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サンリオピューロランド、経営難から驚異的なV字回復の裏に「対話の力」があった

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サンリオピューロランド、経営難から驚異的なV字回復の裏に「対話の力」があった
Image: Mugendai(無限大)

かつては栄華を誇りながら、時代とともに下火となってしまうコンテンツは多くあります。その逆境から再び立ち上がり、栄光を取り戻すことは至難の業といえるでしょう。

キティちゃんでおなじみのサンリオピューロランド(以下、ピューロランド)は、一時低迷にあえぎ存続さえ危ぶまれながら、わずか数年で大人気施設に生まれ変わる奇跡を演じました。

その立役者でありピューロランド館長の小巻亜矢さんが、IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)に登場していました。驚異的なV字回復の裏にあった「対話」の秘密とは。

突然の打診の不安と戸惑いを払拭したのは「対話的自己論」

小巻さんはピューロランド就任前に、子宮頸がん予防啓発プロジェクトの「Hellosmile」や、子育て・教育支援を行う「Hello Dream」などの活動をしていましたが、多くの人が自身のキャリアや家庭、人間関係など、さまざまなことに葛藤していると感じていたそうです。

そこで、行動の主体である「自分」を深く理解し、自分に対して自分自身がどういう関わり方をするとよりよく生きられるのかを学びたいと、50歳過ぎにして大学院に入学したという経歴を持っています。

「ピューロランドに来てほしい」と小巻さんが打診されたのは、今から5年ほど前。テーマパークのことなど何も知らない、文字通り完全な門外漢であった小巻さんは、戸惑いと不安でいっぱいになったといいます。

そんなときに小巻さんを後押ししたのが、大学院で学んだ「対話的自己論」。「自分がやりたいことは何か」「迷ったときにどちらに進みたいのか」など、自分の中にあるさまざまな声に積極的に向き合っていく手法です。

小巻さんは、これによって自分で自分に問いかけた結果、「無理ですとは言いたくない」という、挑戦の気持ちがわいてきたといいます。

閉鎖危機だったサンリオピューロランド。驚異的なV字回復の裏に「対話の力」があった
Image: Mugendai(無限大)

そうして決意を固めた小巻さんが最初に行ったのは、一人の客として視察をすること。

その結果、ピューロランドは確かに課題が多いものの、高いクオリティのコンテンツが埋もれているとを感じたそう。思わず「社長、ピューロランドは可能性にあふれています」と言ってしまったほどだとか。

そのときを振り返り、小巻さんは以下のように語っています。

まず、四季のある日本において、気候に左右されない屋内型テーマパークという強み。そして、そこにはさまざまなシアターがあり、それぞれ特徴的で本格的なショーを見せられる設備がある。何よりそこに流れている理念は素晴らしい。

だから、ちょっとした改革ですぐに蘇らせることができると思いました。「ダメかもしれない」とはまったく思わなかったのです。

「聞く」ではなく「聴く」ことで組織が変わっていった

それにしても、小巻さんはどうやってピューロランドをV字回復させたのでしょうか。何を隠そう、それこそが「対話的自己論」そのものなのです。

山積みする課題を前に小巻さんが行ったのが、とにかく「聴く」こと。当初は何もわからない「よそもの」だからと反発もあったそうですが、すべての社員に心を開き、耳を傾けることを続けていきます。

そして、「課題がある」という認識を共有し、部署の違いという立場をこえた話し合いの場所を作ることで、それぞれが自分の役割に気づき、セクショナリズムに偏っていた組織が自由に対話できるようになったといいます。

受動的な「聞き方」をするのではなく、より積極的に意見に耳を傾ける能動的な「聴き方」に変わったので、みんな「言ってもいいんだ」と思える空気になった。「他部署のことだから関係ない」ではなく、「もっとこうしたらいいんじゃないか」という意見を言い合える会社へと変わってきました

閉鎖危機だったサンリオピューロランド。驚異的なV字回復の裏に「対話の力」があった
Image: Mugendai(無限大)

小巻さんはまた、「個々の中に起こるジレンマや葛藤と組織で起こる葛藤の本質は同じ」と指摘し、全員でビジョンを共有してやるべきことを明確にし、「今何が大事かを常に考えるプロセスこそが大切だと語ります。

対話がピューロランドならではの働き方と理念を育む

また、現在さまざまな職場で話題となっている働き方改革ですが、小巻さんは育児休業や時短勤務などの制度も含め、必要なものをまず「対話」から考えて、柔軟に変えていくことが重要だと語ります。

「対話」の活用は、それだけではありません。サンリオエンターテイメントには、「幸せとは愛することを知ること」という企業理念が存在するそう。

その実現のため、「社内で挨拶をする」ことから始めたところ、やがて「やさしい話し方、あたたかい聴き方」という標語を折に触れて確認し合うほどになったとか。

閉鎖危機だったサンリオピューロランド。驚異的なV字回復の裏に「対話の力」があった
Image: Mugendai(無限大)

そのほかにも、「悪者をやっつけない」というサンリオならではのパレードの理念や、キティちゃんたちが歌舞伎を演じる『KAWAII KABUKI』が表現するダイバーシティの重要性など、続きはMugendai(無限大)よりお楽しみください。


Image: Mugendai(無限大)

Source: Mugendai(無限大)

渡邊徹則

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