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Apple Cardは、本当にお得か? 日米のクレジットカードと比較してわかったこと

Apple Cardは、本当にお得か? 日米のクレジットカードと比較してわかったこと
Image: Apple

先日アメリカで開催されたAppleイベントで、Appleが米系投資銀行のゴールドマン・サックスと提携・発行するクレジットカード(Apple Card)の詳細が発表されました。

Appleのクレジットカードの特典やメリット

現在わかっているApple Cardの主な特徴は、以前Wall Street Journalで報じられたものも含めて以下の通り。

1.Apple Payを介してApple Cardで決済すると、通常の買い物の還元率は2%、Apple製品を購入すると還元率は3%。Apple Payを介さず物理的なカードを使用すると、還元率は1%になります。

2.Apple Payを介してApple Cardで決済すると、「デイリーキャッシュ」と呼ばれるプログラムにより、上記の還元率で決済当日にキャッシュバックされ、Apple Cash残高に反映されます。

3.年会費、海外決済手数料、延滞手数料は一切なし。ペナルティ金利もありません。

4.Apple Walletと連動させるとiPhoneでカードを管理できます。Apple CardはマシーンラーニングとApple Mapsを駆使して、カード決済した店や施設の名前や場所を特定し、取引ラベルをつけて明確に分類します。また、飲食、ショッピング、娯楽といったカテゴリー別に支出を色分けして自動集計するので、支出の概要も一目でわかります。

5.返済が遅れると利子がどれだけ増えるかアプリで確認できるシステム。これにより、カードユーザーが支払う利子を減らすように「奨励」します。

6.Apple Cardはプラスチック製でなくチタン製で、カードの表面にカード番号、CVVセキュリティコード、有効期限、署名は表示されません。徹底的な個人情報保護の姿勢が感じられますね。

手数料・年会費無料は切り札になるか

Appleは自社サイトで、Apple Cardは年会費もあらゆる手数料も一切かからないことを強調しています。

Apple Cardは年会費、延滞金、海外決裁手数料、限度額超過手数料が一切発生しません。業界の最低金利の提供を目指し、お客様が支払いを延滞してもペナルティ金利はありません。

しかし、CreditCards.comの業界アナリストによれば、「手数料・年会費ゼロはクレジットカード業界では斬新な切り口とは言えません。PenFed Promise VisaCiti Simplicityなど他のクレジットカードも採用している戦略です」とのこと。

iPhoneを持っていないと魅力を失う

Apple Cardの強みになりそうな点をご紹介してきましたが、Apple Cardを総合評価すると「可もなく不可もない」という感じです。一番の弱点は、iPhoneApple Pay)と連動させて使用しないと還元率を最大化できない点です。

Apple Payが使えない地元の商店や施設でApple Cardを使うと、1%しか還元されないことになります。そうなると、手数料無料でApple Cardより還元率が高い別のカードに負けてしまいます」とNaddWalletは指摘しています。

アメリカでは、ほとんどのクレジットカードの還元率は1%より高くなっています。 たとえば、Wells Fargo Cash Wise cardはすべての購入に対して還元率1.5%、Capital One Savor cardは、外食は4%、食料品購入は2%、その他の購入は1%を還元します。

Citi Double Cash Cardは、Apple Payを使わなくてもすべての購入に対して2%還元されます。ただし、まずスマホをスワイプすると1%、実際に支払いをすると1%還元されるというステップで合計2%還元される仕組みです。

「Apple Cardは大々的な前触れの割に、特に画期的なカードというわけではない感じがします。Apple Cardを申し込む人の多くは、このカードが既存のカードより優れているからではなくて、単にAppleというブランドのファンだからでしょう」とCreditCards.comは分析しています。

Apple Payを使用する際の還元率を最大化したいなら、たとえばU.S. Bank Altitude Reserve Visa Infinite cardのほうがずっと優れています。

モバイルウォレット(携帯端末用のウォレット)を使用した決済で1ドルにつき3ポイント付与されるので、実質的には3%のキャッシュバックまたは旅行代金の4.5%が還元されることになるからです。

こうしてみると、「Apple ファンなのでAppleのロゴが入ったチタン製のカードが欲しい」という動機以外に、Apple Cardを申し込みたい理由はないように感じます。

ただし、ここでご紹介したことは、あくまでもアメリカでの話。

Apple Cardがもし日本に上陸すると、還元率を含め、諸々の条件がアメリカとは異なる可能性があります。そのため、日本ではどのぐらい魅力的なクレジットカードになるか、現段階ではまったく未知です。

日本の主要クレジットカードと比較してみると

参考までに、日本でポピュラーな3つのクレジットカードと比較してみましょう。

付帯機能などの詳しい情報は、各カード会社のリンクでご確認ください。

楽天カード

年会費:永年無料

還元率:1%(100円につき1ポイント=1円)

楽天市場の利用で還元率3倍、楽天ブックス・楽天トラベルの利用で還元率2倍になります。ポイントアップのキャンペーンがほぼ常時開催されており、貯まったポイントは、楽天サービスや街の加盟店で1ポイント1円として幅広く利用できます。

三井住友VISAクラシックカード

年会費:初年度無料、2年目から1500円以上

還元率:0.5%(1000円につき1ポイント=5円)

セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドで三井住友Visaカードを利用して買い物をすると5倍のポイントが貯まります(2019年3月1日より)。

Orico Card THE POINT

年会費: 永年無料

還元率: 1.0%。入会後6カ月間はポイント加算率が2倍にアップ。

オリコカード会員向けのインターネットモール「オリコモール」を利用すると、さらに0.5%のオリコポイントが加算されます。

日本の主要クレジットカードを調べてみたところ、1〜1.5%が還元率の相場でした。そうなると、2%というのはかなりお得な気がします。さらに、Apple製品購入時には3%になるので、フリーランスや企業でApple製品をたくさん買うという人にはメリットが大きそうです。

日本上陸が待たれる

アメリカからスタートする予定ですが、日本上陸の予定はまだありません。

日本でも年会費無料は珍しくないようですが、もしApple Cardが還元率2%で日本で展開すると、かなりの高還元率かもしれません。

ちなみに、日本では上記3つのカードを含む多くのクレジットカードが、Apple Pay(日本で購入したiPhone 7、Apple Watch Series 2以降のデバイスで使用可能)とタイアップしています。

アメリカではApple Pay と連携してこそ価値を発揮できるApple Cardが日本で参戦する場合、どのような魅力的な条件を打ち出してユーザーを獲得していくのか、気になるところです。

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Image: Apple

Source: Lifehacker US, Apple, Wall Street Journal, Citi, PenFed, 楽天カード, 三井住友VISAクラシックカード, Orico Card THE POINT

春野ユリ

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