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宇宙ベンチャーを率いる女性リーダー。「人工流れ星」が描くロマンと未来

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宇宙ベンチャーを率いる女性リーダー。「人工流れ星」が描くロマンと未来
Image: Mugendai(無限大)

夜空をかける一筋の光。ふとした瞬間に目にした流れ星の感動は、忘れがたいものがあります。

IBMのWebメディアMugendai(無限大)にて、世界初の「人工流れ星プロジェクト」が紹介されていました。今注目の宇宙ベンチャー企業が手掛けているとのことですが、はたしてどのようなものなのでしょうか。

流れ星の正体は独自開発の「粒」。花火の20倍の広さで観測可能

インタビューに登場していたのは、宇宙ビジネスベンチャーである株式会社ALE岡島礼奈さん。東京大学理学部、同大学院を通じて天文学を学んだ専門家です。

流れ星の正体が、宇宙からやってくるチリであることをご存じの方は多いと思います。そのチリが大気圏に突入する際に燃え尽きて光り、まるで星が流れているように見えるのです。

岡島さんが実現しようとしているのは、このチリを人工的につくり出すこと。具体的には、高度約400kmにある人工衛星から、独自開発した直径約1cmの「」を大気圏に突入させるといいます。

この取り組みには、新たなエンターテインメントとして大きな期待がかけられています。例えば、花火を鑑賞できるのは直径約10km圏内といわれますが、人工流れ星は約200kmもの広さで見ることができるため、数百万人以上が同時に楽しめるとのこと。人工衛星の打ち上げは今年の1月に成功しており、現在は初回ミッションに向け着々と準備が進んでいるそうです。

国の援助も活発に。宇宙ビジネスの今

インタビュー中で岡島さんは、日本の宇宙ビジネスが変革期にあることも語っています。その中の一つが、国からのバックアップ。現在、国内における宇宙ビジネス市場の9割が官需といわれているそうで、岡島さんたちの人工衛星「ALE-1」も、JAXAのロケットにより打ち上げられました。岡島さんがALEを設立した8年前は、宇宙ビジネスの多くがベンチャー企業発のものであったそうで、ご本人も「思いもよらないこと」だと振り返ります。

そうした気運が高まったことについて岡島さんは、2018年にJAXAが発表した研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の存在を指摘。宇宙事業以外の分野から人材や技術、資金などが集まったことで、宇宙ビジネスが推進していったのではないかと分析していました。

宇宙ベンチャーを率いる女性リーダー。「人工流れ星」が描くロマンと未来
Image: Mugendai(無限大)

また岡島さんは、人工流れ星プロジェクトをただのビジネスで終わらせたくないとも語ります。同社は、プロジェクトを実現するためのさまざまな実験により、「リエントリー(宇宙から地球への再突入)」と呼ばれる技術のノウハウを蓄積。岡島さんはその知見を生かして宇宙事業そのものに貢献したいといい、以下のように語っています。

リエントリー領域の研究を極めることで、エンターテインメントの創出だけではなく、さまざまな宇宙事業の創出に貢献できるはずです。

たとえば、ここ最近現実味を帯びてきた宇宙旅行への活用も見込んでいます。当面の宇宙旅行は、高度100km圏で行う弾道宇宙旅行になります。一般市民を載せたロケットを、いかに安全に高層大気圏にリエントリーさせられるかという重要な課題に、ALEの研究成果を活かせる可能性があるでしょう。

ビジネスだけではなく、研究にも本腰。世の中を変えるには「基礎科学」の力が必要

同社が事業だけではなく研究にも積極的に向き合うのは、「世の中にイノベーションをもたらすためには、基礎科学の力が何よりも必要」という岡島さんの信念があります。ガジェットやサービスなど、これまであらゆる場面でブレイクスルーが起こってきましたが、その裏にはいつも基礎科学があると岡島さんは言い、以下のように語っています。

歴史を遡れば、相対性理論からGPSが生まれ、素粒子論から半導体が導き出されたように、基礎科学には、私たちの生活に恩恵をもたらす大きな力が秘められているのです。「速くなる」とか「小さくなる」といったような工学によってもたらされる変化と比べ、基礎科学には、生活をガラッと変えてしまう変化をもたらす力があると信じています。

岡島さんがこのような考えに至ったのは、ご自身の学生時代の経験から。恩師であった先生が、とても優秀な研究者であったにも関わらず、毎日のように資金集めに奔走していた姿を見ていたからだといいます。

宇宙ベンチャーを率いる女性リーダー。「人工流れ星」が描くロマンと未来
Image: Mugendai(無限大)

「人工流れ星」という壮大なロマンと、日本の基礎科学研究が抱える大きな問題。その他にも、サスティナブルな地球環境づくりと宇宙ビジネスの今後については、Mugendai(無限大)より続きをお楽しみください。


Image: Mugendai(無限大)

Source: Mugendai(無限大)

渡邊徹則

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