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「お金があれば幸せになれる」と思ってませんか? そう簡単じゃないみたい

「お金があれば幸せになれる」と思ってませんか? そう簡単じゃないみたい
Photo: 印南敦史

一瞬で人生を変える お金の秘密 happy money』(Ken Honda 著、本田健 訳、フォレスト出版)は、構想に20年、執筆に3年もの歳月がかけられた話題作。

シリーズ累計で800万部近くの本を送り出してきたというベストセラー作家による、初の英語書き下ろし作品です。

『Happy Money』には、私が長年にわたって、たくさんの方々から学んだことや、たくさんの方々に伝えたことのエッセンスが詰まっています。 これまで、実の多くの皆さんから次のようなご質問をいただきました。あなたがこうした問いに答えを出せるよう、私がお手伝いいたしましょう。

◎ お金とどう付き合えばいいのか?

◎ 大きな犠牲を払わずに、収入を増やせるか?

◎ 生きている間に、心の安らぎを得られるか?

◎ 幸せで充実した人生、豊かで生きがいに満ちた人生を築くには、何をしたらいいのか?

答えは、この本の中にあります。 (「まえがきーーあなたのお金はニコニコ笑っていますか?」より)

しかし、そもそも「Happy Money」とはどのようなお金のことをいうのでしょうか?

そうではないお金との間には、どんな差があるのでしょうか?

そのことについて解説されている「はじめに」のなかから、重要なポイントを引き出してみたいと思います。

Happy MoneyとUnhappy Money

お金には2つの種類、すなわち本書のタイトルにもなっている「Happy Money」と、「Unhappy Money」があるのだといいます。

「Happy Money」は、10歳の男の子が母の日にお母さんに花を買うようなお金

子供がサッカーやピアノを習えるように、両親がコツコツ貯めたお金もこれにあたるそうです。だとすれば、決して特別なお金を指すものではないと言えるのかもしれません。

事実、普通のお金が「Happy Money」に変わるケースはいくらでもあるのだといいます。たとえば、次のような場合。

◎ 経済的に苦労している家族に、お金の援助をする。

◎ 台風や地震の被災者に、少しばかりの寄付をする。

◎ クッキーを売って、ホームレス施設のための寄付をする。

◎ 社会に役立つビジネスや社会事業に投資する。

◎ 満足したクライアントから料金を受け取る。

(27~28ページより)

つまり愛情や思いやり友情を伴ったかたちで流通しているお金は、どれも「Happy Money」。

この種のお金は人々を笑顔にし、「自分は愛されている」「とても大事にされている」と感じさせるというのです。

いわば人は「Happy Money」を通して多くの点で、愛情のかたちを見たり感じたり、触れたりすることができるというわけです。

ここで注目すべきは、著者が「お金は、お金にしかできないようなかたちで、人を助けることがある」と記している点です。たとえば、そのいい例が火事。

火事で家を失うという困難に見舞われたとき、「祈り」や「励ましのことば」がどれだけ届けられたとしても、その家族にとってはある程度しか助けにはならないでしょう。

しかし現実問題としてお金があれば、彼らのために食べ物を買い、一時的に家を提供し、立ちなおることを助けることができます。

それは、「祈り」や「励ましのことば」にはできないことでもあるはずです。

一方、「Unhappy Money」とは、家賃や請求書、税金などをしぶしぶ払うために使うお金のこと

説明するまでもなく、私たちは誰もが、さまざまなかたちの「Unhappy Money」を見聞きしています。たとえば、以下のような。

◎ ひどい離婚のあとに、慰謝料としてお金を払う、あるいは受け取る。

◎ 好きな仕事ではないのに、辞められないまま、会社から給料を受け取る。

◎ クレジットカードの分割払いのお金を、イヤイヤ返済する。

◎ あなたにお金を払うことを不快に思っている人ーーたとえば、「あなたにはこのお金を受け取る資格がないが、契約した以上はとにかく支払います」といった不満を抱えた顧客などーーからお金を受け取る。

◎ 相手がどんな人であれ、人からお金を盗む。

(29ページより)

このように、不満や怒り、失望を伴って流通しているお金は、どれも「Unhappy Money」だという考え方。

この種のお金は人々にストレスを与え、絶望させ、イライラさせ、落ち込ませ、ときには暴力的にさせたりもするもの。そして人々から、品位や自尊心、やさしい心を奪ってしまうわけです。

そして、もしもネガティブなエネルギーを抱えながらお金を受け取ったり使ったりしたとしたら、そのお金は必ず「Unhappy Money」になるものだといいます。

しかも受け取ったとき、使うときに、イヤな感じがするのが「Unhappy Money」の特徴。イライラしたり気分が悪くなったり、意地悪な気持ち、冷たい感じがしたとしたら、それは「Unhappy Money」だということ。(27ページより)

お金の流れを選ぶ

お金に2つの種類があるのなら、お金との関わり方も2とおりあるはず。

「Happy Money」と「Unhappy Money」、どちらの流れのなかで生活するかによって、人生はまったく違うものになるといいます。

重要なポイントは、自分が持っているお金が「Happy Money」か「Unhappy Money」かは、収入や資産の金額で決まるものではないということ。

それは自分の選択次第であり、「Happy Money」の流れに入りたいのであれば、そこに入ることは可能。

その場合は、お金を受け取るときに、「感謝することを選ぶ」だけでいいのだそうです。そして、惜しみなくお金を与え、喜びや感謝を込めてお金を払えばいいということ。

とはいえそれは簡単なことではなく、大抵の人は(本人が気づいているかどうかにかかわらず)すでに自分のお金との不幸な関係に深くはまり込んでいるのだそう。

「Unhappy Money」のあるところには、「Unhappyな(不幸せな)人々」がいるものだと著者は指摘しています。いわば両者は、「切っても切れない関係」にあるのです。

たとえば家族、職場、学校の人たちが「Unhappy Money」の流れに入っているなら、おそらく自分自身も、イライラしていたり、感謝の気持ちのないお金、喜びのないお金の受け取り手になってしまっているということ。

逆にいえば、お金の心配をしたり、お金のことで腹を立てたりすることに多くの時間を費やしてしまうのは、お金との健全な関係を築けていないから

事実、お金の心配で疲れ果て、他のことをするエネルギーがほとんど残っていない人もいるはず。そういう人は余裕を持てないため、他のことに手がつけられなくなるわけです。

しかも貧困層や中流階層の人たちだけがお金の影響を受け、ネガティブなエネルギーに満ちたお金を受け取ったり与えたりしているわけではないのだといいます。

アッパークラスや富裕層の人たちも、お金のネガティブな流れに影響を受けているというのです。

重要なのは、大金を稼いだからといって人生の問題がすべて解決するわけではないということ。そこに気づくべきであり、実際のところ、「理想の人生を築くのに大金は必要ない」と思っている人もたくさんいるそうです。

お金にまつわる過去の心の傷を癒し、お金に対する態度やお金とのつきあい方を改善した人たちは、実際の財産の額がどうであれ、「自分は最高に豊かだ」と思えるようになるというのです。(30ページより)


こうした考え方に基づいて、以後もお金についてのさまざまな考え方が提示されていきます。「Happy Money」との距離感を縮めるために、ぜひとも読んでおきたい一冊です。

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Source: フォレスト出版

印南敦史

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