2021年からETIASが義務化。申請を忘れるとヨーロッパに入国できません
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パスポートさえあれば、思い立ったらすぐにでもヨーロッパに飛べる時代。日本やアメリカのパスポートを持っていれば、90日以内の旅行ならビザは免除されています。
ところが、2021年にETIAS(European Travel Information and Authorization System/ヨーロッパ旅行情報認証システム)が導入されると、どうやらそうもいかなくなるようです。
ETIAS(エティアス)は2021年から義務化

ETIAS(エティアス)とは、「シェンゲン協定国であるヨーロッパの一部の国に(ドイツ、イタリア、フランスなど26ヶ国)にビザを取得せず訪問するために必要な欧州渡航情報認証制度」のこと。ビザ免除対象国から渡欧する場合も事前に入国許可を申請の上、承認を受けなければ入国できなくなります。適応が開始されるのは、2021年。
アメリカに入国するときに必要なESTAと同じような制度ですかね。
ETIASの導入は2018年の夏に発表されていますが、最近さらに詳しいことが明らかになったので、米Lifehackerがその内容を記事にしてご紹介しています。
入国時にETIASが必要な国は?
ETIASが必要になるのは、ビザ免除国からの旅行者が、シェンゲン協定に加盟する以下の26か国に入国する場合です。
アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン
フランスやドイツ、イタリア、スペインなど、日本人から人気の高い旅行先も含まれています。
要注意:イギリスとアイルランドはシェンゲン協定に加盟していないので、入国する際にETIASは不要です。ただし、イギリス滞在中にユーロスターでパリやブリュッセルまで遊びに行きたくなったら、ETIASが必要になります。
ビザとの違いは?
長期間の滞在にはビザが必要ですが、90日以内の滞在なら、現在のビザ免除対象国は2021年以降もビザは不要です。
ETIASで入国を事前に申請して承認を得るだけです。生体認証データ等のビザ申請時に求められるレベルの詳しい情報は求められず、手続きははるかに簡単です。
ETIASを導入する目的は?
ヨーロッパでは近年テロによる攻撃が頻発しています。
また、難民や移民問題も深刻化しています。そのため、ビザなしで渡航できる人のセキュリティチェックを強化して、入国しても問題がないか事前にチェックすることが目的です。
申請に必要な料金と日数は?
ETIAS申請の正確な費用はまだ発表されていませんが、それほど高額にはならない見込みです。現時点では、約7ユーロ(18歳未満は無料)、日本円でおよそ800〜900円と報じられています。
なお、ETIASは大使館や領事館に出頭して申請せず、オンラインでのみ申請可能なので、ネットに繋がるスマホやパソコンなどのデバイスが必要です。それと連動して、支払いもクレジットカードのみになります。
またETIASを申請してから承認されるまでには、早くても96時間、最大2週間程かかると告知されていることから、時間的に余裕を持って申請しておくほうが良さそうです。
ETIASの有効期間
ETIASの有効期間は3年間です。有効期間中は、何度でも対象国に渡航できます。
ただし、ETIASで入国する場合は、これまでのビザ無しで入国する際の条件と同じく、1回あたり90日以内の滞在となります。
また、パスポートが失効するとETIASも失効するので、パスポートの申請と同時にETIASも申請し直す必要があります。
これまでほど自由にヨーロッパに行けなくなるのは、ちょっと残念な気もしますが、ETIASは1度取得してしまえば3年間有効ですし、自宅のパソコンやスマホで手続きできるので、それほど大変ではなさそうです。
ここでご紹介した内容は、あくまでも現時点でのこと。ETIASが導入される2021年までには変更があるかもしれないので、2021年以降に渡欧予定がある方は、ETIASの公式サイトを随時チェックしてみてください。
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Image: MStudioImages/Getty Images, Pexels
Source: ETIAS EU VISA, European Commission
春野ユリ
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