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転職するとき履歴書になにを書く? これからを生き抜く「働き方2.0」

転職するとき履歴書になにを書く? これからを生き抜く「働き方2.0」
Photo: 印南敦史

社会状況が激変するなか、働き方にも「これまでとは違うなにか」が求められていると主張するのは、『新しい一歩を踏み出そう!』(守屋 実 著、ダイヤモンド社)の著者。

具体的には、「会社のプロ」から「仕事のプロ」へと意識をチェンジする必要があるというのです。

「会社のプロ」とはその名のとおり、入社した「その会社のプロ」。仕事に依存しているのではなく会社に依存し、「その会社のプロ」になっている状態だということです。

対する「仕事のプロ」は、担当している「その仕事のプロ」。広報であれば「広報のプロ」、マーケティングなら「マーケティングのプロ」。

つまり、その仕事をしようと思ったとき、クライアントなどから真っ先に思い出してもらえるような人になるということ。

人口減少と超高齢化が同時に起きている我が国においては、これまでの考え方とは違う、新しい一歩を踏み出すことが重要。

そして、その方法のひとつが「仕事のプロ」として意識をチェンジすることだというのです。

今、広報の仕事をしていてやりがいを感じているなら「広報のプロ」を、マーケティング部門で働いているなら「マーケティングのプロ」を目指すのです。

(中略)

プロになるには、ある程度の経験やスキルは必要になるでしょう。 しかし、少なくとも、会社にいながらでも「仕事のプロになろう」と意志を持った時点で、「会社のプロ」とは異なる道、新しい一歩を踏み出したことになります。

「会社のプロ」のままだと会社がコケたら自分もコケてしまいますが、「仕事のプロ」であれば、会社がコケても、これまで経験してきた「仕事」という武器を携え、自らの力で明日からでも勝負できるはずです。 (「はじめに 会社のプロから、仕事のプロへ。」より)

そこで本書において著者は、人生100年時代に向け、「新しい一歩を踏み出す」働き方についての考え方を提示しているのです。

きょうは第2章「仕事のプロになろう!」に注目し、基本的な考え方を確認してみたいと思います。

「会社のプロ」ではもう生き残れない。働き方2.0のすすめ

先に触れたとおり、仕事ではなく会社に依存しているのが「会社のプロ」。

これまでの日本における主流の働き方であり、会社が成長すればそこで働く個人も大きな恩恵が得られるというもの。本書ではこれを「働き方1.0」と呼んでいます。

これまではこの働き方1.0の価値観が日本の産業を支えてきたわけですが、会社の寿命と個人の寿命が逆転した現在、働き方1.0はリスクが大きいと著者は指摘しています。

いうまでもなく、会社を辞めた時点でこれまで積み上げてきたものがゼロリセットされてしまう恐れがあるから。

一方、会社ではなく仕事に依存しているのが「仕事のプロ」であり、その働き方がが本書における「働き方2.0」。

これこそが、これからの我が国の産業を支える柱のひとつとなりうる働き方だというのです。

「好き」を見つけ、それを「仕事のプロ」にまで高められた人は、時代がいかに変革しようが、「好き」をエンジンにいつまでも走り続けることができます。最強の働き方です。(76ページより)

新しい働き方である以上、まだまだ課題が多いのも事実。

とはいえ「会社のプロ」についての「保証」が崩れ去ろうとしているからこそ、「仕事のプロ」へシフトするしかないのだと著者は言います。

もちろん、「仕事のプロ」になるためには意識と行動の変革が求められることになるでしょう。そこで、たとえば広報に興味があるのだとしたら、「本当に」広報のプロとしてやっていきたいのか、まずは自問自答するところから始めるべきだといいます。

いわば、どんなことのプロとして歩むのか、自分で納得して肚落ちさせることが肝心だというわけです。

そして本当に「これでやっていきたい」という結論にたどり着けたなら、会社内で任されている「これ」の仕事はもちろん、業務時間外でも「これ」のプロになるべく貪欲にスキルアップを図っていくことが必要。

「会社のプロ」なら、その会社にいればどうにかなってきたかもしれません。しかし「仕事のプロ」としてやっていきたいのなら、その会社にいるだけではどうにもならない壁に必ずぶつかるもの。

そこで、その会社にいても、会社主導ではなく自分主導で考え、行動し続ける意志を持つことが重要だということです。

「仕事のプロ」であるとは、従来の古い仕組みやしがらみから抜け出し、個々の実力で勝負するということ。

もちろん生やさしい働き方ではないでしょうが、「よりやりたいことを存分にできるチャンスが広がる」と、プラスに考えることもできるはず。そんな「働き方2.0」こそが、これからの時代にマッチした働き方なのだというのです。(74ページより)

第一想起される人が「仕事のプロ」

ところで市販されている履歴書は、「会社のプロ」用につくられているのだそうです。

年表のように社名や配属先、肩書きなどを羅列し、賞歴や資格の有無を記すという「型」が、「会社のプロ」仕様だということ。その人がどんな人かということより、どの学校を卒業し、どの会社にいたかに重きが置かれているわけです。

では、「仕事のプロ」仕様の履歴書とはどんなものなのでしょうか?

「仕事のプロ」が「仕事のプロ」として通用するためには、「第一想起される人」であることが必要。いいかえれば、真っ先に名前が思い浮かぶ人になるということです。

「広報のプロです」と自ら名乗ったとしても、広報をかじったことがあるという程度の人ならいくらでもいます。

そんななか、クラアントの頭に真っ先に思い浮かぶ人、多数の広報マンのなかでも頭ひとつ抜きん出ている人こそが「仕事のプロ」だということ。

つまり、頭ひとつ抜きん出ていることが伝わる履歴書が、「仕事のプロ」仕様

みなさんは冷蔵庫を買うとき、何を決め手に買いますか? 外部寸法や内部容量、年間消費電力、据付必要寸法、重量などを見て「この冷蔵庫が欲しかった!」という人はほとんどいないですよね?

そうではなくて、「10万円」などと予算を決めたあとは、各メーカーの10万円前後の冷蔵庫を見比べながら、ウリになるキャッチコピーを見る、実際に購入した人の口コミを見る、専門家のおすすめを調べる、冷蔵庫を使っているカッコいい部屋をイメージできるような写真をチェックするなどして、「この冷蔵庫、欲しいな」と考えるのではないでしょうか。(82~83ページより)

著者によれば、「仕事のプロ」の履歴書もこれと同じ。

市販の履歴書のような型どおりのものではなく、もう少し人となりがわかるような資料であるべきだというのです。

そこで、自分が「仕事のプロ」としてなにをしてきたのか、個性が一発でわかるような資料をあらかじめ用意しておくことが大切だといいます。(80ページより)


「新規事業創出のプロ」を自称する著者は、長年にわたり新規事業の開発に従事してきた実績の持ち主。そうした「仕事のプロ」としての経験に基づいているからこそ、本書には説得力があるわけです。

これからの時代をタフに生き抜くために、参考にしてみてはいかがでしょうか?

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Photo: 印南敦史

Source: ダイヤモンド社

印南敦史

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