表情から相手の感情を読みとる力を上げて、コミュ力を高めよう
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表情を見て相手の感情をイメージする能力は、社会生活のさまざまなシーンで求められるもの。
特にビジネスシーンでは、感じたことを素直に表情に出してくれる人ばかりではありません。
だからこそ、「いい反応」「いまいちな反応」が見極められたら、アクションの方向性を見誤らずに済みます。
そこで今回は、Psychology Todayに取り上げられていた研究で、表情から感情を読みとる力を磨くためのヒントとなりそうなものをご紹介します。
後半では、表情から感情を読みとる力の自己診断方法やトレーニング方法もお伝えしますよ。
感情と顔を認識する力は相関している
ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学)の研究チームが行った研究から、表情から感情を読みとる力が高い人は、顔を見て「この人」と認識する力も高いことがわかったようです。
研究では18~87歳(平均年齢54歳)の参加者(男女比は半々)605人に、表情からの感情認識テストと顔認識テストを実施してもらいました。
表情からの感情認識テストでは、「基本6感情(恐怖・怒り・悲しみ・幸福・驚き・嫌悪感)」の表情を見て、感情を正しく読みとれているかを測定。
顔認識テストでは、正面や側面などさまざまな角度から見た顔を見て同一人物と認識できるかを見ました。
結果は、表情から感情を読みとる力と顔を認識する力の間には、高い正の相関が見られたとのことです。
ちなみに、テストの成績に大きく影響を与えそうな、非言語性知能と視覚的短期記憶能力の差はあらかじめ取り除いて分析しています。
また興味深いことに、表情から感情を読みとる力が高い人は、特に恐怖、悲しみといったネガティブな感情を読みとるのに長けていたようです。
あなたの「顔を認識する力」はどのくらい?
ところで、自分がどれくらい正しく感情を読みとれているかについては誰も教えてくれません。
表情から感情を読みとる力が顔を認識する力と相関しているとすれば、顔の認識能力を測定することで感情を読みとる力がどれくらいかの目安になりそうです。
顔認識能力のテストにはさまざまなものがありますが、パソコンのブラウザから行える「ケンブリッジ顔記憶テスト(Cambridge Face Memory Test)」は、手軽に行なえておすすめです。
こちらのページから、自分の情報が保存されることに同意したら、年齢・性別・国籍などを入力してテストスタート。
はじめに、記憶する顔の画像が表示されます。その後、複数の人の画像が表示されるので、はじめに覚えた顔と一致する人物の番号を選ぶ…といった手順で進められます。
進んでいくにつれて、だんだん問題は難しくなっていきますよ。
映画や写真を使って感情を読みとる力を鍛えよう
顔の認識能力をトレーニングすることで、表情から感情を読みとる力を上げることもできる可能性があります。
研究を紹介しているPsychology Todayの記事では、Amazonプライムの動画を利用して顔の認識能力を鍛える方法を提案しています。その方法は次のようなものです。
【顔の認識能力を鍛える方法】
1. 見たことのないドラマや映画を適当に選んで再生する(有名な俳優が多く出演する作品がおすすめ)
2. 登場人物が出てきた瞬間に一時停止して俳優の名前を答える(海外ものでメイクをつくりこんでいるもののほうがやりがいがあるかも)
3. キャスト紹介やIMDbで調べて答え合わせ
Googleフォトを使って友人と問題を出し合うのもよいかもしれません。
Googleフォトの「人物アルバム」には、AIには判別できても人には認識しづらい写真もあるかと思います。
普段から映画やドラマをみるときには、素早く「あの俳優だ!」とわかるようにすることを意識しましょう。
こうした感覚をアクティブにしておくことで、気づけばコミュニケーションが円滑になっている…というのが理想的です。
そのころにもう一度、顔認識テスト(できれば別のテストで)で自己診断してみるのもいいでしょう。
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Image: lassedesignen/Shutterstock.com
Source: Psychology Today, University of London, IMDb
山田洋路