
天気の良い日中は暑さを感じることがあるくらい、春らしい陽気が続いていますね。
春を感じられる食べもののひとつが、「春キャベツ」。ただ春に採れるキャベツというだけではなく、以下のような特徴があります。
春キャベツの特徴
普通のキャベツを横から見たとき、楕円に近い形をしているのに対し、春キャベツはやや小さめで丸いのが特徴。葉は鮮やかな黄緑色で、水分を多く含んでおり、食べるとみずみずしさを感じます。
また、普通のキャベツは、時期によってはしまり過ぎて炒めものや煮込みなどに向かないことがありますが、いっぽうで千切りキャベツには適しています。
それに比べて春キャベツはふんわりと柔らかいので、生で食べたり、さっと火を通したりするのに向いています。もちろん、煮たり焼いたりしてもおいしく仕上がります。
春キャベツを使い切る4つのレシピ
春キャベツは、今しか食べられない旬のもの。ただ、リーズナブルでも丸ごと1個は、さすがに多いという人もいるでしょう。
そこで、春キャベツ1個を1/4ずつ、生、焼く、煮る、蒸すの4つの調理法で食べきるレシピをご紹介します。
生:ごま油香る、春キャベツと海苔のサラダ

▼材料(1~2人分)
春キャベツ……1/4個
海苔……1/2枚
ごま油……大さじ1.5
醤油……大さじ1.5
▼作り方
STEP1.
春キャベツは、包丁でひと口大にザクザク切る。あまり小さくなりすぎないように。
STEP2.
ボウルに入れて、ごま油と醤油で和える。
STEP3.
お皿に盛り付けて海苔をちぎってのせれば、できあがり。
春キャベツは、火を通さない調理にピッタリです。シャキシャキとした食感が心地良く、口のなかにみずみずしさが溢れます。
ごま油の風味と、鼻に抜けていく海苔の香りが食欲をそそり、箸が進む進む。とても簡単に作れるので、時間のない朝などにお勧めです。
春キャベツならではの切り方
ところで、キャベツ1玉を1/4 に切るとき、一般的に十字に包丁を入れて「くし型切り」にすると思います。この形をそのまま活かして調理できるのも、ふんわりした春キャベツならではです。
続いて紹介する、「焼く」「煮る」「蒸す」春キャベツ料理は、はそれを活かした「くし型切りシリーズ」です。仕上がりのインパクトがあるので、おもてなしにも良さそうですし、写真映えもしますよ。
蒸す:春キャベツと豚肉のレンジ蒸し

▼材料(1~2人分)
春キャベツ……1/4個
豚バラ薄切り肉……150g
★カレー粉……小さじ1/2
★オリーブオイル……大さじ2
★お酢……大さじ1
★塩……小さじ1
▼作り方
STEP1.
春キャベツの間に豚バラ薄切り肉をはさむ。
STEP2.
シリコンスチーマー(耐熱容器にラップをかけても可)に入れて、キャベツが芯まで完全に柔らかくなるまで加熱する。
STEP3.
★を合わせてソースを作り、2にかけてできあがり。
カレーの風味はキャベツによく合います。また、こってりした豚肉の味をお酢が引き締め、バランスの取れた仕上がりに。ごはんのおかずにもピッタリです。
より簡単に済ませたい場合は、カレーソースを作らず、ポン酢だけでも構いません。
ほかには、ソースや鰹節、青海苔やマヨネーズなどをかけると、お好み焼き風にもなるので、いろいろと試してみてください。
煮る:ホタテ缶と春キャベツのスープ煮

▼材料(1~2人分)
春キャベツ……1/4個
ホタテ缶……小さめ1缶
水……2.5カップ
塩……小さじ1/2〜1弱
▼作り方
STEP1.
春キャベツ1/4をさらに半分にくし型切りにする。
STEP2.
鍋に水とホタテ缶とともに入れ、火をつけ沸騰させてから、弱火にして蓋をする。
STEP3.
キャベツが十分に柔らかくなるまで煮込んだら、塩で味付けして、できあがり。
ホタテ缶を使うと、それだけで簡単に良い出汁が取れるので、特別な調味料は要りません。手間がかからず、煮込んでいる間にほかの作業ができるのも嬉しいポイント。
シンプルながらも上品で、春らしく明るい気分になれる一品です。
焼く:春キャベツの焼きシーザーサラダ

▼材料(1~2人分)
春キャベツ……1/4個
ベーコン……50g
クルトン……適量
粉チーズ……適量
オリーブオイル……大さじ3
塩……3つまみ
レモン……適量
▼作り方
STEP1.
ベーコンを1.5センチ幅に切って、レモンをくし切りにしておく。
STEP2.
春キャベツ1/4をさらに半分にくし型切りにし、レンジで柔らかくなるまで加熱する。
STEP3.
フライパンにオリーブオイルを入れて火をつけ、1の春キャベツを並べ、両面焦げ目がつくまで焼いてから、お皿に取り出す。
STEP4.
キャベツを取り出したフライパンにベーコンを入れて炒め、好みの硬さにする。カリカリでも、少しお肉感が残るような形でもOK。
STEP5.
火を止めて、塩を2つまみ弱いれ、3のキャベツに油ごとかける。
STEP6.
上からクルトンやチーズをかけて、レモンを搾っていただく。
ベーコンを加えることで、さらに色鮮やかな仕上がりになります。葉にほんのり付いた焦げ目もおいしそう。チーズの香りとレモンの酸味もバランス良くまとまっています。
クルトンやベーコンの食感も楽しく、あっという間に食べきってしまうでしょう。
レシピにおける塩の分量のポイント
なお、塩の分量ですが、まず「ひとつまみ」は、親指、人差指、中指の3本の指先でつまむ量のこと。「2つまみ」は、これを2回繰り返し入れた分量になります。
ちなみに、同様にレシピによく出てくる「少々」は、親指と人差し指の2本の指先でつまむ量です。だいぶ量が変わってきますので、気をつけたいポイントです。
あえて多めに作るのもおすすめ
春キャベツはふんわりしているので、重量がそれほどありません。それぞれのレシピを倍量にしても、作りすぎとは感じないはず。
お気に召すまでたっぷりとどうぞ。スープは多めに作り置きするのもよさそうです。
春キャベツならではのおいしさは、もはや普通のキャベツとは違う野菜と言ってもいいくらいです。今の時期を逃さないようたっぷり食べて、食から春を感じてみてください。
レシピ・文/オガワチエコ
料理研究家。ル・コルドン・ブルー、東京會舘クッキングスクールで料理と製菓を学ぶ。著書に『彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん』(セブン&アイ出版)、『おにぎらずの本』(泰文堂)など。道具も調味料もない彼の家で、いかに間単に失敗なく美味しい料理を振舞うかに特化したレシピ本になっている。2015年9月11日には新刊『スティックオープンサンドの本』を出版。
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Photo: 大崎えりや
オガワチエコ
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