
大ブームとなったタピオカドリンク。お店には行列ができ、さらに店舗数も軒並み増えていきました。
流行に伴い、乾燥タピオカを扱うスーパーでは品切れが頻発するほど。輸入スーパーでは、「おひとり様ひとつまで」と張り紙をみたこともあります。お店で買って飲む以外に、家で手作りする人も多いのかもしれません。
そんなタピオカですが、ただ煮ればいいというものでもありません。実は意外と奥が深く、あのぷるぷるモチモチの食感、美味しいドリンクを作るにはコツがいります。
そこで今回は、台湾で80種類以上の料理を学んだ筆者が、現地で習った美味しいタピオカの煮方をご紹介します。
用意するのは「乾燥タピオカ」と「三温糖」だけ
ドリンクに入っているあのタピオカは、キャッサバという芋類のデンプンからできています。そのキャッサバデンプンを加熱し丸め、乾かしたものが乾燥タピオカ。本来は無色ですが、カラメルや黒糖で色付けしてあるのがブラックタピオカです。
台湾では、食感が良く茹で時間の短い生タピオカを使うことが多いのですが、日本では入手困難。自宅で作る場合は市販の乾燥タピオカを煮て作ります。
材料(1人分)
乾燥ブラックタピオカ……25g
三温糖……小さじ2
作り方(調理時間:約1時間)

1. 片手鍋の2/3くらいに水を入れて火にかけ、沸騰したら乾燥タピオカを入れます。
(今回は台湾の乾燥タピオカを使っているため、日本のものと比べると白っぽい色をしています)

2. タピオカを入れたら中火にし、50分くらい煮込みます。

3. その後、火を止めて蓋をして10分程度蒸らします。
※しっかり蒸らすことが美味しく仕上げるコツです。

4. タピオカをザルにあげてお湯を切ってからボウルに入れ、熱いうちに三温糖を加えます。
※ここで必ず糖分を加えてください。これをしないと甘いドリンクと一体化せず、ゴムをかんでいるような食感になってしまいます。

5. よく混ぜてそのまま冷まします。
※冷蔵庫に入れると固くなるので、必ず室温で冷ましてください。
6. 完全に冷めたらタピオカをグラスに入れます。
7. ドリンクを注ぎ、氷を浮かべ、タピオカストローを挿せば出来上がり。
タピオカを煮るときは少量がオススメ
今回紹介したのは1人分の分量。美味しいので、もっと飲みたいと2〜3人分、もしくはそれ以上作りたくなってしまうかもしれませんが、あまりおすすめはできません。
実は、煮上げたタピオカの賞味期限は、6時間ととても短いのです。それ以上時間が経ったり、冷蔵庫に入れたりするとあのモチモチ感が失われ、なんとも残念な食感になってしまいます。
とはいっても台湾にならってたっぷり大容量にしてあるので、2人で飲むにもちょうどよさそう。家族が多い方はこの点をふまえてレシピの分量を掛け算してみてくださいね。
私が現在住んでいる台湾は、ドリンクスタンドがとても多く、様々な飲み物が流行し、その移り変わりも早いと感じます。そんな中で、タピオカドリンクはどのお店にもある定番の存在。国民的ドリンクと言ってもいいくらい。
環境問題に配慮し、専用の太いマイストローを持っている人も多く、先日私もゲットしたばかりです。

どんな飲みものも受け入れてくれるのがタピオカの魅力。
意外なところだと、コーヒーとミルクティーを混ぜたものや、ヤクルトと緑茶のミックスなんかも合うんですよ。
ぜひ皆さんも、タピオカを美味しく煮て、お好みの飲みものでオリジナルのタピオカドリンクを作ってみてくださいね。
レシピ・文/小河知惠子(オガワチエコ)
台湾料理研究家。雑誌や書籍、テレビ等のレシピ作りや料理コラムで活躍中。著著書に『おにぎらずの本』(泰文堂)『スティックオープンサンドの本』等。2017年、台湾に料理留学。80種類以上の台湾料理を習得。2019年夏から3歳の息子と台湾親子留学中。
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Photo: 大崎えりや、小河知惠子
小河知惠子