イライラ・モヤモヤを抱えた子どもには、理由を聞いてはいけない
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何やらブツブツ言いながら算数の宿題を始めた我が子。開始5分後に、怒って鉛筆を投げ捨ててしまいました。
親であるあなたは、「どうしてそんなにイライラしているの?」と聞きたくなるでしょう。
幼稚園にお迎えに行ったら、我が子の頬に涙のあとが。「なんで泣いてるの?」と聞いてしまうかもしれません。
もちろん、あなたの質問に悪意はありません。
何らかの辛い感情に対峙している子どもを前に、その原因を知り、取り除いてあげたいと思うのは、親として当然の気持ちです。
でもその質問は、真相に辿り着けないばかりか、子どもをいっそう身構えさせてしまうかもしれません。
理由を聞くと事態は悪化する
The Gottman Instituteの記事によると、子どもがイライラしている時にはその理由を聞いてはいけないそう。
この考えは、Adele FaberとElaine Mazlishの共『How to Talk So Kids Will Listen & Listen So Kids Will Talk』(子どもが聞いてくれる話し方&子どもが話してくれる聞き方)に基づくものです。
その場で自分の感情を説明できる子もいるかもしれませんが、多くの子はできません。
そんな子に理由を尋ねたところで、事態を悪化させるだけです。もともとの苦難に加えて、その理由を分析して合理的な説明を求められているのですから。
子どもはたいてい、自分の感情の原因などわかりません。
仮にわかったとしても、その理由が大人に認められないこと(「そんなことで泣いてるの?」)が怖くて、言いたがらないケースがほとんどです。
つまり、理由を尋ねることは、相手を吊るし上げて、その感情を正当化してみせよというメッセージを送っているのと同じなのです。
友人との会話に置き換えて考えてみよう
友達から急に電話がかかってきたと思ってください。あなたはまず、「なんだか怒っているみたい。何かあったんだね」と言いませんか?
質問をするにしても、「何かあった?」「どうしたの?」と聞く程度で、「なぜ怒っているの?」とストレートに理由を聞くことはしないでしょう。
相手がその感情を抱えている理由は、そう感じているからにほかならないのです。
まずは共感し、安心感を与える
筆者自身、この点に関しては反省です。
イライラして鉛筆を投げ出した我が子には、もっと注意深く言葉を選んであげなくちゃいけませんね。「今日の宿題はいつもより難しいみたいね」といった具合に。
そうすれば、子どもは感情を認めてもらえたことに安心し、話し始めるプレッシャーが下がります(「こんな大きな数のかけ算は難しすぎるよ!」と理由を話してくれるでしょう)。
そんなわけで、逆説的ではありますが、子どもがタフな感情と戦っているときは、「なぜ」を減らしたほうが真相に近づけます。
それだけでなく、子ども自身にも、自分の感情を理解してもらえているという安心感が生まれ、事態の解決が近づくでしょう。
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Image: Sharomka/Shutterstock
Source: The Gottman Institue, Amazon
Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文]
訳:堀込泰三