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PDCAがうまく回らないのは、そもそもやり方が間違っているから?

PDCAがうまく回らないのは、そもそもやり方が間違っているから?
Image: Shutterstock.com

戦後まもなく日本に導入され、品質管理から経営哲学にまで応用されている「PDCA」。

実践している、していないは別にして、ビジネスパーソンなら誰もがご存知の業務改善手法です。

昨今、このPDCAは「時代遅れ」、「役に立たない」という論調が見られ、別の手法を提唱する人も出てきています。

一方、PDCAを「間違った使い方をして、役に立たないと思っている」から、そういう的外れな批判になると指摘するのは、経営・人材育成コンサルティング会社を経営する清水久三子さんです。

清水さんは、著書の『一生食えるプロのPDCA』(かんき出版)で、PDCAは仕事にも生活にも使え、効力を発揮する手法だと述べ、自身これを駆使して独立開業後は毎年倍以上の収入を得ているそうです。

では、PDCAをうまく使えず批判的になる人たちは、どこが間違っているのでしょうか?

本書では、その点についても論じられていますので、かいつまんで紹介しましょう。

スケジュールが緻密すぎ

P(=Plan)の段階でやりがちな誤りの1つが、「緻密なスケジュールを立ててしまう」ことだそうです。

これは特に大企業でみられる現象で、着手が遅れ、後でスケジュールの変更がしにくくなるというデメリットが生じます。

こうしたスケジュール作りが有効なのは、やるべきことがかっちり決まっている場合のみ。

PDCAで重要な、「仮説検証を素早く回しながら成功に近づいていく」アプローチには向いていないと、清水さんは述べます。

Planを立てるのは別の人

清水さんは、上層部や経営企画部が計画を立て、それを現場が実行すると失敗しやすいのは、「計画を立てる人と実行する人が別々だから」と指摘します。

これでは、上司の指示を黙ってやるだけ、というワークスタイルと変わりません。実行者が得られた検証結果を次のアクションへとつなげられず、ここに大きな問題が生まれてしまいます。

Planとは計画であると同時に「仮説」であり、実行者自身が仮説を立て実行するからこそ、以降の改善につながる気づきが得られるのです。

Doでは先に「やらないことを決める」

本書ではDo(実行)については、NGとなる例は出てきません。その代わり、腰が重くなりがちになる傾向を予防する留意点が列挙されています。

その1つが、「やらないことを決める」。

Doとは真逆に思えるこの決断を真っ先にせよと、清水さんは唱えます。

というのも、PDCAで何かチャレンジする場合、時間的余裕はないのが普通。なので、最初にやらないこと(劣後順位)を決めておかないと、ずるずると時間が超過気味になってしまい、その先には「失敗」が待っています。

もし、何か理由があってやめられない場合、「頻度を減らす」、「人に任せる」、「自動化する」ことができないか検討するようすすめられています。

Checkが抜けている

PDCAの重要な1要素であるCheck(検証・振り返り)。

ですが、これ自体をやらないケースが実は多いそうです。そして、「上手くいった、いかなかった」の結果だけを考えるのも、Checkをしたとは言えません。会議の席上で、上手くいかなかったのは誰かと責任追及され、反省するだけなのもCheckではないと、清水さんは力説します。

Checkがおざなりだと、どんな問題が生じるのでしょうか?

清水さんは、以下のように論じます。

なぜ成功したのか、何が良い結果に結びついたのか、何が良くない結果になったのかを振り返り、次に活かせる形に残さないと、毎回同じところでつまずき、失敗を繰り返すことになってしまいます。

もちろん成長は停滞します。(本書181pより)

確かに、Checkがいい加減だと「何のためのPDCAなのか」となってしまいますね。

Actionの中身が実力を超えている

Checkの際に成果が出せていないことがわかり、Actionが「これから倍の速度で仕事を処理しよう」などと、今の実力ではできないことを決意表明しても、現実的ではないと清水さんは説きます。もっともな話ですが、よくあることでしょう。

まず、すべきことは、成果が出せていない要因を特定することだそうです。

例えば、「優先順位を確認していなかった」、「作業中に再確認することが何度も発生し、中断が頻繁に起きていた」などと特定できれば、「優先順位のチェックリストを作り、作業中に確認してもらったうえで取り掛かり、作業中の手戻りを防ぐ」というActionが生まれます。

今の実力が足りないことを単に嘆くのではなく、行動を変えてゆくことで成長速度が高まり、実力がついてくるわけです。


日頃のPDCAで、上で挙げた項目のどれか1つでもあてはまるなら、それは名ばかりPDCAとなっている可能性は大。その問題点を改め、効果的なPDCAへと変身させるため、本書はとても役立つと思います。

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鈴木拓也

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