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稼げない人はこんな思考や行動をしているかも? 令和時代の「稼げる習慣」

稼げない人はこんな思考や行動をしているかも? 令和時代の「稼げる習慣」
Photo: 印南敦史

稼げる人稼げない人の習慣』(松本利明 著、日経ビジネス人文庫)は、2015年に刊行された『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』を改題、改訂し、文庫化したもの。

文庫化に際しては、副業、転職、働き方改革、介護、健康など、人生100年時代のベースとなる項目を追加。合計50種もの習慣が解説されているそうです。

まず注目すべきは、著者が「文庫版まえがき」のなかで「稼げる人稼げない人の習慣は大きく変わりました」と主張している点。

「勝ち組と負け組」の時代だった平成とは異なり、令和は「自分らしく稼ぐ」時代だというのです。

だとすれば気になるのは、これからの時代に「稼げる人」になるためにはどうしたらいいのかということ。著者によれば、そうなれる人には次のような共通項があるのだとか。

・ 自分の持ち味を活かし、勝てる場所を「転職」しながら見つけ、鍛えていく

・ 起業と副業によって収入アップとオリジナルの強みを磨いていく

・ ただ稼ぐだけでなく、世の中や仲間に認められ、やりがいを感じる

(「文庫版まえがき」より)

そこで本書では、「稼げる人」と「稼げない人」、2つのタイプの人物の行動や思考を比較しているわけです。

Chapter 1「結果を出せる『仕事』の習慣」のなかから、2つのポイントを抜き出してみましょう。

稼げる人は期待値が「低く」、稼げない人は期待値が「高い」

稼げない人は、自分を基準にした期待レベルを相手に求めてしまうもの。

「いまの自分にはこの程度できるから、最低でもこの程度は期待できるだろう」「昔の自分はこのレベルはできたから、このくらいならできるだろう」というように、相手の仕事の混み具合を確認しないまま、勝手に高めの期待値で仕事を依頼してしまうということ。

しかもその結果、相手が自分の期待レベルに満たなかった場合、「裏切られた」と怒り、落ち込むというのです。

つまり相手に対する期待値が高すぎ、そもそも自分の目線でしかものごとを判断していないわけです。

稼げる人は、相手の仕事の混み具合と能力を勘案して「ちょっと頑張ればできそう!」というレベルで仕事を依頼します。高すぎるレベルや努力がいらないレベルの仕事だと、相手は達成しようという欲求が湧いてきません。

ちょっと手を伸ばせば手が届きそうというレベルの仕事が、達成しようというモチベーションを最も沸かせるのです。(26~27ページより)

ちなみに、仕事を評価する際にも配慮が必要。期待値どおりであれば「よくやった」と、多少ダメでも「がんばった」と認めてあげることが大切だというのです。

仕事を依頼する側は、少し高めの期待レベルでお願いしておきながら、「そのレベルでできなければ未達成」というようにマイナスの評価をしてしまいがち。

しかし、結果的に相手が「それなりにちゃんとやったのに、マイナスの評価をされた」と受け取った場合、以後は同じような仕事を受けてくれなくなる可能性が出てくるわけです。

「ここをこうやったら次回はもっとよくなるね」というアドバイスは、プラス面が中心になるため、相手も素直に聞いてくれるもの。

ところが高めの期待値からだと「ここが期待に満たなかったから、次回はちゃんとして」と、マイナス面を強調したアドバイスになってしまいます。

すると相手はアドバイスを受け入れてくれず、そればかりか「この人の仕事は受けたくない」と感じてしまうということ。

それを理解しているからこそ、稼げる人は必要以上に期待値を上げないというのです。

そして、期待以上の結果を出してもらえた場合は相手に「感謝」する。そうやって、人をうまく動かしているわけです。(26ページより)

稼げる人は「期日を守り」、稼げない人は「期日を決めない」

人は期日を決めない限り、ついダラダラと行動してしまうもの。無意識のうちに、まるで無限に時間があるかのような勘違いをしてしまいがちだからです。

しかし期日を決めれば、そこから逆算して計画を練ることが可能になり、「いまやる行動」が具体化します

そのため稼げる人も、「期日を切り、期日を守る」という当たり前のことを徹底しているのだそうです。

なお相手がある場合でも、期日をこちらから提示して決めていくことは重要。それは決して失礼には当たらず、むしろ喜ばれるのだといいます。

「何月何日の何時に提出します」と時間まで締切を決めておけば、相手も自分の予定と時間を管理しやすくなるからです。

とはいえ、期日を決め、実際に作業に入ってみると、予定どおりに進んでいるのかどうか、わからなくなることもあります。

そこで、最終期日の他に、作業の要所要所に期日(マイルストーン)を設定します。細かい期日で確認することで、進捗がつかめるのです。

また、遅れている場合はリカバーするプランを用意し、スケジュールに反映します。(31ページより)

稼げない人は、ここを「気合い」で乗り切ろうとするのだそうです。最初から最後まで、体力と気力が続く限り作業し続けるわけです。

そして、なんとか最終期日に間に合わせることができた自分を「稼げる人だ」と勘違いしてしまうというのです。

しかし本当に大事なのは、期日に間に合わせるため、「なにができないか」「どうすれば間に合うか」を考えて折り合いをつけること

当然ながらそれは、自分の力量を正しく把握しない限りできることではありません。

さて著者は、この考え方を「成長」という尺度でも捉えています。

たとえば期日を切り、それを守ることが大事だとわかっていても、期日を設けたがらない人は少なくありません。そして仕事ができない人はそんなとき、「スキル不足」「情報不足」「時間不足」を言い訳にするもの。

でも、本来、「できないことをやるから、スキルが鍛えられる」のだと主張しているのです。

当然のことながら、周囲はこちらが成長するまで待ってはくれません。したがって成長のタイミングを捕まえるには、行動するしかないわけです。

そして行動するには、締め切りを決めて計画に落とし込むしかありません。

「時期尚早」「私にはまだ早い」などとタイミングを見計らっていると、あっという間にチャンスは逃げていってしまうもの。

必要なスキルや情報は、動きながら身につけていくのがいちばんだということです。(30ページより)


著者は国内外の大企業から中堅企業まで、600社以上の働き方と人事の改革に従事する人事・戦略コンサルタント。

そうした実績を軸に、本書では誰にでもわかりやすいアプローチを行っているわけです。「稼げる人」になるために、目を通してみてはいかがでしょうか?

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印南敦史

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