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慎重すぎて決断できない部下・上司の傾向と対策|スムーズに働くコツ

慎重すぎて決断できない部下・上司の傾向と対策|スムーズに働くコツ
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ビジネスパーソンにとって、職場の人たちとの人間関係の悩みは切っても切れないもの。

人それぞれ価値観や優先順位は違うのはわかっていても、つい「イラっ」とすることもあるでしょう。

エニアグラムで苦手な人ともうまくいく

ですが、人の性格を分類する理論「エニアグラム」を理解することで、職場の人間関係が格段にスムーズに運ぶと説くのは、産業カウンセラーなどを務める片桐あいさんです。

エニアグラムは、およそ2千年も前に生まれた帝王学を源流とするそうで、今ではスタンフォード大学のMBAコースで教えられているほか、日本でも多くの企業が採り入れています。「名前は聞いたことがある」という人も多いでしょう。

片桐さんは、著書の『職場の「苦手な人」を最強の味方に変える方法』(PHP研究所)で、このエニアグラムに基づいた各性格タイプを解説し、タイプ別に苦手な人への対応策について論じています。性格タイプは、「自己流完璧主義タイプ」「おせっかい・干渉タイプ」など9種類。

日本人に一番多い!?風見鶏タイプってどんな人

すべてのタイプについて言及すると長くなりすぎるので、ここでは「日本人にいちばん多いタイプ」という「石橋を叩いて渡らない・風見鶏タイプ」(タイプ6)の傾向と対策を紹介しましょう。

日本人に多いタイプ6の性格特徴 片桐さんによれば、このタイプは「組織や上司に忠実で、与えられた役割に応えようと必死に努力する人」だそうです。

そのため、職場では頼りになる部下・上司として存在感を発揮します。

ただし、それは自分を支持してくれ、最終責任をとってくれる人がいるという条件付き

また、自分で決断することが苦手という側面も。

その根底にあるのは、不安感。

「頭の中につねにリスクが浮かび、不安を感じている」ため、可能性のほとんどないリスクを想定して、行動に制約がかかってしまう傾向があるそうです。

部下がタイプ6だったら

片桐さんは、タイプ6の部下を持ったならば、「安心してチャレンジできる環境づくり」に配慮するようアドバイスしています。

それには、特別な役割を持たせ、その内容を明確にするのが大事。

例えば、「あなたの組織のなかでの役割は、〇〇です。その役割を果たすうえでの優先順位は、〇〇、△△、◇◇です」というふうに伝え、関係者に向けてアナウンスし、サポート体制も万全にします。

そうすれば、その役割をまっとうすべく努力してくれます。

逆にそれがないと、指示待ちになったり、過度に慎重になったりと、マイナス面が表面に出てしまいます。ひどい場合には、逆ギレすることも。

それを避けるために、彼らが安心できる場を作ることに留意します。

上司がタイプ6だったら

逆に、上司がこのタイプであれば、どうすべきでしょうか?

本書には、典型的なタイプ6の上司との会話の例が記されています。

上司「〇〇さん、先週の定例役員会についての報告がなかったけど、どうなってる?」

あなた「その件は、議事録を書いてメールしておきました」

上司「あの議事録だけでは、今後、私が何をすればいいかわからないよね?」

あなた「いちおう、前回の会議で出た議題についてはすべて網羅していますが…」

上司「いや、準備が足りない! 役員会に関しての私の立ち位置を理解している? 役員に信頼されて呼ばれているのに、万が一でも役員の質問に答えられなければ、私の役割を果たせないだろ!(怒)」(本書103pより)

タイプ6の上司は、自分の役割を果たすことに全力を尽くします。

しかし、この会話では、役員会で報告するには情報が足りないと感じており、不安になります。

こうした場面を未然に防ぐには、

上司の心配事を聞き出し、自分なりの解決策をいくつか立てたうえで、リスクを避ける提案をしてみましょう。

提案が難しい場合は、上司には見えていない環境の情報を伝えるだけでも、判断材料が増えるので、安心してもらえます」と、片桐さんは述べます。

上の会話の例だと、役員会に備えてできることを一緒に考える積極的な姿勢を見せれば、上司の不安は解消し、部下への信頼感も増します。

相性がいい人だけでは仕事上の成長がない

タイプ6の例で見たように、自分と関わりのある人たちが、9つあるタイプのどれなのかを知ることで、日常業務が滞りなく進むように改善できます。

ですが、自分の相性の良いタイプを周囲に固めてしまうと、居心地は良いかもしれませんが、「仕事上の成長がない」と片桐さんは指摘します。

時には、相性の悪い人がチームに入ってくることで、業務改善への気付きが得られるかもしれないとも。

理想は、チーム内に9つの全部のタイプが存在すること

各メンバーが互いにほかのタイプのいいところを学び合え、チーム全体の強化が期待できます。

それが無理でも、「判断・行動する際に本能を優先する、タイプ1、8、9」、「自分の感情を優先する、タイプ2、3、4」、「頭で計算したことを優先する、タイプ5、6、7」から1名ずつ集めることがすすめられています。

さらに、個人レベルでも、自分とは違うタイプのいいところを取り入れようと努めることで、人間力が高まっていくそうです。


このようにエニアグラムは、性格を類型化するだけの占いのようなものでなく、職場の人間関係を良くしてコミュニケーションロスを減らし、業績を向上させる効果的なツールなのです。

本書は、専門的な話を極力排した平易で実践的な内容なので、これからエニアグラムを学びたい方にはおすすめの1冊です。


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Image: Shutterstock.com

Source: 『職場の「苦手な人」を最強の味方に変える方法』PHP研究所

鈴木拓也

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