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「折れないこと」を期待しない。心が強い人のメンタル回復術

「折れないこと」を期待しない。心が強い人のメンタル回復術
Photo: 印南敦史

最初から強靭なメンタルを持っている人など、世の中にいません。もっと言えば、この本を読んだからといって、今後あなたの心が折れなくなることもありません。むしろ、これからもたくさん心を折ってください。

(中略) 多様な人間関係に向き合うことが必須の現代社会で、心が折れないことなんか期待しても、まったくの無駄です。 それよりも大事なことは、あなたが「折れかけた心を回復させる方法」を知っているかどうかです。(Prologue『心は折れていい。大事なのは、その先だ』より)

こう主張しているのは、『心が強い人のシンプルな法則 ~ゼロから立ち上がれる人は、何をしているのか~』(権藤優希 著、きずな出版)の著者。

こうした考え方に基づいて、本書では、心が強い人がどうやってメンタルを回復させているのか、ゼロから何度も立ち上がれる人はなにをしているのか、その方法や考え方、習慣を紹介しているのです。

そのから、きょうはChapter 3「強い自分を作る『セルフコントロール』」に焦点を当ててみたいと思います。

書くことで、テンションが下がっても復活できる

朝起きたときにはやる気があったとしても、ひとたびテンションが下がる出来事が起こると、人は簡単にやる気をなくしてしまう生き物。

そんなとき、心が折れかけた自分を本来の状態に戻す方法として著者が実践してきたことがあるのだそうです。

それは、朝起きたら最初に、「きょう過ごしたい理想の1日を書き出してスタートする」という習慣。

そうすれば、その日に嫌なことがあったとしても、「きょうの理想はこうだったはずだぞ。忘れたのか?」と思い返すことが可能に。

すると、「そうだった。やはり、きょうはこう生きよう」と、下がるテンションに左右されることなく、メモした理想を生きるために動き出せるというわけです。

ちなみに、著者の習慣は以下のとおり。

・ 夜、シャワーを浴びながら、今日の反省と明日のスケジュールを考える

・ 明日の予定を思いながら、明日着る服も同時に考える

・ 明日の戦略を考えながら、眠りにつく

・ 朝起きたら、まず紙とペンとコーヒーを用意し、今日のスケジュールと、着地・戦略などを考える(20分間、ぼーっとしながらでもOK)

(70ページより)

きょうという日に強い念を送れば送るほど、「ま、いっか」がなくなるものだと著者はいいます。

逆にいえば、もし行き当たりばったりの毎日になっているのだとしたら、それは「この1日をどう生きよう」という念が弱いからだということ。

だからこそ、書くことが大事だという考え方。書くことに毎朝20分の時間を費やすだけで、最高の心の状態を維持できるというのですから、試してみる価値はありそうです。(68ページより)

いいメンタルを保つ4つのセルフコントロール法

著者はここで、書くこと以外にも「心を良質な状態に保つためのセルフコントロール法」を4種類紹介しています。それぞれを見てみましょう。

①気持ちの完了を知らせる「チャイム効果」を使う

授業の終わりには、必ずチャイムが鳴るものです。話が途中であったとしても、どれだけ盛り上がっていても、チャイムの合図と同時に先生にも生徒にも気持ちを切り替えさせ、強制的に終わらせるわけです。

この[完了]を知らせる仕組みを強制的につくることで、メンタルを切り替えることができるのだそうです。

たとえば携帯のアラームを2時間後に設定したり、YouTubeで2時間の音楽を再生します。そして、「嫌なことが続いたのでこの2時間は集中して落ち込んでみよう」「この時間はダラダラ過ごそう」と決めて落ち込むようにする。

2時間後、終了と同時に(チャイムの合図とともに)、その気持ちを完了させるのです。(82~83ページより)

人は落ち組むと、さらに落ち込んでいくもの。著者によればそれは、ダラダラといつまでもネガティブな感情を引きずっている自分が嫌になっているから。

いっぽう、「嫌なことを続けない」ということは、メンタル維持に効果があるといいます。いわば、自分のなかにルールをつくってしまうことが大事だということです。

②読書をする

ここで著者は、いいことば、ポジティブなことばに触れることで、良質なメンタルを維持しようと訴えています。そして、そのためにもっとも効果的な方法が読書。

読書をすることで、心が落ち着き、心が整います。 さらにモチベーションも上がります。 とくに心が折れかけているときは、がっつりと気合を入れて読まなくてもいいので、ぼーっと眺めるように読んでください。(82ページより)

そのなかで光るフレーズを1、2個でも見つけられたら、その本は自分にとっていい本だというわけです。

③スキップをする

人は体を動かしていると、気持ちが下がることはないそうです。たとえばスキップをするのは、もっとも簡単なメンタル維持の方法のひとつだとか。

人は、行動に感情がついていきます。 気持ちによって行動するか・しないかを決めるのではありません。 行動によって、気持ちを決めるのです。

無意識に過ごしていると、どうしても感情から行動を選択してしまうのが、私たち人間です。だからこそ、行動から変えてしまうのです。(83~84ページより)

さらに外で運動をすると日光を浴びられるため、心も前向きに。あるいは大声を出すのもいい方法だといいます。

つまりは体を動かしたり、大きな声で歌うことで、気持ちが上がるということです。

④泣いたり笑ったり、人間らしく過ごす

心が折れかけたときは、とにかく笑うべきだと著者。

そうすればストレスが緩和され、幸せ物質といわれる「セロトニン」「ドーパミン」「エンドルフィン」などの物質が分泌され、ポジティブ思考になれるというわけです。

同じように、泣くことも効果的。泣くことで緊張モードの交感神経から、リラックスモードの副交感神経に切り替わるのだそうです。

いずれにしても感情を押し殺すのではなく、ときにはむき出しにしてみることも大切だという発想です。(80ページより)


シンプルでわかりやすい内容なので、肩肘を張らずに読み進めることができるはず。心を強くしたいという思いがあるなら、参考にしてみてはいかがでしょうか?

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Source: きずな出版

印南敦史

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