker - Lifehacker US[原文

訳:的野裕子

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