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ベストセラー作家が説くSNS時代に注意すべきコミュニケーションとは?

author ぬえよしこ
ベストセラー作家が説くSNS時代に注意すべきコミュニケーションとは?
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『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』『天才! 成功する人々の法則』などの著作があるマルコム・グラッドウェル氏の新作『Talking to Strangers: What We Should Know about the People We Don't Know』がアメリカで9月10日に発売になりました。

見知らぬ人、他人とは?

他人と話すとハッピーになれるという記事を書いたところでしたので、『Talking to Strangers(他人と話す)』というタイトルに特にひかれました。

グラッドウェル氏はイギリスの「エコノミスト」紙によるインタビューで「stranger(見知らぬ人、他人)」をこう定義しています。

Video: YouTube

他人というのは、その人の考え方や経歴や文化や伝統などについて限定的にしかわかっていない人のことです。もっとおもしろい別の言い方をすれば、一面しか知らない人が他人だと言えるでしょう。

上記エコノミスト動画より(0:11〜0:30)

他人=一面しかわからない人」という定義にすごく納得しました。

たとえば、スーパーの店員さんは、わたしにとっては「スーパーの店員」、向こうにとってはわたしは「常連客」という一面でしか理解されていないのです。

アメリカ在住のわたしが公共の場にいたなら、おそらく他人が認識するのは「アジア系中年女性」ということだけ。

そして、そこから他人が導く印象やステレオタイプがあるわけです。

もちろん、逆もしかり、わたしも他人に対してステレオタイプを抱いているのです。

「他人の話を本当だと思う」心理

NPR」によると、この本でグラッドウェル氏は「Truth-default theory」という理論を紹介しています (動画ではdefault to truthと呼んでいます)。

これは、アラバマ大学のティム・レバイン教授が提唱しているもので、わたしたちが他人と話すとき、怪しい部分があっても相手が話していることが本当だと信じる傾向があるそうなのです。

グラッドウェル氏はこの理論をアメリカ国内での事件や歴史上の大事件などに当てはめ、他人とのやりとりで誤解が生まれ、ややもすれば大悲劇につながる可能性があると論じています。

一面でしか理解していない人たちとやりとりするとき、知っている人が相手である場合とは違う対応をすることがあり、状況が悪化する可能性があります。

「相手の話が疑わしいと思ったなら『他人の話が本当だと信じる』傾向に背を向け、自分の勘を信じて行動することも大事だ」とグラッドウェル氏は述べています。

SNS時代だからこそ要注意

グラッドウェル氏は、「SNSを通じてよく知らない多数の人とつながることが増えている現在だからこそ、この本を書きたかったのだ」とインタビューで述べています。(上記動画10:23〜11:20)

わたしたちはSNSでつながっている人たちのことをどのぐらい知っているでしょうか?

フォロワーや友だちの多くがグラッドウェル氏がいう他人の定義に当てはまるのではないでしょうか。

同時に相手にとっても自分は、一面的にしかわからない他人にすぎないのです。その認識は大事だと感じました。

新しい視点をもらえる新著

『天才! 成功する人々の法則』では、1万時間を費やせばその道のプロになれると説いたグラッドウェル氏、のちに1万時間も費やさなくてもいいとその説は覆されました。

だから、彼の説が正しいかどうかというよりも自分がこれまで思いもしなかった新しい視点が示されるのが楽しみです。

おたがいに一面的にしかわかっていない者どうしのやりとり。

その事実を念頭に置いた上で交流してハッピーな一瞬が共有できるのか、それとも誤解が生じて気まずい思いをすることになるのか。

どんなフィルターを通して相手を見て、解釈しているのでしょうか。

フィルターがあることに気がつければ、そこから一歩踏み出して、または一歩距離を置いて落ち着いた対応ができるかもしれません。

さっそく『Talking to Strangers: What We Should Know about the People We Don't Know』を読んでみます。


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Image: Shutterstock.com

Source:NPR, YouTube,Little, Brown and Company

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