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仕事が「早く終わる人」と「終わらない人」の違いって?

仕事が「早く終わる人」と「終わらない人」の違いって?
Photo: 印南敦史

真面目で常に一生懸命仕事をしているのに、なかなか成果が出ないという人がいます。一方、いつも気楽そうに見えるのに、高い成果を挙げている人もいます。

仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣』(吉田幸弘 著、あさ出版)も、会社員をしていたころは前者のタイプだったのだそうです。

現在は人財育成コンサルタント・上司向けコーチとして活躍されていますが、講演やコンサルティングの現場では思うことがあるのだとか。

「仕事が多くて、なかなか終わらない」「毎日、仕事に追われてキツイ」などと悩んでいる人たちには、次のような特徴があるというのです。

・ 断ることが苦手で、どんなに忙しくても仕事を請けている

・ 周囲のことを考えてていねいに仕事をしている

・ 相手のために無理な納期でも対応する

・ 資料を案件ごとに、こと細かに作成している

・ 責任感が強く、他の人に仕事を振らず、自分で抱え込みすぎてしまっている

(「はじめに」より)

真面目で気配り上手であるがゆえに、どんどん自分で仕事を増やしてしまっているということ。

そこで本書において著者は、研修や公演、コンサルティングを通して伝えてきた「仕事時間、量を減らす方法」のなかから、特に効果の高いものを抜粋して紹介しているのです。

きょうは第3章「さりげなくて非常に効率的な仕事術」のなかから、2つのポイントを抜粋してみたいと思います。

仕事が終わらない人は常に全力で取り組む

いつも遅くまで残業し、常に全力投球で仕事に取り組んでいる人は少なくありません。

とはいえ、毎日朝から夕方まで、全力を出し続けることは不可能。また、どれだけ完璧にしようとしても、結局はパワーが持たず時間も足りなくなることに。

そのため、どんなに残業しても仕事がたまり続けてしまうのです。

しかし仕事が早い人は、ときに「テキトー」に仕事をするものなのだと著者は言います。

テキトーということばには、サボっているような悪いイメージがあるかもしれません。が、本当の「適当」とは、適正な塩梅を意味するもの。

つまりは重要度に応じて取捨選択したり、優先順位をつけたりすることが大切なのです。

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した「パレートの法則」というものがあります。 20%の顧客が売上の80%の利益を生み出すという内容ですが、これは仕事の量にも当てはまります。

重要な20%の仕事が、80%の成果を生み出しているのです。 ですから私たちは、本当に重要な20%に力を入れて、重要性の低い80%はできるだけテキトーにするべきなのです。(96ページより)

仕事には「こなす」仕事と、「頭を使う」仕事があります。たとえば「こなす」仕事は、伝票作成、報告書作成など。

一方の「頭を使う」仕事が、力を注ぐべき20%の重要な仕事。そのため、「こなす」仕事はテキトーにやっていい、重要性の低い仕事になるということです。

生産性のない仕事は必要最低限、業務の支障にならない程度に「テキトー」にする。その一方、大事な企画書作成や戦略立案、大口顧客へのアプローチなどに力を入れる

つまり、ここぞという勝負が必要な時だけ、全力で取り組む。それをできるのが、優秀なビジネスパーソンの証だという考え方です。(94ページより)

仕事が早く終わる人は記録に頼り、終わらない人は記憶に頼る

記憶に自信を持っている人は、メモを取らなくても覚えられると思っているもの。

しかし、それは大きな間違いだと著者は断言しています。

「エビングハウスの忘却曲線」という有名な理論があります。 記憶はどれくらいのスピードで忘れられていくのかを実験で示したもので、それによると、人は一度記憶したことを20分後には42%も忘れてしまうのだそうです。さらに翌日には、なんと74%のことを忘れてしまいます。

人は忘れやすい生き物なのです。自分の記憶力を過信するのは禁物です。 (120ページより)

だから、「たいしたことではない」という認識があることや、「時間が空いたときにやっておいて」と言われたことなど、優先順位の低いものはすぐに忘れてしまうことになるのです。

あるいは「これくらい覚えていられるだろう」と思っていたにもかかわらず、すっかり忘れてしまってあとから慌てるなどということもあるかもしれません。

しかし仕事が早い人ほど、なんでもかんでも記録を取るのだそうです。

つまり、自分の記憶力をあてにしていないということ。そして記憶することには、次のようなメリットがあるといいます。

1. 集中力がアップする

たとえばA社に提出する見積書を作成しているときにふと、「来月には台湾出張がるから、パスポートを更新しなくてはならない」と思い出したとします。しかし人は一度気になりはじめると、そのことが頭から離れなくなって集中力が落ちてくるものです。

でも、すぐ手帳に「来週○日、パスポート申請」と書いてしまえば安心して忘れることができ、目の前の仕事に集中できるわけです。

2. 仕事が中断しない

迷いながら企画書を作成しているときに、上司から別のお客様の動向について質問されたため作業を中断。上司の質問に答えていたら、あっという間に30分が経過。

ようやく話が終わって作業を再開しようとしたものの、「あれ、どこで迷っていたのかな?」とわからなくなってしまうようなことがあります。

そんな場合も、上司の質問に対応する前に「○○は△△か□□か」などと、自分が迷っていることをちょっとメモ書きしておくことが大切。そうすれば、すぐに思考を元に戻せるからです。

3. 失敗を活かすことができる

「どんな失敗をしたか」を記録しておけば、次に活かすことが可能

たとえば人数が少なかったためにミスが起きてしまったとしたら、同じような仕事が入ってきたときに前回の失敗の記憶を見なおすことができます。

そうすれば、「前回もこの段階で失敗していたな。今回はスタッフを2人増やして進めていこう」というように、同じ失敗を繰り返さずにすませることができるわけです。

4. アイデアを生み出すことができる

仕事のアイデアは、ふとした瞬間に浮かぶもの。ところが「あ、これはいいアイデアだ」と喜んでいるうちに記憶が消え、2度と思い出せなくなってしまったりすることもあるでしょう。

もし、そのアイデアに何百万円、何千万円の価値があったとしたら…。

そんなことを防ぐためには、紙にでもスマホにでもなんでもいいので、メモして記録しておくことが大切だということ。

なお、記録する場所は1か所にまとめるべきだと著者は記しています。

また、1冊のノートに全て時系列で書いていくのが、もっともシンプルで効率がいいのだそうです。日付と照合すればすぐにわかるため、情報を探す時間もかからないわけです。(120ページより)


対照的な両者を比較しながら話が進められていくため、仕事を減らす方法を無理なく身につけることができるはず。

仕事時間が減らないことにストレスを感じている方にとって、大きな力になってくれそうな一冊です。

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Photo: 印南敦史

Source: あさ出版

印南敦史

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