連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

なぜ、やめたくても辞められないのか? 悪習慣の原因と2つの対策

なぜ、やめたくても辞められないのか? 悪習慣の原因と2つの対策
Image: Shutterstock.com

スマホの見すぎ、お酒の飲みすぎ、甘いものの食べすぎ、ゲームのやりすぎ など…やめたくても、辞められない習慣は誰にでもいくつかあるはずです。

なぜ、悪いと思いながらもやめられないのか?

表面的なテクニックよりも本質を知り、習慣を理解することで悪習慣への根本的な対策ができます。今日は習慣が生まれる2つの構造とその対策をお伝えします。

古川武士(ふるかわ たけし) 習慣化コンサルタント

古川武士

約5万人のビジネスパーソンの育成と約1000人の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。「続ける習慣」「やめる習慣」など著書は全20冊、計80万部を超え、中国・韓国・台湾など海外でも広く翻訳され読まれている。公式サイト

なぜ、やめたくても辞められないのか?

鎖を壊す女性
Image: Shutterstock.com

悪い行動習慣は、なぜ生まれるのか? それは、悪い行動が「ストレスコーピングの手段になっている」から。

※ストレスコーピング:ストレスにうまく対処すること

イライラ、不安、疲れ、不自由感など私たちは日々仕事、人間関係、育児、などでストレスにさらされます。

生きている限り、良くも悪くもストレスは発生します。そのストレスは、解放されたいと待ち望んでいます。

溜め込み続けると、心は限界になるので、何らかの形で対処する必要があります。その手段が、冒頭のような行動習慣になっているのです。

たとえば、スマホを見ること。制限したいと思っていても、それによって解消されているストレスはないでしょうか?

お酒の飲み過ぎ・食べ過ぎ。それによって解放されているストレスはありませんか?

1つの行動を繰り返してしまうのは、「精神的なベネフィット(恩恵)」があるから。つまり行動が「ストレスを解放する手段」になっているからです。

ストレスコーピングの手段として、悪習慣が成り立っているならば、行動を禁止しても行き場を失ったストレスが爆発するだけ。また同じ行動にリバウンドして戻るか、別の悪い習慣にスイッチしてしまうだけです。

強引に禁酒だけをしても、それまでお酒によって解放されていたストレスは行き場を失い、自分の中に累積していきます。2〜3日は我慢できても、それ以上は耐えきれなくなるのは自分の意思が弱いからではありません。

ストレスコーピングが適切に行われておらず、心が悲鳴を上げてその行動に解放を求めるからです。

この心理と行動の本質が掴めていれば、2つの対処法が見えてきます。

悪習慣を辞めたいなら:ストレスコーピングの選択肢を増やす

木のぷろっくを持ち上げる様子
Image: Shutterstock.com

まず、1つ目のアプローチは、ストレスコーピングの手段・選択肢を増やすこと。

これは、拙著「やめる習慣」でスイッチングと呼んだ技術ですが、やめたい行動にはストレスコーピングとしての側面があると見れば、別の行動に捌け口を求めることができます。

たとえば、禁煙したいのにタバコがやめられないとします。喫煙が、気分転換になっていたら、それに代替できるストレスコーピング行動の選択肢を作ることで、解決しやすくなります。

単純に禁煙すると決めるだけではなく、喫煙で得られていた刺激と気分転換の別の方法を自分に用意するのです。

タバコを吸う代わりに、

  • 刺激の強いガムを噛む
  • ブラックコーヒーを飲む
  • 炭酸水を飲む
  • 気分転換用の音楽を聴く
  • 禁煙サポートパイプをくわえておく
  • テニスボールを握る

など、1つの手段ではなく、なるべく多め10個くらいの代替アイデアを出しましょう。

これまでタバコで対処してきたストレスを、たった1つの手段でスイッチすることは不可能です。たとえ複数組み合わせても、100%の代わりはできないかもしれません。

それでもストレスの捌け口となる行動を複数用意することで、やめたい習慣を手放す苦痛はかなり軽くできるはずです。

悪習慣を辞めたいなら:ストレスそのものに対処する

拳をあげる人々
Image: Shutterstock.com

2つ目のアプローチは、「ストレスそのものに対処する」こと。

ストレスが悪い習慣を作っているとしたら、ストレスそのものを生み出しているものと向き合っていきましょう。

たとえば、仕事が合わなくて、さらに上司との人間関係も悪く、毎日が嫌で仕方がないとします。このストレスから束の間解放されるために深酒をしているとしたら…。

こうなると、コーピングの手段だけを探しても対処療法に過ぎません。

ストレスそのものを何とかしなければ、お酒を幸運にやめることができても、ギャンブルなど別の依存行動でストレスコーピングを繰り返し、あまり好ましい状態にならないかもしれません。

そんな時は、思考習慣を変え、物の捉え方、解釈を変えること。そうすれば、劇的にストレスを軽くできます。

また、人間関係に関する心理学や対処スキルを学べば、上司との関係性を改善するきっかけをつかむことができるかもしれません。

どうしても仕事が合わないなら、「今が天職(自分の魂に合う仕事)を探求するターニングポイントだ」と思って自分のやりたいことを探ってみるのもいいでしょう。

いずれにしても、ストレスを生み出す巨大な問題そのものを対処しなければ、習慣行動だけを改善しようと思ってもうまくいかないことがあるのです。


今日は、悪い習慣を生み出す構造的問題を理解して、どう対処するか。

「ストレスコーピングの行動選択肢を増やす」「ストレスを生み出す問題そのものと向き合う」という切り口で解説してきました。日々の習慣を改善するヒントになれば幸いです。

あわせて読みたい

なぜ三日坊主になるの? 無理なく習慣化できる行動の組み立て方・完全ガイド

「人生を変える習慣力」で、豊かな生き方ができる人・できない人の違いがわかる?

新年度・編集部REBORN計画④ 世の中的にもそろそろアレな「喫煙」をやめる


Image: Shutterstock.com

古川武士

swiper-button-prev
swiper-button-next