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睡眠トラッカーが引き金? 完璧を求めすぎて不眠になっていませんか

睡眠トラッカーが引き金? 完璧を求めすぎて不眠になっていませんか
Image: Shutterstock.com

皆さん昨晩はぐっすり眠れましたか? そして今朝はすっきりと目覚められましたか?

近年良質な睡眠の重要性が叫ばれて久しく、より良い睡眠を求めて寝具や睡眠トラッキングアプリやデバイス、睡眠環境に神経をとがらせている人も少なくないでしょう。

ただ睡眠に気をつければ気をつけるほど、より不眠に陥ってしまう人が近年増えているとHealthが伝えています。

睡眠ウェアラブルデバイスを使ってみたものの

かく言う私も、30歳を過ぎた頃からぐっすりと眠れなくなり睡眠についてリサーチの日々が始まりました。

パジャマや寝具はもちろん、寝室の室温湿度に、照明や音、光。食事や飲み物にまで気を配り始めた私は、最近とうとう睡眠ウェアラブルデバイスを購入したのです。

時計のように装着し、アプリと連動させるだけで睡眠の星5つで総合評価をしてくれるというもので、これでますますよい睡眠が手に入る!と喜んでいたのですが…。

翌朝アプリで星が4や5とついた日はほっと一安心するものの、星が3を切った日にはさぁ大変です。

感覚的には朝すっきりと目覚めたつもりでも、やっぱりすっきりしてないかも?と気になりはじめてしまい、仕事や家事に集中できなくなる日も。

なんだか本末転倒なこの状況、実は新たな不眠障害として多くの人を不眠に陥れている深刻な問題となりつつあるのです。

完璧な睡眠を追い求めすぎて「オルソソムニア」に

Northwestern大学で神経学助教授を務めるAbbot医師は、これまで睡眠障害を抱える患者を10年以上に渡って診療してきましたが、ここ数年これまでにないケースが多発していると警鐘を鳴らしています。

それはかつてからよくある不眠症状ではなく、睡眠時に着用している睡眠デバイスの評価がとにかく気になってしまい、それがストレスにとなって不眠を引き起こしている、というもの。このように、完璧な睡眠を求めすぎて日常生活に支障をきたしてしまうことを「オルソソムニア(orthosomnia)」と言うのだとか。

睡眠追跡デバイスは、正確ではない!?

アメリカでは国民の約10%が睡眠を追跡するためのウエアラブルデバイスやトラッカーを利用していると言われています。

日本でも睡眠への意識の高まりから年々利用者は増加していますが、医学的にみると、いわゆるこうしたデバイスの記録や分析は正確ではないため、100%信頼してしまうのは危険だそう。

例えばスマホ片手にベッドに寝転んでいる際、あまり腕や手を動かさずに画面を見ていると、こうしたデバイスはその状態を浅い睡眠状態にある、というふうに判断してしまうのです。

睡眠追跡デバイスの評価が良くないことから自分が不眠であると申告してきた患者が、実際に研究所で睡眠テストを行うと実は平均よりもよく眠れているという結果が出たというケースも。

不眠だと申告してくる患者には、朝すっきり起きられているかどうか、夜通し目が冴えてしまっていないかどうか、1日中疲れを感じた状態でないかどうか、などが重要なチェックポイントとされていますが、睡眠追跡デバイスの評価に気を取られすぎていないかどうか、これが最近だと非常に重要なウエイトを占めるのだとか。

本当の不眠の引き金となることも

Arizona Center for Integrative MedicineのNaiman医師によると、デバイスが示す理想の睡眠時間にとらわれてしまって無理やりベッドの上で過ごそうとしてしまうと逆にぐっすり眠りづらくなり、その状態こそが本当の不眠状態への予備軍となるのだそう。

ベッドに入っている状態で20分も30分も眠れないまま、それでも何とか無理やり眠りにつこうとするその行為こそが最も不眠に近づき、危険だと下記の記事でも指摘しています。

眠れない。不安で目が醒めるメカニズムとその対処法

重要なのは、デバイスにコントロールされないこと

とはいえ、そうしたデバイスが全くの悪者、というわけではありません。

夜更かししがちな人にとっては睡眠時刻をアラートしてくれることで充分な睡眠を確保できるように注意を促してくれるツールとなりますし、デバイスが教えてくれる同じ年代の平均睡眠時間を知ることは良いことですから。

ただしかえってその平均数値を気にしすぎるとまたしても本末転倒な状況に陥るため要注意です。

重要なのはこうしたデバイスにコントロールされるのではなく、自分がコントロールする側であることを忘れないこと。

デバイスの示す評価はあくまでも目安として、ストレスを感じない程度に活用してみましょう。

私はしばらくデバイスを外して眠ってみたところ、なんと夜は一度も目覚めることなく朝はすっきり起きられました。デバイスの評価を気にする、といったプレッシャーから解放され、ストレスがなくなったように感じます。

結局デバイスは現在、昼間は歩数をカウントするために、夜は週に数回睡眠時に使用する程度にしています。

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Image: Shutterstock.com

Source: Health

saori

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