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勝間和代は「コスパ」のためにヘッドフォンを5個買う。ライフハック的ガジェット論

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勝間和代は「コスパ」のためにヘッドフォンを5個買う。ライフハック的ガジェット論
Photo: Kenya Chiba

最新著書『勝間式超コントロール思考』の発刊を記念し、経済評論家としての知見を活かした著書やメディアでアドバイスを伝える勝間和代さんと、研究者とブロガーを並走しながら著書『知的生活の設計』をまとめ上げた「Lifehacking.jp」堀正岳さんの対談が実現。

前編では日本のビジネスパーソンにとって、今こそライフハックが面白い理由についてのトークが広がりました。

今回は、対談からガジェットに関するパートをよりぬきでお届けします。

様々なテクノロジーが増え、安価な手段もある中で、私たちはいかにより良くガジェットと付き合っていけばよいのでしょうか?

とりあえずAmazonで5個買っちゃう

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Photo: Kenya Chiba

:『勝間式超コントロール思考』ではApple Watchを勧めてましたが、今日は勝間さん、Apple Watchしてないんですね。

それ…Huaweiですか?

勝間:そうそう。Apple WatchアプリのAutoSleepを使ってたんです。

睡眠をちゃんととることは、ビジネスパーソンもアスリートも成績が上がるという有名な研究結果があるんですけど、ちゃんと睡眠について考えている人は少ないなと。

それで私もApple Watchを使い出して、「何時間寝たのか」はわかるんですけれど、睡眠の質までは管理できないんですよね。しかも、毎日のように電池がなくなっちゃう…。

私がスマートウォッチでやりたいことは、基本的に体調と時間のマネジメントです。

そうしたら、ちょうど2018年12月に、Huaweiがオートスリープのような機能を付け、睡眠の質も見られて、2万4000円くらいで発売するというから買ってみました。

つまり、体調マネジメントについてはApple Watchより優れたものが出たわけですね。

:なるほど。

勝間:本革ベルトのモデルだと5千円くらい高くなるから、まずは安いほうのベルトで買ってから、ゆっくり考えようかなと。

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Photo: Kenya Chiba

:最近、勝間さんはAndroidタブレットを複数枚で活用されているのも印象的でした。

勝間:別にiPadも昔は使ってたんですよ。ただ、当時はAndroidタブレットがお粗末で、iPadとは格段の差があったからです。

でも、今はAndroidタブレットのベゼルも狭いし、スピードは速いし、値段も2分の1。それならこちらでいいじゃないかと。逆に、みんながなぜ今、iPadを使うのか、わからないですよ。

:ここらへんが勝間さんのガジェットやアプリに対する向き合い方の特徴だなと思うんです。最近は若い人を中心に「コスパ脳」が増えてきていると感じます。

決して否定するわけではないのですが、「コスパの最も良いものはどれなのか教えてほしい」という求めと、いざわかるとみんなが集中してしまう現象が起きます。

勝間さんのガジェットの選び方は「当たって砕けろ的」というか、明らかにコスパはよくないですよね。

でも、著書でも「コスパ」は大切にされていると書いていますが…。

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Photo: Kenya Chiba

勝間:たしかに最初はよくないですよ。でも、たとえば、私はウェアラブルスピーカーも5個くらい持ってるんです。それは、とりあえずAmazonで、ぱっぱっぱっと5つほど買ってみるからです。

:最初から何個も買ってしまうのは、いったいなぜなんですか。

勝間:わずかな使い勝手でも、相性が変わるからです。イヤフォンなら耳の中へ入れっぱなしで、ほんのちょっとでも痛くないかが大事。

本当に数ミリの差で使い勝手って変わりますよね。ウェアラブルなものほど、なおさらです。

それが店頭だと、どれほど身につけても数分間じゃないですか。使い勝手は本当に数日つけないとわかりませんから。

:それならば最初から買ってみて、ちょっとでも嫌だと思ったら、手持ちのものと比べたりして、選抜していくというわけですね。

それって「コスパ脳」に対する、一つのアンチテーゼですよね。最初から合うものを求めるのではなく、自分に合うものを選ぶことへの投資を惜しむんじゃない、みたいな。

勝間:そうする理由は非常にシンプルです。ヘッドフォンなら一日のうちで2時間ぐらいつけますし、家でもウェアラブルスピーカーなら6時間は首にかけっぱなしですよね。

毎日8時間も身につけるなら、たとえ何十万円したって、自分にとって一番良いものを探したほうがいいからです。

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Photo: Kenya Chiba

:Androidタブレットしかり、スマートウォッチしかり、あるいはウェアラブルスピーカーもそうですが、勝間さんを見ていると「ユーザー視点で一番良いものをとにかく選べばいい」という強さを思いますね。

勝間:そうです、そうです。

:『勝間式超コントロール思考』でも小さな違和感を大切にすることに触れていましたが、つまりは「ストレスなく使え、性能に満足できる」けれど「コストが優れているもの」が自分にとっての本当に「コスパ」が優れた商品、ということなんでしょう。

レビューは星を無視して文章だけを読む

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Photo: Kenya Chiba

:選ぶ軸のひとつに「商品レビュー」もあるのだと思いますが、勝間さんはレビューシステムとはどのように付き合っていますか。

勝間:私は文章をちゃんと読みます。レーティングされた星の数は全く気にせずに、書かれた文章で特別に気になることがないか。

読んだうえで星が2つや3つでも、「これは価値があるな」と思ったら全然チャレンジします。逆に星5つでも全く信用しないですし。

:先ほどのウェアラブルスピーカーを買う話だと、レビューを読んだ上で買うという流れなんでしょうか。

勝間:いや、ヘッドフォンも3万円や5万円クラスだったら別ですけど、2000円から3000円で売っているわけですから、それなら買ってしまうほうが早いですよね。

とりあえず5個買っても1万5千円ですし。買う時に考えているのは「自分にとっての選択肢を増やすこと」だけです。

たとえば、ウォークマンも内容量が16GBと4GBがあるなら、躊躇なく4GBを買います。まだ、使えるかどうかわかりませんから。全部がそういう発想ですね。

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Photo: Kenya Chiba

:以前にバイクを選んでらっしゃったときには「まず大きいほうから乗ってみると安定して最高だった」と書いたあとで、やっぱり「私の体重だとは無理でした」と小型のものに乗り換えてらっしゃいましたよね。それを見て、僕は笑ってしまって。

勝間:なんなら最終的に、バイクはもうなくなっています(笑)。

:え! ないんですか、バイク。でも、今の自分にとってはそうかもしれないけど、未来の自分はまた欲しくなるかもと思ったら、手放しにくくはないですか?

勝間:その時はまた買えばいいんです。今度は中古で。

:そこは切り捨てる決断のほうが早いわけですね。

勝間:バイクは何がいいって、買った値段の3分の2ぐらいで売れるんです。あれは本当にいいですよね。

:でも、たしかに最近は同じように、メルカリのおかげで「売るときの値段」も調べてから買うようにしていました。

勝間:そうですよね。投資が失敗したときに半額以上を回収できるシステムって、本当にすごいなと思います。

音声入力は「見出しだけのプレゼン資料」を作れば簡単

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Photo: Kenya Chiba

:『勝間式超コントロール思考』でも書かれていますが、最近は音声入力で原稿も書いているそうですね。

勝間:キーボード、全然使ってないんですよ。音声入力とフリック入力だけですね。

:勝間さんなりの音声入力のコツってありますか?

勝間Simejiを使え(笑)!

:そのためのAndroidタブレットなわけですものね(笑)。

勝間:他にはコツらしいコツはありませんね。指でキーボードを打つ代わりに、口がキーボードだと思って話していくだけ。

ああ、話すときの文章は長いほうがいいです。

すると、前後の文脈から考えてSimejiが組み直してくれますから。そのあとで、変換が間違っているところなんかをフリック入力で直していきます。

「音声入力を上手にするには、整理してしゃべる力が必要になる」って思う人もいるんですけど、逆なんですよ。

みんな、キーボードがあるから整理しないんです。初めから音声入力で整理されているのが普通の状態になると、そっちに頭が慣れてきますから。

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Photo: Kenya Chiba

:それはありますね。僕の場合は車通勤なので、運転している間に考えて、赤信号になったときに音声入力しています。ブログなんかもこれで書けます。

音声入力に慣れてない人におすすめなのは、先に簡単なマインドマップなり、メモなりでいいのですが、「しゃべりたいこと」のテーマを決めて、しゃべる順番を箇条書きにしておく…というようにしておくといいですかね。

勝間:そうですね。目次ぐらいは作っておくといいかも。

:だいたい1分間で約100文字ぐらいは音声入力できますから、「この1節のためには3分から5分しゃべればいい」と目測が立ちます。

あとは頭に思い浮かんだものを話していく。だんだんと頭の中で構造化していくのにも慣れてきます。構文のかたちだけしっかりできていれば、あとで直すのも楽ですし。

だいたい30分の音声入力で2500文字の原稿ができあがりますからね。

勝間:それって、私のプレゼン資料と同じ作り方ですよ。

要するに、大項目を定めて、その次に小項目だけが並んでいるスライドを作っておくわけです。あとは、それを見ながらしゃべるという。

:あぁ、プレゼン資料と思ってみる、というのはわかりやすいかもしれませんね!

ブログのPVなんて気にしないくらいでちょうどいい

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Photo: Kenya Chiba

:あとは、一人のブロガーとして『勝間式超コントロール思考』でお書きになっていることで面白かったのが、「私のブログには1日1万から2万のページビューがある」と、さらっと書いていらっしゃたことです。

ほとんどのブロガーにとっては、どこか数字としては心もとない意識を持つと思うんですよね。

勝間さんくらいなら「100万PVだ!」とか、もっと盛った数字じゃなければと思う人もいるかもしれません。

けれど、すごく自然にするっと2万という数字が出てきた。それを勝間さん自身が気負ったりはしないんですよね、あんまり。

勝間:別にいいですね、全然。でも、それこそアフィリエイト収入はガジェットで遊ぶ分ぐらいは入っていますから。記事に付くコメントから得られる情報の価値もありますし。

:僕はこの1行を読んだときに、ブロガーという人の中では数字を表に出したがらない…つまり、どこかで「1日10万や20万なきゃだめなんだ」って囚われているような心理を持つ人が結構いるよな、と浮かんだんですね。

勝間:毎日10万PVって異常ですよ。

:…異常ですよね(笑)。

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Photo: Kenya Chiba

勝間:普通に考えたら異常ですし、だから毎日アップできなくなっちゃうんですよ。逆に、すごく良い記事を書いて、10万PVや20万PVがなければブロガー失格みたいになっちゃうと大変ですから。

:僕のブログも何年か前からすーっと下がってはいるのですが、あるところから下がりきらないんですよね。ずーっと一定数になっていて。

Googleがアルゴリズム変えたとか騒いでますけど、「うちは全く変わってないぞ(笑)?」みたいな状態になってて。

勝間:私も一日2万で、多いときは7万ぐらい。どこから来ているんだろうこの人たちって、私も毎回思ってますもん(笑)。

気にしないのが一番なのかもしれないですね。

勝間:で、アフィリエイトを皆さんがそこそこ踏んづけてくださってて。

:良いと思ったときには買いますからね、みんな。

勝間:そうです、そうです。

:そこが多分、ちょっと昔よりも変わったところで。「是が非でも広告なんか絶対踏むもんか!」って思っていた人が、最近は「良い情報だったら僕は踏みますよ、むしろ踏ませてください」という人も現れてきたように感じるんです。

みんな、ちゃんと書いたときには、ちゃんと踏んでくださる。

それがわかったという意味でも、今が10年前よりも良い時代に変わってきた実感がありますね。

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Photo: 千葉顕弥

Source: Lifehacking.jp, アチーブメント出版, KADOKAWA

長谷川賢人

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