子どもを近づけるな、電子タバコは無害ではない
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MassGeneal Hospital for Children (MGHfC)の研究調査によると、電子タバコは従来のタバコより安全だと思い込み、子どもがいるところでも喫煙する親が多いようです。
でも、その思い込みは間違いです。
電子タバコのエアロゾルは無害ではない

この研究の筆頭著者であるJeremy Drehmerさんは、研究報告の際に次のように述べています。
電子タバコを使用している親の多くは、自宅や車の中で喫煙しています。電子タバコのコマーシャルに騙されて、電子タバコから発生するエアロゾルは、子どもに無害だと思い込んでいるからです。
ですから、子どもの医療に携わる人たちが、電子タバコの喫煙は決して子どもに対して安全ではないことを事実に基づいて世に知らしめる必要があります。
成長途中にある子どもの肺は清潔でヘルシーな空気を必要としています。一方、電子タバコは、それとは真逆の空気を発生させると米国肺協会は指摘しています。
電子タバコから発生するエアロゾルは、従来の火をつけて吸うタバコの受動喫煙とは違うと思うかもしれませんが、無害とは程遠いものです。
公衆衛生局長官は、電子タバコはニコチンや揮発性有機化合物などの有害化学物質を含有する蒸気を出すと警告しています(注:日本国内で販売されている電子タバコ<加熱式たばこを除く>には、ニコチンは含まれていません)。
成長過程にある子どもの肺は特に弱く、ニコチンは青少年の脳の発達にも有害です。
子どもに電子タバコの煙を吸わせないように配慮しよう
同研究の上席著者であり、ハーバード大学医学部小児科の教授でもあるJonathan Winickoffさんは、ニュースリリースで電子タバコがもたらす恐ろしい結果について次のように発言しています。
今から25年前、従来の火をつけて吸うタバコの煙に子どもたちをさらすとどれほど危険なのか認識されていませんでした。
今、電子タバコに関してそれと同じ状況になっています。電子タバコは、幼い子どもに及ぼす害に対して配慮も警告もせずに、ヘルシーなプロダクトとして売り出されています。
本当は、電子タバコから目に見えないニコチンの水煙と有害な超微粒子が出て、空中に広がり、その有害微粒子は室内のあちこちにくっついてしまいます。
アメリカの人々は、これがどのような恐ろしい結果をもたらすか、あと25年経たないとわからないのでしょう。
ですから、どうしても電子タバコを吸いたいときは、屋外の子どもがいないところで喫煙することをおすすめします。
日本呼吸器学会は、以下のような見解を表明しています。
1. 非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。
2. 非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。従来の燃焼式タバコと同様に、すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められない。
※(注:日本国内で販売されている電子タバコ<加熱式たばこを除く>には、ニコチンは含まれていません)を加筆し、トップ画像を差し替えました(2019.4.5)
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Image: Aleksey Kurguzov/Shutterstock.com, Quinten de Graaf/Unsplash
Source: MassGeneal Hospital for Children, American Lung Association(1, 2, 3), E-Cigarettes
Meghan Moravcik Walbert – Lifehacker US[原文]
訳:春野ユリ