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週末の海外旅行にはメリットがたくさん。旅作家の小林希さんに聞くライフハック

週末の海外旅行にはメリットがたくさん。旅作家の小林希さんに聞くライフハック
自著を手にする小林希さん
Photo: 小林希

「ずっと仕事が忙しくて…」とか「海外旅行をする意義がわからない」といった理由をつけて、何年も海外に行かずじまいではありませんか?

実は、香港・台湾あたりなら週末に、欧州・中南米でも数日の連休を活かして旅を満喫できるものなのです。

そうして「旅に意義を見いだせない人にこそ、こうした短い旅がおすすめ!」と唱えるのは、『週末海外 - 頑張る自分に、ご褒美旅を』(ワニブックス)を上梓した旅作家の小林希さん。

短い日程でも海外を旅することに、どんなメリットがあるのでしょうか?

これまで60か国以上をめぐり、現在も旅をしながら著作活動にいそしむ小林さんに聞いてみました。

短い旅でも得るものは大きい

―「週末くらいはゆっくりしていたい。旅に出かけたら余計疲れる」という人は多そうです。

意外に思われるかもしれませんが、短い海外への旅はあまり疲れませんし、そんなに準備も要りません。思った以上に気軽に行けるものなのです。

そして、異国の街中をただ歩いているだけでも、すごくリフレッシュになりますし、ふだん感じないようなワクワク感が必ずあります。

これは、一度体験すれば癖になるほどで、日常のマンネリ感や倦怠感も吹き飛びます。帰ってきたら、人生が楽になっているという感覚を得る人も少なくありません。

スマホを活用すれば旅の準備が簡単になる

― 旅に出かける前の、こまごました準備が面倒と感じる人もいるのでは?

海外旅行が未経験か何年も行っていないと、飛行機やホテルを予約するという最初の段階で、億劫になってしまうかもしれません。ですが、今はスマホから簡単に予約できてしまう時代。これを活用しない手はありません。

私がよく利用するのは、「Skyscanner」、「Booking.com」、「Expedia」といった、大手のオンライン予約サイト。いずれも膨大な選択肢から、リーズナブルなところを探すのに便利です。また、ゲストハウスなどは直接、公式サイトへ問い合わせることもあります。

さらに、有名な美術館・博物館も、行く前にオンラインで入場券を予約できるところが多く、そうした方がベターです。現地に着いてからだと、チケットカウンターで長蛇の列に並ぶことが、ままありますので。

旅先で役立つアプリも、いくつかあります。まず、地図アプリだと定番の「Google Maps」と、オフラインでも使える「MAPS. ME」がありますね。ショッピングの際に便利なのが「Currency」。150以上の通貨を別の通貨のレートに換算してくれるアプリです。飛行機を待っているときなどの暇つぶしには、「Netflix」や「ラジオクラウド」を視聴するとよいでしょう。

そして、海外でのネット接続には、「グローバルWiFi」でポケットWiFiをレンタルするのがよいです。

情報管理はほぼスマホで完結させることで、準備から現地での行動までがとても楽になります。

旅程は「これだけをする」という一点集中型で考える

―短い日程なので、スケジュールをびっしり詰め込むかたちになるのでしょうか?

旅先では、「これだけをする」と決めるとよいです。それは、「おいしいケーキを食べる」でもいいし、「街中にいる猫を探す」でもいいし、「美術館に行く」でもいいですが、1つだけは目標を決めます

短い間でも、1つだけなら絶対に達成できますよね。そういう目標があると、モチベーションがわきます。

もちろん、「これだけをする」と決めて行っても、行った先には思いがけない多くの人に語りたくなる体験があり、知識も付きます。そういうことが自信につながり、人生を潤わせることにもつながります。

2、3、4日間の休みで行けるオススメの場所

― 週末の2日間だけ、あるいは連休の3~4日を使い、どこかに行くとしましょう。具体的なモデルコースとして一例を挙げるとすれば、どんな旅があるでしょう。

【2日間コース:台北】

台湾の台北ですと、朝飛行機に乗って昼頃に到着するので、一泊二日の土日の旅が可能です。LCCも就航していて、安いのも魅力ですね。

到着したら、台北駅界隈の屋台街まで行ってランチ。それに、駅から電車で20分くらいのところに北投(ベイトウ)という温泉郷があるので、そこで温泉に浸かるのがおすすめです。そのまま、土曜の夜は、この地の個室温泉と大浴場付きのホテルで一泊。

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北投の温泉郷
Photo: 小林希

翌日の午前中は近辺の地熱谷を散策し、台北駅へ戻ってご飯にして、帰国の途につく。これで日曜の夜に戻ってこられます。

【3日間コース:ウラジオストク】

最近注目されている観光地として、ロシア極東の都市ウラジオストクがあります。成田から直行便があり、2時間半で到着しますので、3日間の短い期間でも十分楽しめます。

ウラジオストク国際空港から、バスに乗って50分くらいで市街地に着きます。ここには、軍事国家旧ソ連の名残をとどめる史跡として、潜水艦C-56博物館があります。退役した古い潜水艦をまるごと陸に揚げて、内部には潜水艦の歴史をたどれる資料が展示されていますが、かなり見応えがあります。

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潜水艦C-56博物館
Photo: 小林希

港湾には、現役のロシア艦隊の船も係留されていて、その威容に驚かれることでしょう。

市街に目を転じると、一見西欧風の街並みでありながら、旧ソ連時代の整然としたたたずまいが印象的。飲食店や雑貨店(みやげ店)は少なめなので、バラエティさにはちょっと欠けるのですが、老舗のグム百貨店は訪れる価値あり。レストランは、ジョージアグルジア料理のおいしいところがいくつかあるので、おさえておきましょう。

また、ウラジオストクには大陸横断鉄道の終点の駅もあります。時間的余裕があれば、立ち寄ってみてください! 歴史的な建造物なので、建築好きには興味深いと思います。

【4日間コース:ウィーン】

木・金曜日に有給休暇をとって計4日間あればヨーロッパまで足を伸ばせます。中でもウィーンは英語が通じるし、世界有数の観光地でもあるので、初めてのヨーロッパの旅としてイチオシです。

飛行機には直行便でも片道約12時間乗ることになるので、日本では深夜便に乗り、機内ではできるだけ睡眠をとっておきます。

ウィーンでイチオシの見どころは、「世界一美しい図書館」と言われる国立図書館。特に大ホールのドーム型の天井に描かれた壮麗なフレスコ画は、圧巻のながめです。館内では、1時間くらい過ごしても飽きないと思います。意外と人が少ないので、穴場です!

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ウィーンの国立図書館
Photo: 小林希

そして、市内の代表的な美術館をいくつか巡るとよいでしょう。世界的な名画や彫刻などアート作品が多数展示されており、数館を回るだけであっという間に数日経ってしまいます。もし、夜にどこか訪れたくなったら、時おり大聖堂内で催される音楽会に行きましょう。

宿泊先は、「ソフィテル・ウィーン・シュテファンスドーム」を検討してみてください。これは、近代建築の巨匠ジャン・ヌーベルの設計した、総ガラス張りの高級ホテルです。客室内は、白・黒・グレーのミニマリズムの色調に統一された落ち着ける場所で、窓からはシュテファン大聖堂を中心とした街並みが絶景。

また、最上階のレストランも、料理・景色ともに文句なしの素晴らしさです。もちろん、ここ以外にもリーズナブルな宿泊料金で結構よいホテルがいくつもあるので、チェックしておきましょう。

帰りも長時間のフライトなので、可能なら月曜午前は半休にして、午後出勤にすると良いです。月曜の朝から出勤するスケジュールで無理をして、風邪をひいて結局休むというリスクは避けましょう。

4日間の旅なので薬は不要ですが 機内や現地は乾燥するのでのど飴が必須。寝ているときは口を開け気味ならマスクを着用し、のどは乾燥させないようにして、風邪のウイルスを撃退してください。

旅をすれば楽しみながらスキルが身につく

最後に小林さんは、短い日数でも海外へ旅をするメリットについて、次のようにまとめます。

たった数日でも、海外への旅は、さまざまなスキルが身につく機会に満ちています。

仕事ではないから楽しみつつも、とっさのコミュニケーション能力段取り力が問われます。日本で普通に生活し、仕事をしているかぎりは磨くチャンスがない能力が、知らず知らずのうちに伸びて、自分の成長を実感できます。

そうして得たスキルや向上した能力は、日常業務に役立ちますし、旅で得たエピソードは、社内外での雑談飲み会の席でも興味をもって聞いてもらえるので、ムダがありません。

旅はビジネスパーソンにとって、楽しみながらスキルが習得できるライフハックだと思います。

小林希さん プロフィール

1982年生まれ、東京都出身。旅作家。立教大学在学中から、インド、モロッコ、中国などをバックパックで旅する「旅女」。29歳のとき、勤めていた出版社を退社し、その日の夜から世界放浪の一人旅へ。著書に『恋する旅女、世界をゆく』、『旅作家が本気で選ぶ! 週末島旅』(ともに幻冬舎刊)、共著に『女ふたり台湾、行ってきた。』(ダイヤモンド社刊)など。訪れた国は60か国を超える。公式サイトInstagramTwitterみんなで旅するオンラインサロン

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Photo: 小林希

Source: Skyscanner, Booking.com,Expedia, Google Maps,MAPS. ME,Currency, Netflix, ラジオクラウド(Google Play / App Store), グローバルWiFi / ビジョン

鈴木拓也

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