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悪習慣を断つマインドフルネストレーニング実践法で依存から脱却しよう

悪習慣を断つマインドフルネストレーニング実践法で依存から脱却しよう
Image: Shutterstock.com

生産性にブレーキをかけている悪しき習慣を自覚されている方も多いんじゃないでしょうか。ギャンブル/薬物の依存症というとシリアスで悪質な印象があるかもしれません。

でも、ゲームSNS甘いものがやめられないのも、脳内の報酬作用に伴う神経回路の結合強度こそ違えど基本的な機構は同じです。

悪しき習慣を断つ瞑想の効果

時間や健康、お金(場合によっては社会的信用も)といった大事なものを犠牲にしているのを頭ではわかっていても繰り返してしまうこうした行動を、意志の力だけでどうにかしようというのは無謀。

ただ、一度形成されてしまった条件づけに対して為す術がないかといえば、決してそんなことはありません。

今回ご紹介するマインドフルネス(瞑想)トレーニングも、悪しき習慣を断つための強力なアプローチとなりうることがわかっています。

ユタ大学の研究者らは、マインドフルネストレーニングが、条件づけの形成や持続を防ぐ可能性を示しました。

悪しき習慣を誘発する刺激への反応性が低下

嗜癖(しへき)依存症へのマインドフルネストレーニングの効果を調べた研究は、これまでにいくつもあります。

たとえば喫煙行動に関しては、以下のような研究結果が示されています。

・2週間のマインドフルネストレーニングを実施したグループは、同期間リラクゼーショントレーニングを実施したグループに比べて喫煙衝動・喫煙行動ともに減少した。

・マインドフルネストレーニングを行っている最中に、fMRIによる脳スキャンを行ったところ、喫煙衝動に関連する部位(sgACC)の活性化レベルが低下し、報酬作用の中心的役割を担う「線条体」の報酬系への関与が減少していた。

依存症の症状軽減と聞くと、マインドフルネストレーニングにより「前頭前野領域(衝動の抑制やプラニングを担う。依存症では活動が低下)」の働きが正常化したんじゃないか…と考えがちです。

でも少なくとも、これまでの研究結果を系統的に評価した2016年の研究では、マインドフルネストレーニングによる主な症状軽減メカニズムが、条件づけの手がかり刺激に対する反応性の低下である可能性が指摘されています。

そして、ユタ大学の研究者らによる今回の研究結果は、まさにそれを裏づける内容となっています。

マインドフルネスは、条件づけの形成や持続を防ぐ

ユタ大学の研究では、マインドフルネストレーニングを実施したグループと朗読を聞いたグループが比較されました。

両グループともに、ビープ音とセットで片目に空気を吹きつける手順を繰り返し受けます。

すると、まるでパブロフの犬がベルの音を聴いただけでよだれが出てしまうように、ビープ音を聴いただけでまばたきが起こるようになります。

ただ、両グループの反応には以下のような違いが見られました。

・マインドフルネストレーニングを実施したグループでは、条件づけの形成に時間がかかった。

・マインドフルネストレーニングを実施したグループでは、一旦条件づけが形成された後も発現頻度を減らすことができた。

こうした結果からは、マインドフルネストレーニングが悪しき習慣に関わる条件づけの形成や持続を防ぐ可能性が見て取れます。

では、具体的にどのようなトレーニングを行えば良いのかをご紹介していきましょう。

マインドフルネストレーニング実践法

ここでいう「マインドフルネストレーニング」とは、注意の統制トレーニング、いわゆる瞑想のことです。

瞑想では意識的に何かに集中しようとするのではなく、起こってくる思考や感情をそのまま認め、ただ俯瞰する意識状態を学びます。

具体的なやり方については以前の記事でも取り上げていますので、こちらの内容を簡単にご紹介しておきます。

1. 楽な姿勢で座り背筋を伸ばします。視線はやや下向きがやりやすいでしょう。

2. ゆっくりと呼吸し、息を吐くときにカウントしていきます。21まで数えたら1に戻ります。

3. 浮かんでくる感情や思考を無理に抑えようとせず、気が散ったらそっと呼吸に意識を戻します。

効果の実感がすぐには湧きづらいマインドフルネストレーニングですが、悪しき習慣から身を守ってくれるのなら続けるモチベーションになるのではないでしょうか。

ゲームやSNSに意志力をハイジャックされている方、瞑想を2週間以上続けてみて変化を見るのも良いでしょう。

また、ギャンブルや薬物の依存症が社会問題になっていますが、その治療プログラムに、認知行動療法なんかに併せてマインドフルネストレーニングが組み込まれることにも期待したいです。

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Source:The University of Utah News, ScienceDirect

山田洋路

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