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節約したいなら、小さい財布を使うと良い〜マネーハック心理学

節約したいなら、小さい財布を使うと良い〜マネーハック心理学
Image: Aleksander_Gwiazda/Shutterstock.com

最近のお財布のトレンドは「ミニマル」のようです。

長財布が幅を効かせていた時代(文字通り幅が長い!)は終わりを告げ、軽量かつサイズも小さい財布が増えています。

ネットで検索するとコンパクトな財布のサムネイルがずらずらと並びます。

少しのお札、少しのコインに少しのカードを持てば、生活はできるというわけで、財布の容量を犠牲にしてでも、とにかく小さくする傾向のようです。

「犠牲」といっても実際のところ、それはマイナスではない、というのが「ミニマル財布」のスタンスです。

このミニマル財布のスタンス、ファイナンシャルプランナーとして考えてみたとき「けっこうアリじゃない?」と考えています。

今回のコラムでは、なぜミニマル財布がマネープラン上でもアリなのか考えてみます。それは行動心理学的にも賢いやり方なのです。

現金を持たないと無駄遣いをしにくくなる

お金は使わないなら使わないに越したことはありません。

あるいは使うなら合理的に使いたいものです。しかし、それはなかなか困難です。

たとえば、ある月の1日の時点で、

Aさん「今の財布に1万円、銀行預金残高が17万円」

Bさん「今の財布に6万円、銀行預金残高が12万円」

がいたとき、どちらが無駄遣いをしやすいでしょうか?

使えるお金は同じなのだから、どちらも同じように1カ月やりくりするように、と言われても、財布にお金がたくさんある人のほうが気が大きくなります。

たぶんBさんは、給料日前に苦労することになるでしょう。

こうした「感覚のズレ」はフレーミング効果(※参照)とか、メンタルアカウンティング(※参照)とかいろんな名前がついて非合理的な行動が説明されています。

いずれにせよ、あなたが「手元に持っている」というお金と、銀行の口座にあるお金は同じように認識し、同じように使うことはできないのです。

現金をたくさん持っていることは、あなたをむしろ無駄遣いに誘う罠を自分で設置しているようなものです。それがたとえ、実際の買い物がなかったとしても。

つまり、現金はあまり持たないほうがいいのです。

ブランド財布よりノンブランド財布を使え

人は自分に「ちょうどいいレベル」としてのレッテルを貼っています。

それは相対的に自分を位置づけ、落ち着くポジションを取ることになります。

落ち着くポジションがあるということは、いい話ばかりではありません。むしろ自分の持ち物の価格が、自分の毎日の買い物の価格をも無意識に決めてしまっているのです。

つまり、財布がブランドものの5万円の人と、ノンブランドの5000円のものであった場合、消費動向は絶対に変わります。

老舗デパートに出かけたとき、高い財布を持っている人は高い財布に合った買い物を無意識に考えます。

一方、安い財布を持っている人は、無意識に安い財布に見合う消費をします。

むしろデパートを退散してもっとリーズナブルな消費が「自分にはちょうどいい」と考えるかもしれません。

つまり高い財布が、自分の収入や生活に見合った消費水準という「ちょうどいい買い物」から自分を上にずらしてしまう恐れがあるわけです。

私はときどき、節約したいのならブランド財布を捨てて、ベリベリ音の鳴るビニール財布(1000円くらい)を持ってみなさいといいます。

ベリベリ財布で5000円のワインのお会計や30000円の服のお会計が恥ずかしくてできない、と思うなら、むしろそれが無駄な買い物を止める力となるわけです。

心理学では「ラベリング」という考え方がありますが、自分にラベルを貼るのなら、贅沢な生活のラベルではなく、リーズナブルな消費をするラベルを貼りたいものです。

小さい財布は、機能的にも困らない

現実問題として、ミニマル財布の機能が不足することはあるのでしょうか。

あなたがもしスマホに交通系電子マネーをセットしていたとすれば、電車の乗り降り、コンビニの買い物についてはすべて決済できることを意味します。

クレジットカードを連携しておけばチャージのために現金がいる、ということもありませんし、ポイントもそのたびに貯まります。

現金が足りない場合も、コンビニATMに連携している銀行なら、ほとんどいつでも現金をおろして決済に対応できます。

つまり「現金を少なくもつ」ことで困るシーンが減ってきました。キャッシュカードが1枚あれば十分でしょう。

クレジットカードも、何枚ものクレカを使い分ける必要性はあまりないですから、よく使うカードを1〜2枚持てば十分です。

現金で支払ったレシートは、その場で撮影して家計簿アプリに記帳すればすぐ捨てられます(訂正は後でやってもいい)。

唯一、悩ましいのはポイントカード。

しかし、これもアプリ化してみるとポイントカードの束が半分になることがあります。

どうしても必要なカードだけ残して、手頃な名刺入れ(無印良品の半透明のポリプロピレン名刺ケースを愛用していますが、今は欠番となってしまったようです)に入れておけば、鞄の中で邪魔になることもないでしょう。

小さい財布は、無駄遣いを抑える

ミニマル財布にしてみると、自分が当たり前だと思っていたお金とのつきあい方が変わります。まさにライフハックです。

ミニマル財布に替えて、「なんであんな重いものを毎日持ち歩いていたのか」と思ったなら、それは同時に無駄な買い物をする仕組みから脱することができたということでもあるのです。

現金やクレジットカードをたくさん持たず「手元に持っていない」ということは、それだけであなたの消費心理に一定の歯止めをかけてくれるなんて、ちょっと愉快じゃないですか。

この春は、財布をミニマムなものに買い替えをして、無駄遣いからも身軽になってみませんか?

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